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PMDD・ヤーズにジェネリックがでた時泣いて喜んだけど、それは罠だった。

先発薬とジェネリックって全く同じじゃない
って、ピルを諦めてから知った私の呟き。

たぶん私は元々絶望的にピルが合わなかった。
だからドロエチが悪いわけじゃない。
世の中のジェネリック薬も悪くない。


ただ、どんなに調べても
「ヤーズフレックスからドロエチにしたら身体に合わなくなった」
という記事が見つからなくて不安になった経験から、同じように困っている人がこの記事を見つけてくれたら嬉しいと思って、これを書いている。

*ヤーズフレックス(先発薬)時代


学生の頃からヤーズフレックスを4.5年くらい飲んでいて、
3ヶ月で9000円の薬代は私にはなかなかの痛手だった。

楽しいことにお金を使いたい。
飲みたくないけれど社会人生活を送るために仕方なく飲んでいるピルには本当は1円もお金をかけたくない。
でも、飲まないと生理が重すぎて会社に行けない。毎月死にたくなって押しつぶされるのはもう嫌だ。

他の薬はもっと安いのに、
保険適用なのになんで、
生理が軽ければ必要ない出費なのに、
なんで、なんで、なんで。

ピルが高いのは国が女を嫌いなせいだと思って、日本なんて大嫌いだと思った。

生理が軽い女がコンビニコーヒーを買っているだけで罵倒したくなった。

それくらい、追い詰められていた。
追い込まれていたのはお財布じゃなく心だ。

*ドロエチ(後発薬)登場

2022年6月。
革命が起きた。
ヤーズフレックスにジェネリック薬ができたのである。
その時の私の喜びっぷりはすごい。
当時の彼氏以外にもピルユーザーの友人にもラインしたし、Twitterでも大歓喜のツイートをした。街中大声で叫んで宣伝したいくらい嬉しかった。


今までと同じ飲み方、同じ効果。
それでお値段1/3なのである。
あまりにも嬉しくて本気で泣きそうになった。

*なんか不調が増えてきた

①不正出血
ジェネリックに変えてから、不正出血が増えた。

先生に相談すると「元の薬と全く同じものなので、薬が変わったせいではないですよ」と言われたので「考えすぎかな〜ストレスとかもあるのかな〜、まあ飲み忘れちゃうこともあるし仕方ないか」とあまり深く考えなかった。

②浮腫
デスクワークだったのだが、
出勤して1時間もすると浮腫が辛くてきちんと座っていられなくなった。
幸いなことに服装ネイルピアスなんでもOKな会社だったので、
椅子の上に足をあげて過ごした。
ひどい時はロングスカートで隠してあぐらかいてた。

どんな浮腫対策をしても常に脹脛が痛くて痛くて先生に相談しても「ヤーズフレックスはピルの中で1番浮腫が少ないものだから変えられる薬がない」と撃沈。
常に着圧して、
会社のトイレで体操して、
家に帰れば脚を高く掲げる生活をしていたし、
食生活に気をつけたり、
プールに通ったり何をしてもずっと浮腫は取れないし、生理直前になるとさらにレベルアップした。

③性欲が消えた
消えるどころか、
性的なことに猛烈な嫌悪感を抱くようになった。
映画に濡れ場があってもなんとも思わなかったのに「気持ち悪い、穢れてる、なんでこんなことができるの?」と思うようになってしまった。
性的に嫌な経験をしたとか、
何かを見たとかきっかけは全くなかった。
突然、何もかもが無理になってしまった。

自分の中に性的な興奮が存在することがとにかく気持ち悪いし、
他人同士で行為をしていることを想像するだけで吐き気がした。
恋人との行為もできず、
序盤も序盤で泣いて過呼吸寸前になるレベルに性嫌悪に陥ってしまった。

④メンタルジェットコースター
ピルを飲む最大の目的は
「生理前の希死念慮をなくして正社員としてまどな生活を送れるようにする」ことだったが、
生理が終わって2週間後〜次の出血まで1.2ヶ月常にPMSの症状が出て、
メンタルもどんどん落ちて、
仕事でミスしたり休んでしまったり、
せっかくピルを飲んでいるのに出血頻度が減っていること以外ほとんどメリットを感じられなくなってしまった。

上司には常に生理と闘っていることを相談していて「不安定な時期には、私だけ不利なシフトを組まれてるって思ったり、私だけ理不尽な目に遭わされてるって思ったり、音信不通になって辞めてもいいやって思っちゃったりするんです」と話していた。上司は男性だったけれど辛い気持ちを汲み取ってくれた。
だけど、少人数の会社で、私は後輩を教える立場だった。私が毎月毎月生理で休むと後輩たちに悪影響を与えてしまうから理解はできても容認はできないと言われた。
本当にその通りだ。
自分でもわかってる。
休んでしまうのが嫌で、悔しくて、辛くて、
私のせいで、私のせいで、このバカな子宮のせいで、みんなに迷惑かけてる、ごめんなさい、ごめんなさい、ってずっと思ってた。
休まないのが1番迷惑がかからないけど、
どうしても会社に行けなかった。

出勤した時は誰よりも頑張ったけど、
家に帰ってもずっとスラックに張り付いて、
生理の時ダメな分を埋めるために費やせる時間は全部費やしたけど、
結局私はなにも成し遂げられず、
迷惑だけの存在だった。
私が採用した後輩も、私の休職中に辞めた。

*そうしてピルを諦めた

ヤーズフレックスは、
私にとって最後の砦だった。
今まで何種類ものピルを飲んでは合わず挫折して、ようやく長期間飲めたピルだった。

それなのに合わなくなってしまった。

「ピルをやめたら、会社に行けなくなる。せっかくやりたい仕事を任されているのに、せっかくいいポジションを築けたのに、辞めたくない、辞めたくない。」
そう思うとなかなかピルをやめる決断も変える決断もできず、合わないまま飲み続けていた。

もうピルは無理だ、
と思ったのは耳管開放症を再発した時だった。

耳管開放症は急に体重が減ったり、
ストレスを感じたりすると発症する。

この時期私はダイエットをしていて、かなり健康的にゆるゆる2kg痩せた、そこでコロナに罹って数日で3kg痩せた。そして1ヶ月くらい味覚がなくてあまりご飯を食べられなかった。
おまけに仕事も繁忙期でストレスもかなり強かった。
これをきっかけに再発した耳の不調は、
どんどんひどくなった。

もう無理だ、ピルはやめる。
やめて、ミレーナに挑戦しようと決めた。

*Twitterで「ジェネリックはプロのレシピを素人がつくったようなもの」と見た

今年の春、衝撃的なツイートを見た。

それはジェネリック薬とは先発薬と100%完璧に同じものではなくて「一流レストランと同じレシピと材料はあるけど、素人が作っても全く同じものには仕上がらないようなもの」という趣旨のものだった。

そのツイートのリプ欄や引用では
「自分もジェネリックにしたら効かなくなった」
「精神科でジェネリックにしたら副作用がひどいと患者に言われた」

という体験談や
「いや、そんなの思い込みでしょ」
「ジェネリックでも効いてる」
「敏感な人は副作用が出やすいけどこの種類の薬は平気、この種類はダメ」

など、様々な考えがたくさん語られていた。

これを見て
「ヤーズフレックスが急に合わなくなったのは、ジェネリックにしたからだったんだ!私にはドロエチが合ってなかった!そういうことだったんだ!」といろいろなことに納得がいった。
私は昔からかなり薬に敏感で、
副作用が強くでてしまうことがよく合ったから先発薬と後発薬の微妙な違いをキャッチしてしまったんだと思う。

*違和感は感じてた

近しい人から「くままるの体調が安定しなくなったのって、ジェネリックに変えてからじゃない?元の薬に一回戻してみたら?」と言われたことがある。
その時は「確かに同じくらいの時期だけど、先生は全く同じって言ってたからなあ」と試さなかった。
せっかく1/3になった出費を元に戻したくない気持ちが強かった。
それに何年も通っている婦人科の先生が「ジェネリックにしたせいではない」というのであればそれを信じたかった。

*ピルをやめて浮腫・性嫌悪はなくなった

「ピルやめる→1ヶ月後の生理を待つ→ミレーナを挿れる」ことになった。
ピルをやめた途端、
あんなに悩んでいた浮腫は一瞬にしてなくなった。
そして性嫌悪もほとんどなくなった。
ピルの効果だけではなく「生理のせいで休職することになって辛い、子宮なんてなければよかった、女なんかでいたくない」と悩んでいたので
いきなり「性生活たのし〜〜!」とはならなかったけれど、嫌悪感はかなり和らいだ。

*ピルをやめてメンタル終わった

「ピルを飲んでいるのにこんなにメンタルが落ちるんだったら飲んでる意味ないじゃん!もうやだ!」と思っていた。
けれど、ピルはちゃんとメンタルに効いていた。

ミレーナを挿れる前の1ヶ月間は私の人生で1番最悪の時期となった。
常に死にたくて、涙が止まらず、暴れて、デパスに溺れた。

元々ミレーナはPMSの緩和には向かないと説明を受けていたので、
ピルを辞めると決めたタイミングで心療内科の通院を始めたけれど、
そこは薬を無限に増やすタイプの病院だったのでヤク漬けになった。

私の薬を全く飲まない状態のPMDDがあまりにもひどくて、
ピルでも完全にはカバーしきれなかったんだと思う。
今思えばPMDDに関してはもっと前から心療内科に通院して向き合うべきだったけれど、
常に仕事で頭がいっぱいの私には、
自分のために病院を探して定期的に通うなんてとてもできなかった。

今まで実は支えててくれたんだね、
ありがとうピル。

*薬の相性は人それぞれ!

ピルが合うか合わないか、
どの種類が合うのか。
ジェネリックに変えると効果が変わるのか。
ピルがいいのかミレーナがいいのか。

それはもう「人による」としか言えないのだと思う。
たまたま私にはピルが合わなくて、ジェネリックのピルはもっと合わなくて、ミレーナとの相性が良かった。

ここに至るまで何年もかかって
無職になって、
たくさんの病院に行って
いろんな検査をして
たくさんお金を払って
すごく大変だった。

だけどおかげでようやく
自分に合う心療内科と、婦人科、
そしてミレーナに巡り会えた。
本当に良かったと思ってる。

今でもメンタルは全然安定してないし、
バリバリ自傷もしてるし仕事もできる状態じゃないけれど、
前より自分のことがわかって、
進めてる。
少しずつ自分を大切にする方法がわかってきた。

生理が重い全ての女性と一緒に、
生理のせいで人生を諦めたくない。
諦めてほしくないと思う。
私も諦めずに闘い続けたい。

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