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NCT#07|NCTが育むファンダムとの関係性

イリチルの日本ドームツアーが無事完走され、ドリムのカムバも大きな成果で収められ、すでに決まってるものだけでもまだまだ目白押しではありますが…一息ついたので最近書きたいと思っていたことを書いてみたいと思います。(イリチル6周年の前にと思いながら下書きに入れてちょこちょこ書いていたらあっという間に6周年を迎えてしまいました……)

それは、NCTのファンダムである「NCTzen」通称シズニについて。昔から韓国の文化や感覚が好きで、言語、バラエティ、ドラマ、もちろんKPOPも、とにかくいろいろと触れきました。中でもKPOPは最近言われるいわゆる「第1・第2世代」に高校時代を全て捧げたと言ってもいいほど夢中になり、彼ら彼女らは私の青春のすべてでした。その中で一つ面白いなと感じていたことはグループの数ほどファンダムのカラーがあるということ。当たり前と言ったらそうなのですが、グループごとにそれぞれ特徴が明確に出るのがおもしろいなと。前置きが長くなりましたが、最近特に思うことは「NCTのファンダムって素敵だな」ってことです。私はNCTと同じくらいシズニというファンダムも好きだなと思います。そして、そういう環境を創っているのはまさしく彼らだなと常々感じているので、彼らの素敵な言葉をここに残しておきたいと思います。

NCTのファンダム「NCTzen」

2017年6月12日のV LIVEで、ファン投票で公式ファンクラブ名を「NCTzen」にしたと発表されました。「“シズニー”は韓国に四季があるようにファンは僕たちにとって四季のように大事な意味」とドヨンが説明してくれています。ちなみにWayV単体のファンダム名は「WayZenNi」です。

ファンダムの特性はグループが創り出すもの

NCTを応援する中で思うのは、ファンダムの特性はやはりグループに属する本人たちが創り出すものだなということ。パフォーマンスやビジュアルはもちろん、醸し出す空気や感性、スタンス、発言、本人たちによって表出されるあらゆるものに依るのだと感じます。個人的にファンダムの居心地の良さは大事だなと思っていて、彼らに対する応援の姿勢や感覚、感性が合うほど穏やかな気持ちで安心してグループに寄り添うことができるように思います。ファンダムの規模が大きくなるほど初期に育まれていたファンダム特性を維持するのが難しくなることもありますし、もちろんNCTも例外ではないとは思います。それでも、やはり、彼らはいいファンダムを築いてきたんだなとしみじみする機会がとても多いです。

私個人の感覚ですが、シズニというファンダムは、彼らをアイドルとしてというよりは、アーティストとして、1人の人として尊敬し愛し応援している人が多いように感じます。彼らの音楽性やグループのスタンス、クリエイティビティを理解し、リスペクトしている人が多く、制作陣や制作背景にも造形が深い人が多いと感じるのがその理由のひとつです。NCTは楽曲初見時の映像やレコーディング風景を制作ビハインドとしてコンテンツ化してくれるのですが、彼らが何を思いどんな気持ちで向き合ったのか、私たちが見聞きする最終形態に至るまでにどんな過程があったのかに興味を持つ人が多いと感じます。インタビュー記事での彼らの言葉に深く耳を傾ける人が多いこともそう感じる理由です。

もう一つは、彼らという人に対して、その人の持つ人柄や姿勢、思慮深さなど内面的な部分を本質的に捉えて応援しようとする人が多いと感じることです。彼らの言葉や行動の裏側にある意図を汲もうとしたり、時にはあえてそれを憶測するようなことはしなかったり、人柄や志向、感性や感覚含めて尊敬、尊重し、愛情深く見守るように応援している人が多いなと。もちろん、好きな理由は人それぞれで、どんなふうに応援したってそれは個人の自由です。応援の仕方に良いも悪いもないのですが、個人的には「ビジュアルがよい」で終わらずアーティストとしても人としても深く理解したいと思う人が多いことがシズニが好きな理由です。いわゆるアイドルとしての推し方というよりは、1人の人として彼らの音楽や感性、生き方をしみじみと感じながら応援している人が多いように思います。

NCTに見るファンとの関係構築

アイドルとして世に出てきた中で、こういった特性のファンダムを築くのはそう簡単なことではないと思います。シズニというファンダムを築いてきたのは紛れもなくNCT彼らであり、そう感じさせる理由を何年経っても随所随所で感じます。彼らがファンに向けてくれる言葉がいつも素敵で、彼らを応援するシズニとして心に留めておきたいと思う言葉がたくさんあるのでここに残します。

「僕はただみなさんの人生を通り過ぎていくだけ」- チョンロ

夢を見させるのがアイドルだという意見もあるかもしれませんが、私はチョンロのこういった発言がとても優しい言葉だと感じます。一見ドライにも感じますが、自分も含めて人はそれぞれ自分の人生を一番に生きていくことが大切だということをフラットに伝えてくれていて、普段忘れてしまいがちな大切なことを思い出させてくれる言葉だと感じました。ファンも自分の人生を第一優先に生きてこそ、彼らといい関係でいられるのだよなと。とても配慮と愛情のこもった言葉だと感じます。

僕より自分の生活。自分の世界が一番重要です。
僕はただみなさんの人生を通り過ぎていくだけです。
2020/11/25 VLIVE
僕よりいい男性は遥かに多いです。
僕と結婚するって考えないで。
自分によく合う男性を探してください。
僕と結婚したら本当に大変ですよ。
息子を育ててる感じだと思います。
だから僕と結婚しようなんて考えないで。
自分とよく合って、性格も合って、一緒に生活するのが良い、こんな人を探さないと。
2020/11/25 VLIVE

「範疇を超えない、美しさが維持される範囲でお互いに力をもらって頼れる、世界に存在するのが難しいとても美しい関係」- ドヨン

「範疇を超えない、美しさが維持される範囲で」というドヨンらしい美しく配慮ある言葉運び。応援する側もされる側もこういう意識があってこそ、素敵な関係を築けるのだと感じます。こうしてファンとのあるべき関係性を示してくれることで私たちファンもふと彼らとの関係性に思いを馳せる機会をもらえますし、そういうことの積み重ねが思慮深いファンダムを産んできたのだろうなと。一生懸命考えながら伝えてくれていたので、なるべく彼の言葉のままで訳しました。

僕が思うには、僕もそうだし、シズニたちもそうだし、本当にこういう…範疇を超えない、そういうすごく美しい…美しさが維持されている線(範囲)でお互いを見て力をもらって、お互いを頼れるそういう、世界に存在するのが難しいとても美しい関係だと考えているんですけど、僕もシズニとこうして話したり、公演をしたりしながらすごく力をもらっているように...シズニたちも僕と考えが似ているだろうから、そういう部分ですごく力が…今辛い人たちもいるかもしれないし、僕が辛い時もあって、そういう力をもらえる状況とこういう環境(VLIVEなど)をたくさん作りたいと思っています。最近世の中はすごく厳しいじゃないですか。だからそういうのを乗り越えさせてくれる関係があるというのが、すごく素敵だと思うので、そういう関係を一緒に作れているということの確認みたいなことをたくさん…僕もすごく愛されていて、シズニ達もこうして力をもらえている人(ドヨン)がいるということをすごくたくさんお見せしたかったんです。なので、VLIVEもコンテンツを撮るのもたくさん努力しようと思います。そういった一つ一つがこういう関係の証みたいなものだから。
2019/9/19 VLIVE
こうして歌手が意味のある素晴らしい賞をいただけるまで、好きでいてくださったファンの方々がどれほどの心をかけて時間をかけて愛してくださって、またその愛を全身で分けてくださっているのかを僕たちが知らないといけないと思いました。そして、その愛を良いアルバムで、良いパフォーマンスでお返ししないといけないと思いました。もう一度、僕たちを愛してくださる方々へたくさん愛してくださってありがとうございますという言葉をお伝えしたいです。僕たちを愛してくださる方々の愛してくださる理由そのものになれるNCT 127になれるように頑張ります。ありがとうございます。愛しています。
2021 AAA 受賞コメント

「信じてきてくれた人たちにその選択が正しかったんだと証明したい」- チソン

NCTが誇るマンネ、チソン。年齢は関係ないといえど、成人したばかりでこの言葉が出てくることにチソンという人を感じます。20年でこれを思うに足る時間を彼が歩んできたことに尊敬の念を抱きますし、この言葉そのものが彼らを応援してきた選択が正しかったと思わせてくれると感じます。そして、チソンを尊敬する理由の一つでもある、彼のこの職業へのスタンス。相手がいてこその職業だということをきっととても強く感じているのだろうし、それにプライドを持って向き合っている姿勢が素敵だなと思います。

これまで僕たちを信じてきてくれた人たちに、その選択が間違ってなかった、正しかったんだということを証明できたらいい。NCTが最高だと思ってる。だから、自らプライドを持ったっていい。
2020/12/3 mnet『NCT WORLD 2.0』
何か論難のある人の歌を聞く時、「歌は歌、人柄は人柄だ」と分けて考えられなくなるんです。なので、僕はもっともっとちゃんも生きようとしているんです。楽に誰かが僕の、僕たちの歌を聞いて、僕たちを好きになってくれるのがとても嬉しいじゃないですか。
2022/4/18 IG LIVE

「みなさんの1位や全部になることはできない」「どんなに高くてもみなさんの3位」- ヘチャン

ヘチャンが繰り返し言うこの言葉は応援する側としても時々立ち返るべき言葉だなと思います。自分が今向き合わなくてはいけないことや、叶えたい目標、使える時間などがある中で、時にそれを放棄してでも彼らに向き合いたいと思ってしまう瞬間が訪れることもあるでしょう。でもそれは本質的ではなくて、そして彼らにとっても望ましいことではないと。何かとトレードオフしなくてはならないなら、私たちは自分の人生を優先してこそ彼らと素敵な関係で居続けられるんだと、本質を見失わないようにしてくれる言葉だなと感じます。これを言えるアーティストは立派だなと。ヘチャンを尊敬する理由のひとつでもある言葉です。

僕はみなさんの趣味でヒーリングになる存在で、僕が1位や全部になることはできないと(以前にも)お話ししました。シズニの人生が大切だからです。そして、みなさんがそうしてくれたら僕たちももっと嬉しいと思うので、本当に疲れてつらい時、時たま来てくださって、僕たちの歌を聞いてまた頑張ってくださったらもっと嬉しいです。
2021/5/8 HAECHAN Radio Ep.6
みなさんが本当にNCTというチームを好きでいて、ヘチャンを応援してくださる時だけは本当に幸せでいてほしいです。昔話したと思いますが、僕はどんなに高くてもみなさんの3位だという話をしましたよね。みなさんの家族、みなさんの仕事が優先だと考えているんですが、僕はマイケル・ジャクソンを見ながら夢を見て、本当にテミンヒョンのようなアーティストになりたいと考えたりもしましたし、本当に僕が好きだった音楽を聴きながら感じたそんな感情、ヒーリング、夢、こんなものをみなさんも感じてくださったら嬉しいなという思いがあります。ずっと一生懸命いきます。時には一生懸命いきながら、難しい時も大変な時も絶対にあると思いますが、だからといって目標が変わるわけではないので。
2022/6/27 東京ドーム公演後 IG LIVE

本質を見失わずに寄り添ってこその素敵な関係

NCTは大衆に迎合しないスタイルを貫いてきたからこそ、本人たちもスタッフもファンもじっと耐えなければいけなかった時期も長かったですが、その中でスタンスを明確にしながらそれを守ってきたからこそ、彼らの思想や志向に寄り添おうとする、思慮深さのあるファンダムを築いてこれたのではないかと思います。

別記事でも書いていますが、リーダーのテヨンをはじめ、メンバーそれぞれがそれぞれの言葉や方法でファンに思いを伝えてくれる場面が多く、NCT全体が持つ思慮深さや穏やかな肯定感が漂う空気がとても好きです。それぞれの感性や視点を持ってあらゆることを考え、その上で、素敵なものは素敵だと、好きなことは好きだと、それぞれの良さを肯定して尊重しながら、自分のスタイルを持っていることが彼らの素敵なところだと思います。ファンを「お互いを高め合える素晴らしい関係」「友達」だと表現し、お互いにとって健全な関係を築こうとしてくれる彼らと、これから先も、そういう関係を築こうとするファンでありたいと思います。

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