干しのいぼ痔さまと星の王子さま

いぼ痔に悩んでいる男がいました。
男は金もなく恋人もいなく、心も体も干からびていました。
ボロ家に向かう途中、だれかが立っていました。
身なりの美しい若者です。
かれはこう言いました。
「こんちには星の王子様です」
いぼ痔男はうつくしくさわやかで自分で自分を「王子」とかいう若者にイラっときて舌打ちしました。
星の王子様が続いて言いました。
「大切なものは目に見えないんだよ」
イラ立っていたいぼ痔男ですが、その言葉には胸をつかれました。
おれの、おれのいぼ痔は自分では見えない。
医者は見れるけど、おれは見ることができない。
だって自分で自分のけつの穴なんて見れないだろ!
ああ、おれのいぼ痔は大切なものなんだ。
だから見られないんだ。
「おれは干しのいぼ痔さまだ」
男はそう言って笑いました。
星の王子さまは関わりたくないなあと飛んで行きました。


最新作を2冊ほど。上記とは全くちがう美しい物語です。


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