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Her Records/MMから学ぶ低音の作り方【DTM】

ロンドン発の音楽レーベル「Her Records」、所属アーティストにはNKC、MM、Sudanimなどが在籍してます。

知らない...という人は是非知っておいた方が良いです。

2016年にはHerRecords主宰でSudanimとMMが来日しており、アンダーグラウンド界隈を賑わせました。

中でもMMはトロピカルビートを軸にハイグルーヴなトラックメイクを得意としており、キックとベースの絡みが絶妙にカッコいいです。

TerribleMuscleはMMカラーが特に強く出てる作品だと思います。民族楽器のビートとグリッチノイズが印象的なトラックですが、イントロの時点で既にグルーヴがドープに仕上がっています。

パーカスのブレイクから「ズン!」と入り込んでくるキックとベースのユニゾンが更にそれを助長させます。

興味深いのは、入りが8分刻みであること。初めて聴いた時は少し違和感がありましたが、段々聴き慣れてくると「こういう入り方も有りだな!」と思うようになりました。

ダッキングの使い方も非常にセンスの高さを感じます。

次にQBT16というトラックです。戦を彷彿させる雰囲気のイントロから重厚感のあるキックとベースのユニゾンが脳を揺さぶってきます。

ホイッスルを入れる点もユニークです。こちらのトラックはHerRecordsより無償リリースされているVolume4というアルバムに入ってます。

EQで確認すると、キックとベースが入るまでが上図。

キックとベースが入ってからがこちら。20〜150Hzがガツンと上がります。50Hz周辺が際立っています。なんともぶっとい低音...。

全体的に見ると、1.5kHzより上、ハイミッド以上は抑え、1kHzから下、ローミッドを集中的にブーストしています。

MasterCheckProを適用してみました。コンプで潰さないとこれだけ歪んだ音像感は出せないと思うので、ダイナミックレンジ(PSR)が低いのはその影響でしょう。

しかし、これだけ低音がぶっとくて中毒性の高いリフを作れるアーティストが存在するのですから、HerRecords恐るべしです。

今回紹介したMMのトラックは「キックがグルーヴの要!」だと、改めて実感できる楽曲です。

そもそも、HerRecordsのアーティストはメロディーというメロディーが存在するトラックを作る人はおらず、パーカスとFXを駆使しながらも、低音をガッツリ聴かせることに重点を置いてます。

が、やはりMMのビートメイクは群を抜いてカッコイイです...。

以上!

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