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☆コンテスト参加作品☆ №51【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『日本一に必要だったこと』

ワタクシが20歳の社会人から始めた、道具を使うあるスポーツ。
幸運にも30代で念願の日本一を手にした。


ふつうは高校生や大学生から始めることが多いので、ワタクシ練習量だけでは絶対に勝ち目はないと思った。そこで同じく社会人から競技を始めた指導者と試行錯誤。

日本一に必要だったこととは何か。



全国大会で知り合った強豪校の女子高生にこう質問をされた。


「私は筋トレ2時間、練習は朝と放課後、土日もします。全国大会に出るにはこのくらい当たり前だって先生や先輩に言われました。強くなりたいので、練習内容を教えてください!」


うそーん。
そんなに練習しているの?

「え? これってふつうですよね」
って顔をしているあなたがスゴイ。

期待されている答えにはほど遠いと思うけど、ワタクシ正直に答えた。


「平日は筋トレ10分。練習は毎日できないから土日祝にしている」

やっぱり笑われた。

「私たちより圧倒的に強いのに? 週5で練習しても、毎日ではない、って言えますよね? 絶対にもっともっと練習されていますよね?」


強い=長時間練習という女子高生のイメージ。

それを聞いたワタクシの指導者に
「少しは女子高生を見習え」
と笑われた。



「時間よりも必要な練習量」がモットーのワタクシ。

筋トレは髪を乾かしながらスクワットなど。
その後、肩周りの全部で10分。本当はもっと短いかも。

練習は土日祝、時間があれば平日1~2日、それも1時間できればいい方。
試合でまさかの延長戦があっても、絶対に体力負けなんてしない練習を目標にしていた。

自分ではちょうどいい練習量だと思っていたけれど、指導者には

「練習嫌いの過去イチ練習しない日本一」

という全然自慢できない称号をもらった。



ワタクシの作戦は全部で3つ。

道具を使うこのスポーツ。
壊滅的に不器用なワタクシ、道具の調整等々の専門的なところは全部指導者に頼り切ったのが吉と出た。
キチンと折れていない紙飛行機は飛ばない。それと同じだと考えた。

2つ目は試合でも練習と同じフォームで競技できるよう、ふだんから写真やビデオで確認し徹底的に調整した。
緊張する試合でフォームが崩れている人は多いけれど、案外本人が気がついていない。

極めつきは、指導者を一人に決めていたこと。
A先生はこう、B先輩はああとブレがなく、迷いがなかった。



人生で数少ない感動的な瞬間、日本一。
嬉しくて、指導者に優勝できた理由は何かと訊いてみた。

そんなワタクシにシンプルに一言。

「気が強いところ」



面と向かって、思いっきり悪口を言われた。


え、これってふつう褒めるところだよね?
なんか期待した言葉とは全~然違うんですけど。

それって練習時間も道具も作戦も、関係ないじゃーん。

ちぇ~っ




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