ツムグ

忘れたくないことや忘れられないことを書きます。

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最近の記事

権力がある

教員やってたとき、1年目から担任を持って、みんなから「先生」って言われて、大事にされて感謝されて。これに慣れたらだめなんだよ、偉いなんて勘違いしちゃだめなんだよ、って誰かから教えられた。特に自分のこと偉いなんて思ったことないけど、なんとなく気を遣われる対象ではあっただろうし、あたたかい扱いを受けてきたんだと思う。でも、別に、私に力があるなんて感じたことなかった。でもでも、自覚はなかったけど、当時のことを思い出すと24時間仕事のこと考えていた、そういう自分を分かってもらえて、そ

    • 生きてく

      「死ぬ」ということについて、考えてしまう時期があった。今もたまに考えるけど、あの頃ほどは考えていない。 最初は、幼稚園児のとき。自分が死ぬことというよりは親が死ぬことが恐ろしくて、死にませんようにと泣きながら祈った(その頃通っていた幼稚園はキリスト教だったから、お祈りの仕方は知っていた)。毎晩眠る前にお祈りをしていた。多分大学生あたりまで。内容は「大切な人たちが幸せに長生きできますように」。いつのまにかお祈りの回数は減ってしまったけれど、私の祈りはずっと変わらない。 2度

      • なにもかもが夢のように思える

        「都落ち」して数日、あまりにもはやく地元、そして実家の暮らしに慣れてしまっている。馴染んでいる。 FacebookにもTwitterにもLINEのタイムラインにも、地元に戻ることを書き込まなかった。なんとなく見栄があって書いた文章、それは数日間にわたって推考した文章だったけれど、一瞬だけFacebookに投稿して、結局削除してしまった。たったの数秒、いいね!が1つもつかないままに。 代わりに、大学院を修了したことを英語と日本語で、入学式の写真と修了式の笑顔の写真の2枚と一

        • ゲル氏

          ゲル氏は幸運である。その幸運は娘、息子にも受け継がれている。 ゲル氏は、田舎で生まれた。田舎といっても、その県の県庁所在地ではある。しかし、近所付き合いが厚く、車社会であり、方言があり、閉鎖的なよくある田舎町である。なんとなく見た目が古びたデパートがあり、なんとなく商店街があり、なんとなく駅がある。ゲル氏はそんな田舎の2人兄弟の次男として生まれた。 兄もゲル氏も頭が良く、兄は東京大学に進学した。ゲル氏は当時東大の次に頭が良いと地元では評判の大学に進学し、大学院も無事に修了

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