なにもかもが夢のように思える

「都落ち」して数日、あまりにもはやく地元、そして実家の暮らしに慣れてしまっている。馴染んでいる。

FacebookにもTwitterにもLINEのタイムラインにも、地元に戻ることを書き込まなかった。なんとなく見栄があって書いた文章、それは数日間にわたって推考した文章だったけれど、一瞬だけFacebookに投稿して、結局削除してしまった。たったの数秒、いいね!が1つもつかないままに。

代わりに、大学院を修了したことを英語と日本語で、入学式の写真と修了式の笑顔の写真の2枚と一緒に投稿したら、いいね!が100くらいついた。昔だったらもっといいね!がつくはずの投稿だ。もう時代はInstagramか。

東京で、憧れだった学校で教員をしていたこと、そのときの思い、大切に思っていた生徒たち、可愛がってくれた保護者たち、そして戦友ともいえる同僚たち。
東京(正確には埼玉)の優秀な大学、きらきらした日々、私たちが世界一楽しんでると信じて疑わなかった、いけてる大学生として。無敵だった頃。上京して出会えた友達、親友と思える友達。合わないところもあるけれど一緒にご飯を食べていた友達。
地味だけれど良い大学院。穏やかで優しくて強い意思を持っていた仲間たち。そして、バイトで近くに感じることができた芸人さんたち。
飲み会やパーティーやライブ、おしゃれな映画館。カフェやレストラン、ホテル、綺麗な街並み。そういうものが恋しいというよりは、ものすごく遠く、あそこで10年も過ごしていたなんて夢みたいに思える。にわかには信じがたい。あそこが私の居場所だった。

でも、私は地元を選びたいと思った。地元から選ばれるかは分からなかったけれど、家族と過ごしたい気持ちが芽生えた。そして、地元でしっかりやっていく自信がついたのだ。

東京で気にしていたことを、なぜかどうでもよく思えるのが嬉しい。私の生活がまた新しく始まっている。

 
 💖got my master's degree in education!

 ◆◆大学大学院◆◆学研究科◆◆専攻(修士課程)を修了しました。教員であり大学院生であった1年目も、弟と2人暮らししながら研究に専念できた2年目も、どちらも最高でした。

 教員の仕事は私にとって生きがいにまでなっていました。新卒で教員を選んで、5年間、仕事にめいっぱい時間を費やして、苦労以上に幸せな瞬間や楽しい瞬間、感動がたくさんありました。なにより生徒たちの変化や成長が私の幸せでした。
 妹や弟のように思える大切な生徒たちと出会えて、そして今でもあたたかく私を見守ってくださる保護者の方々、同僚の方々と出会えて良かったです。現場を離れてからも改めて、生徒たちや保護者の方々、同僚の方々からの愛を感じることが多く、ありがたく思っています。

 大学院でも尊敬できる方々に囲まれ、恵まれた研究生活でした。仕事や研究をする中で、どんな子でも生きやすい世の中にしたいという思いが常にありました。今回の研究を通して世の中を変えることができたなんて言えないけれど、これからも少しでも私なりに貢献していきたいです。

 4月からは地元で働きます。これまでの福祉や教育の経験を忘れず、学ぶこと、研究することをマイペースに続けながら頑張ります。
 東京は私にとって何をしてもどこにいても楽しくて最先端で、輝いている仲間とすぐに会える、刺激的で頼れる場所でした。環境を変えることには不安もあるし、好きな人たちと離れることに寂しさもあるけれど、でも、10年間でどこでも頑張れる、楽しめる自信をつけられたと思うので地元でも頑張ります。

 今まで選んできた道は大変なこともあったけど、ふりかえるとすごく素敵な日々でした。これからもそう思えるように、ひとつひとつ頑張っていきます。今まで私と関わり支えてくださったみなさまに感謝申し上げます。
 会えなくなるなぁなんて思うと何を伝えても足りないような気がしてしまうけど、まぁまたいつでも会えるよねー。
 以上、おしまい!


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