権力がある

教員やってたとき、1年目から担任を持って、みんなから「先生」って言われて、大事にされて感謝されて。これに慣れたらだめなんだよ、偉いなんて勘違いしちゃだめなんだよ、って誰かから教えられた。特に自分のこと偉いなんて思ったことないけど、なんとなく気を遣われる対象ではあっただろうし、あたたかい扱いを受けてきたんだと思う。でも、別に、私に力があるなんて感じたことなかった。でもでも、自覚はなかったけど、当時のことを思い出すと24時間仕事のこと考えていた、そういう自分を分かってもらえて、それでみんなあったかく接してくれたんだ。私のこと好きになってくれたんだ、と思った。やめてからも、それを感じる出来事がたくさんあった。権力とかいう力じゃなくて、親密さ、あたたかさ、優しさみたいな言葉で説明できる、なんか良いもので繋がっていられてた気がする。

さて、今の仕事、始めてまだ2週間なのにとても権力があるので「こんなに私が力持ってて良いの?」と思う。

……そして、1ヶ月が経過して、その権力があることに戸惑っていた自分が、もういないことに気付く。

でも、そういう権力があっても、国民のみなさまからいろいろ言われたり理不尽な怒りをぶつけられたりする。

時間をかけて信頼関係を構築する教員とは違って、短い時間、限られた時間でどれだけ相手に心を伝えるかが勝負の仕事。権力があるけど、その権力で勝負しない。その権力を使って仕事するけど、これで相手の心は動かせない。こう思ってること、ちゃんと覚えておこう。のまれないでね。

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