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Thomas Dolby 『The Flat Earth』

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🎧 Thomas Dolby 『The Flat Earth』

MTV世代の私たちには「She Blinded Me With Science」(地獄の邦題「彼女はサイエンス」)のビデオによってマッドサイエンティストのイメージがある。ところが実際はミュージシャン、プロデューサー、科学者、発明家、マルチな才能を持つまさに天才肌と言われる人だ。というかWikiを見るとエッそんな事してたのということが…。

出会い

MTV世代の神番組「ベストヒットUSA」でビデオを見た「She Blinded Me With Science」。今聴いても全然いい音してるなあ。好きだわこの曲。なんせ全米5位の大ヒット曲、当時はそこらじゅうでビデオが流れていたので、ビデオの中のマッドサイエンティストのイメージでキワモノの一発屋と思われていた。一発屋なのは正しいか。今思うとビデオ、ジャケット、コスチューム、メイクなどで音楽に対する偏見を持っていたと思う。我ながら恥ずかしい。しかしこのイメージがエッこんなカッコイイ曲やってるの?と180度変わったのが全英トップ20で聴いた「Hyperactive」と「サウンドストリート」で聴いたその12インチヴァージョンだった。サイエンスから2年後の1984年の事だ。

そうなんや

正直だいぶ意外だったwikiに書いている来歴をそのまま書かせてもらう。

まず名前。まさかと思っていたが友達からもらったカセットに書いていたあのDolbyサウンドから取ったらしい。後にDolby社から使用の停止を訴えられたが示談で解決している。あと驚いたのが「She Blinded Me With Science」前後の経歴で以下の通り。

①トンプソン・ツインズのアルバム『Set』では何音色かのシンセサイザー奏者として参加。
 ーーいや懐かしイイ!!『In The Name Of Love』ね。

②Def Lepardのあの大ヒットアルバム『 Pyromania』(地獄の邦題「炎のターゲット」)でBooker T. Boffinという別名にてキーボード・プレイヤーとして参加。
 ーーあのDef LepardとThomas Dolby? 
   「Photograph」「Rock Of Ages」のあのバンドと??

③Foreignerの1981年リリース・アルバム『4』に収録されている「Urgent」でのシンセサイザー奏者としての参加。
 ーーえっマジィィ!?、アメリカのバンドでしかもレコード擦り切れるほど聴いた
   あの『4』!! しかも「Urgent」って。

④同アルバム収録の大ヒット曲「Waiting for a Girl like You」のイントロで聴くことができる環境系サウンドのシンセサイザー。
 ーーウソォォ!? それはちょっと知らん方がよかったかも。
   曲のイメージが弱冠↘

⑤『4』のレコーディングとツアーへの参加で受け取った報酬を使い、1982年に『The Golden Age of Wireless』が制作され、ソロとしてのキャリアがスタート。
 ーーForeignerのツアーに参加??その金で「She Blinded Me With Science」
   しっかりしとるなあ!


その後は坂本龍一とのコラボや、David Bowie,Joni Mitchel、Prefab Sprout、Depeche Mode、Roger Watersなど錚々たるメンバーとの共演やプロディース、90年代初頭には会社を作ってインターネットでの音楽ダウンロードフォーマットを開発(スゲー)したり、映画やゲームの音楽を担当したりと才能をいかんなく発揮している。簡単に言うと天才ですかね。

このアルバム

まず「She Blinded Me With Science」を一旦忘れた方がよい。あれはあれで好きなんですが、このアルバムは全く違う。今までのテクノっぽいサウンドにファンキーなギターとベースがプラスされ、彼の得意分野であるシンセサイザーはやや抑え気味でピアノがアクセントとなる上品な音作りになっている。「Hyperactive」が少しガチャガチャして浮いていて他の曲はもっと大人っぽいファンキーな曲やジャズっぽい曲になっている。私はこのレコードをGarage BandでデータにしてPCとゲーミングヘッドホンで聴いている。四方からクリアな各楽器が聴こえて、とても今から36年も前のアルバムとは思えない。

騙されたと思って一度聴いてみてください。
80年代を生きた方もそうでない方も絶対に気に入ること間違いありません。

アルバムのオープニング曲「Dissidents」とシングルカットされた「I Scare Myself」。ちなみに「Hyperactive」はエンディング曲。

Paul Simonの「Graceland」を思わす美しいアルバムタイトル曲「The Flat Earth」



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