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Public Image Ltd 『Second Edition』(Metal Box)

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🎧 Public Image Ltd 『Second Edition(Metal Box)』

Sex Pistols解散後にJohnny Rottenが結成したバンドの2ndアルバム。45回転の12インチレコード3枚組が映画のフィルム缶のような入れ物に入って販売されたため『Metal Box』と呼ばれ、後に曲順を変えてLPレコード2枚組として販売された物が『Second Edition』となる。1stアルバムより更にニューウエーブ化した内容は、Sex Pistolsの面影が全く無くなりJohnny Rotten改めJohn Lydon(本名)の第二章が本格的にスタートした。

出会い

兄が洋楽好きの友人から借りてきたSex Pistolsのレコードを聴いて、私も兄もどっぷりハマってしまった。その後兄がこのアルバムを買って聴いたのがPILとの出会いだったが、Sex Pistolsとは全く異なるサウンドにも関わらず、違和感も怒りも全く無く好きになれたのが今考えると不思議だ。きっと元々Sex Pistolsが好きなんじゃなくてJohnny Rottenの声が好きだったからだと思う。
1stアルバム『Public Image』を聴いたのはその随分後になったが、このアルバムと異なって若干ロック感があって逆に違和感があった。Radioheadの『Kid A』を先に聴いて後から『OK Computer』を聴いたような感じだろう。

CMソング

どう調べても痕跡が見当たらない。このアルバムがリリースされた頃だったと思うが、タモリの『今夜は最高』で流れていたパイオニアの「Carrozzeria」(たぶん)のCMで「Carreering」が使われていた。コマーシャルとはかけ離れたバンドでしかも一番不気味な曲を使っていたので驚いたのを覚えているが、Wiki、YouTube、パイオニアのHPでも記述がない。なんでだろう?違うメーカーかなあ。

John Peel Session

DJのJohn Peelがいろんなアーティストを招いてスタジオ・ライブを流すイギリスBBCのラジオ番組。この名前が付いた音源は間違いない。オーディエンスがいないのが生々しくて大好き。The Smithsのもオススメだが、CDではPJ HarveyのJohn Peel Sessionがゲキ推し。今回YouTubeでPILの音源も見つけたのでアップします。

Devo

Sex Pistolsが解散した1978年、写真家のDennis MorrisがJohn Lydonをジャマイカ旅行に連れ出し、それにVirgin Recordsの責任者Richard Bransonと彼が誘ったDevoが同行した。Richard BransonがJohnをDevoのリードヴォーカルにさせようと仕組んだ旅行だった。しかしDevo側が断ったらしい。当時だったら普通に考えて相容れない馬鹿なアイデアのように思うが、PILのサウンドを聴くとJohn本人もまんざらではなかったのかもしれない。

このアルバム

金属音のようなKeith LeveneのギターとJah Wobbleの重たいベースに、チープなシンセサイザーと甲高いJohnの声が絡み、恐怖映画のサントラのような不気味サウンドに仕上がっている。暗く歪んだディスコサウンドというのが初期PILにはピッタリの表現だと思う。PILはメンバーが定着しないためアルバム毎に音が全く異なるが、PILのベースサウンドはこのアルバムと言ってもいい。
私は好きなバンドのだらだら気だるい曲(例えばRed Hot Chilli Peppersの「Sir Psycho Sexy」、Led Zeppelinの「When The Levee Breaks」、Pearl Jamの「Release」など)が好きなのだが、このアルバムでは「Poptones」が一番好きでこのアルバムを代表する曲だと思う。

イギリスからアメリカマーケットに移って『Album』や『Happy』などイイアルバムを出しているが、個人的にはダークなイギリス時代のこのアルバムと次の『Flowers Of Romance』がバンドの絶頂期だったと思う。

やっぱりJohn Lydonは歌が上手い。

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