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Naked Eyes 『Burning Bridges』

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🎧 Naked Eyes 『Burning Bridges』

2曲のヒットを出して結成からわずか3年で解散した80年代のブリティシュポップデュオ。MTV世代にはSoft Cell、A Flock of Seagulls、China Crisis、などと並ぶ人気の一発屋だと思う(一発屋はいい意味)。

出会い

全英トップ20のチャートで初めて聴いた。レコードを買ったのは数年前で当時はカセットで聴いていた。ヒット曲は「Always Something There To Remind Me」と「Promises Promises」のみだが、少し物悲しいメロディーとタイトル部分を口ずさみたくなるが唄が印象的だった。

Neon

前進のバンド「Neon」のメンバーPete BryneとRob Fisherがバンド名を変えて活動を開始したのがNaked Eyesで、Neonから離脱した2人が結成したのがTears For Fears。Naked Eyesが2枚、Tears For Fearsが3枚のアルバムを残しているがいずれも短命だった。そもそも活動年数が短くリリース枚数も少ないので正確には一発屋かどうかも分からない。そのまま続けてたら両バンドとも一線で活躍できたと思うが。しかし、ポップ系は潰しが効かないというか、短命なのはなぜなんだろう。それを考えるとHuman LeagueやPet Shop Boysが特別なのかもしれない。
残念ながら人生も短命だった。メンバーのRob Fisherが1999年に癌で亡くなっている。

僕はこんなに

「Always Something There To Remind Me」の邦題「僕はこんなに」の通り、「いつも君を思い出させるなにかがある」という名前のこの曲は今の時代だとヤバイ人の唄だ。PVも、謎の女性の結婚式を恨めしそうに眺める元恋人(?)と彼女を執拗に追いかけるパパラッチ、オープニングの物哀しい鐘の音に事件の香りがプンプン。通りかかった彼女を元恋人が追いかけるシーンで終わる意味深なエンディングはもう恐怖すら感じる。
ちなみにこの曲は彼らの曲ではなく、Burt Bacharachが作曲しSandie Shawが歌ってヒットした曲のカバー。Sandie Shawは女性なのでオリジナルには「Oh, how can I forget you, girl」のgirlがない。オリジナルのビデオもアップしておくが、唄う人や時代によってこんなにも印象が違うのかって感じ。Sandie Shawが唄うのは別れた彼氏の事を思うけなげな女性の歌だ。

I walk along the city streets,
you used to walk along with me
And every step I take reminds me
of just how we used to be

Oh, how can I forget you, girl
when there is always something there to remind me
Always something there to remind me

When shadows fall, I pass a small cafe
where we would dance at night
And I can’t help recalling
how it felt to kiss and hold you tight

Oh, how can I forget you, girl
when there is always something there to remind me
Always something there to remind me

I was born to love her
and I will never be free
You’ll always be a part of me

If you should find
you miss the sweet and tender love
we used to share
Just go back to the places
where we used to go and I’ll be there

Oh, how can I forget you, girl
when there is always something there to remind me
Always something there to remind me

I was born to love her
and I will never be free
You’ll always be a part of me
‘cause there is
Always something there to remind me
Always something there to remind me

Always something there to remind me
Always something there to remind me
Always something there to remind me…

君の澄んでいた街を歩く
よく二人で散歩したね
一歩一歩歩くたびに思い出す
あの頃の僕たちのこと

君のこと忘れられるはずがないよ
どこに行ったって
君を思い出させるんだ
いつだって
君を思い出させるんだ

夕暮れに小さなカフェの前を通りすぎる
ここは僕らが夜に踊った場所
どうしても思い出してしまう
きみにキスして強く抱きしめたとき
最高の素敵な気分だった

もしきみが
二人で分かち合った甘く優しい愛が
恋しくなったら
戻っておいでよ 僕たちがよく行った場所に
僕もそこにいるよ

君のこと忘れられるはずがないよ
どこに行ったって
君を思い出させるんだ
いつだって
君を思い出させるんだ

僕は君を愛するために生まれたのさ
僕は決してフリーになれない
きみはいつだって僕の一部なんだ

君のこと忘れられるはずがないよ
どこに行ったって
君を思い出させるんだ
いつだって
君を思い出させるんだ

ジャケット

上のジャケットがアメリカのジャケットでタイトルが『Naked Eyes』、下がイギリスのオリジナルジャケットでタイトルが『Burning Bridges』。
曲順も異なり、曲数はイギリス版が1曲多い。日本はアメリカ版ジャケットで曲数はイギリス版+1曲。日本はレコードが高いのでそうなったのか?
私のレコードは日本版だが、タスキは『Naked Eyes』で横のタイトル(本でいう背表紙)は『Burning Bridges』と書いている。当然イギリス版が先にリリースされているが、全くデザインが異なるのも意味が分からない。

このアルバム

元ミュージシャンで後に高橋ユキヒロのアルバムなどにも参加するTony Mansfieldがプロデュースしている影響か、普通のポップスよりもセンスのよい音作りで今聴いても古さは感じない。Thomas Dolby、Tears For Fears、Pet Shop Boysのアルバムと同様に過度なシンセサイザーや打ち込みがなく、Pete Bryneの優しい声でしっとりで聴き込める出来だ。2曲のヒット曲しかメジャーではないがアルバムの中ではヒット曲の方がアメリカ市場を意識した安っぽさを感じるくらい。ぜひアルバムを通して聴いてもらいたい。

しかしこのビデオは…なんでこうなるかね。

80年代のポップスは一発屋が多いが曲はカラオケでずっと唄われてそう。『マイレージ・マイライフ』という映画でAnna KendricksがCyndi Loaperの「Time After TIme」をカラオケで熱唱していたが、Nakid Eyesもきっとあんな感じで唄われてるのかなあ。「僕はこんなに」を男が唄ってたらドン引きだけど。


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