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プラスαのインターネット活用術 17

Medical Tribune 2000年6月1日 30ページ ©︎鈴木吉彦 医学博士

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インターネットで動画や画像を入手 研修や患者教育に活用を 修得

臨床の場では様々な手技の修得が重要となります。それには文字情報だけでは理解しにくく実地研修が必要で、修得には時間がかかるものでした。

インターネットでは、画像や音声を入手することも可能です。医学に役立つ教育用の動画をダウンロードして学習に利用するという試みもなされています。こうした画像を入手できれば、医学の手技の修得や教育は楽になることでしょう。画像を見るには、これまではReal社が提供するReal Playerというプログラムソフトが広く利用されていました。例えば、http://www.so-net.ne.jp/vivre/video/banyu/のサイトを参考にしてください。ここでは、萬有製薬が健康教育用の画像ソフトを提供しています。

これらの画像はテレビに比べると画像が劣りますが、音声はきらいに聞こえます。ラジオよりはわかりやすいけれどテレビほどではない、という程度です。実は、テレビと同程度の高品質の画像を入手することも可能ですが、精密な画像はファイルサイズが大きくなるのが問題です。ですから、これまでのインターネットの通信速度では不可能でした。例えばMPEG1という形式で画像を圧縮した場合には、数十メガのファイルサイズになり、インターネットで入手するには1時間以上も待たなければならないという事態が起こっていました。これでは非現実的です。

最近では、Quick Timeがマックだけでなく、Windows系のパソコンでも利用できるようになりました。ですからReal PlayerよりもQuick Timeを選択する場合も増えてきたようです。

筆者の父は田舎で開業医をしていますが、ある時、血糖値が900mg/dlの患者が通院してきたという電話が私のところにありました。インスリンを注射しなくてはいけないのですが、父はインスリンの注射指導をした事がありません。私は糖尿病が専門ですからこういう場合、インターネットから動画をダウンロードできれば、私から父に注射法を教えて患者に指導してもらえるわけです。結局、父はその患者にインスリンの注射指導ができず、他院に紹介することになったようです。こうした問題が起こらないように、今後はMy-Medipro(http://www.so-net.ne.jp/medipro/)で日本イーライリリー社やノボノルディスクファーマ社からインスリン関連のビデオ動画がもし提供されれば、そうした内容の動画を利用し、インスリン指導に役立ててもらう時代が来るに違いありません。

高速ネットで入手が容易に

So-netでは、今年の夏からaDSLという高速インターネット通信(500kbps),ソニーグループからはWLLという高速無線インターネットサービス(1.5Mbps)がスタートします。これが実現すると、動画の送受信は簡単になります。圧縮方法もあまり問題にならないということになります。これまでのように、CS放送(衛星放送)からでしか動画を見られなかったという状況がなくなります。

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