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iPadにキーボードを接続する。(Bluetooth以外)

GIGAスクール構想でキーボードが必要とされている。

一部の教育関係者しか興味が無いと思うが,GIGAスクール構想という,ザックリいうと学校で児童生徒一人1台のPC環境やインフラ整備を進めようという話がいま熱い。

このGIGAスクール構想では,キーボードはBluetooth接続不可という扱い。Bluetoothは台数が多いと不安定になるかもという配慮らしい。そもそも,電池が必要だったり,充電が必要なBluetoothキーボードは,学校現場(特に公立学校)の実情を考えると良いとは思えないので,有線接続という仕様は良い。

WindowsやChromebookは,ほぼキーボードが付いているが,iPadはそうではない。ここが,全国の自治体の悩みどころらしい。

そんなわけで、ここではGIGAスクール構想の端末補助の4.5万円の壁を考慮し,多くの公立学校のターゲットになると思われる現時点で一番安価な10.2インチのiPad(第7世代)の有線接続キーボードの選択肢について,無責任にまとめる。
尚,どこまで補助の対象になるかわからないので、ここで書いていることが,全て使えるわけではないことをご承知ください。

純正のキーボードはお高い。

iPad(第7世代)に限らず,iPad miniを除く全てのiPadに純正キーボードが提供されている。純正のキーボードが一番正義だと思うが,お高い。端末補助4.5万円以内とは,ほど遠い。ブルジョアな自治体向け。背面ケースも忘れずにお買い求め下さい。

ちなみに私はUSキーボードが好き。使いもしない日本語表記がなく,スッキリしていてカッコイイ。国際的社会で活躍するために英語が大事と言いながら,キーボードはJISにこだわるってどうなのよ?そのくらいの違いが使いこなせないって一太郎は出来るけどWordは使えない大人と同じで本質的に使えてないのと同じじゃない?って問題については,またいずれ機会があれば。

そんなUS配列なSmart Keyboardはこちら。

LogicoolもSmart Connetorなキーボードを出している。

実はLogicoolがSmart Connector で接続できるiPad(第7世代)用ケース一体型キーボードを出している。これは,なかなかよさそう。

これが良さそうな理由は,落としても大丈夫そうなケース一体型なところ。ケースは,現時点ではGIGAスクール構想の端末の補助対象外になっているが,キーボードと一体型なら良いとの噂もある(あくまで噂で,確証はないが,本当にダメというならそれはそれで,文科省の(以下省略))。

しかし,やはり高い。実物を見たことがあって,物もしっかりしているので高いのは理解できるが,実はSmart Connectorのライセンスが高いのではないかと疑っている(笑)
これが買えれば,良いが,高い。高いよね…

ちなみにLogicoolは,その他のiPad用にもSmart Connectorのキーボードを出している。

一番簡単なのはLinghtning接続のキーボード。

シンプルにLightningで接続するキーボーというのがある。iPad(第7世代)に限らず,全てのLightningなiPadやiPhoneに使えたりする。

こんなのがある。(順不同)

たぶん,純正以外なら一番手軽。使うときだけ接続すれば良いので,iPadの機動性を失わず,使いたいときにキーボードが使える。

それでも1万円ぐらいする。大量に調達すれば安くなりそうだが,そもそも,大量調達に耐えられるような供給が出来るのかどうか。元々は同じOEMじゃないかと思う感じのものもあるし。

まとめると,スタイルは良いけど,課題は全国のGIGA祭りに耐えられる安定供給。

さらに安くUSBキーボードを接続する方法。

意外とみんな見落としていると思うのが,Lightning - USBカメラアダプタを使ってUSBキーボードを接続するという方法。

これもiPad(第7世代)に限らず,全てのLightningなiPadやiPhoneに使えたりする。

理屈では繋げるらしいということはわかっているが,検証のために一つ買ってきた。

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手始めに手元にあった古いHappy Hacking Keyboard Lite2を接続してみたところ,使えなかった。

どうして使えないのか,調べてみると静電容量無接点方式のキーボードは,電源が必要。電源が必要なキーボードには,Lightning - USB 3カメラアダプタを使うのが良いらしい。

Lightning - USB 3カメラアダプタは,少し高いし,キーボードのために電源確保はナンセンス。加えて,静電容量無接点方式のキーボードはどちらかというと高級品っぽいので,今回の調達対象となるようなキーボードは関係ない。
ところが,前述のHappy Hacking Keyboard Lite2は静電容量無接点方式では無いっぽいことが判明。結果的に,反応しなかった理由は謎。古すぎる?

安くて安定的に手に入りそうなUSBキーボードを探す。
サンワサプライ SKB-E3U。ヨドバシカメラで2千円ぐらい。買って来た。

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買ったのはテンキー無しタイプだが,テンキーありのSKB-E2Uもある。

なぜか,実売はテンキー無し(SKB-E3U)よりテンキーあり(SKB-E2U)の方が実売は少し安い。需要と供給の問題か?
ここでもテンキー無しの方が美しいという個人的判断で,テンキー無しのSKB-E3Uを購入。

US配列のキーボードを選んでいるのは,個人的趣味ではない。この方法で使えるキーボードは,US配列のみで,JIS配列を接続しても,US配列として認識されるらしい。個人的には,JIS配列のキーボードはやむを得ない場合を除き,買わないことにしているので,試していない。

早速,SKB-E2Uを接続してみる。

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拍子抜けするほどに普通に使える。
ちなみに,日本語と英語の切り替えは,[CTRL]+[SPACE]である。iPadで使う普通のUS配列キーボードと同じ。おなじみの方法。

この方法だと3,000円ぐらいの純正アダプタ+2,000円ぐらいのキーボードを買う事で,トータル5,000円ぐらいでキーボードが整備できる。しかも,キーボードの価格は,大量調達でもっと圧縮されるだろうし,US配列ならワールドワイドな調達が出来るので,ボリューム的な問題も無いだろう。アダプタはApple純正品だから,たぶん,Appleが頑張るだろう。

ちなみに,Lightning - USBカメラアダプタはiPadOS13なら,ファイルアプリを使って,USBメモリ(学校から廃絶したい情報事故発生源デバイス第1位(根拠無し))が使えるので,iPadはUSBが使えない!的などうでもいい話(だって,AirDropが使えるし,GIGAスクール構想ではクラウドファーストでしょ?)が出ても,解決の糸口になる。

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そんなわけで,ここまでのまとめ。

(1)Lightning - USBカメラアダプタでUSBキーボードが使える。
(2)静電容量無接点方式のキーボードは電源が必要なので,不可。静電容量無接点方式の高級なキーボードが使いたければ,Lightning - USB 3カメラアダプタを使って,電源を確保すれば良いらしい。
(3)接続できるキーボードはUS配列のみ。
(4)Lightning - USBカメラアダプタを使えば,USBメモリも使える。
(5)とはいっても,キーボードによって接続できる出来ないはあるかも知れないので,自己責任で(調達なら仕様書にちゃんと書くことで課題は解決。)。

大事なのは活用する場面を考えて整備すること。

以上,考えられる4パターンのキーボード接続を考えてみた。
どれが一番良いとは予算とかもあるので言い切れない。自治体によってベストは違うはず。

全国学力・学習状況調査のCBT化という話も含めて,キーボードがマストなのは議論するまでもないが,一方で,

(1)ローマ字を習っていない学年にもキーボードが必要なのか? → 全台数に買う事はないのではないか。
(2)50音表で入力できるソフトウェアキーボードの活用や直接手書きできる方が良いのではないか? → ソフトウェアキーボードの活用やタッチパネルが欲しい。
(3)屋外の観察活動等の利用でメカニカルなキーボード付きの端末を持ち出すのは,壊れるリスクが高くなるし,邪魔ではないか? → 取り外せたり,ある程度,防塵防滴なキーボードがある機種が良い。

というような児童生徒の活用する場面を想像して,無駄なく必要なものを整備する観点も必要なのだと思う。

ちなみに,最近の活用事例ビデオでは個人的に一番好きな熊本市教育センターの事例でも,物理的なキーボードはほとんど使われていないようだ。
iPadだから使って無いんじゃないの?というツッコミはあるかも知れないけど,熊本市教育センターのビデオは,端末とかキーボードの議論とは関係なしにご覧頂きたいビデオ。

端末とかキーボードの整備方法からの議論じゃなくて,どんな授業のために,同じ予算の枠内で,どんな整備をしていくのかという授業からの議論が大事なのだと思う。



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