5月30日「平凡」「当たり前」って?

若い時は「普通」とか「平凡な」みたいな状態や言葉が嫌いだった。
よく親には「普通って一番難しくて幸せなことなんだよ」と言われていたけれど、その都度反発してた覚えがある。

若いというのは怖いもの知らずになれるということでもある。
体力があって夜なんて寝なくてもずっと動いていられたり。
なにかしらしていないと爆発してしまいそうな、そんな内側から溢れてくるエネルギーに満ちている。

大人になった今だからこそ、自分もそういう状態であったんだと冷静に分析できるけど、自分が当事者であるときなんてそんなの分からないものだ。
だからこそ無茶苦茶なことができる。
無茶苦茶なことができるときに無理にそれを抑え込んでしまうのは、ほんとうにもったいないとも思う。

そうそう。尾崎豊の「15の夜」の歌詞に共感しまくったりもしたな。
実際にはバイクも盗んでないし、学校の窓ガラスも割ってないけどさ。
でもそういうことをしたくなる衝動というか、なにかしらをぶち壊したくなるようなエネルギーに溢れてた。

毎日学校に行く意味もわかんなかったし、ほんとうにつまらなくて。
早く卒業したくて仕方なかったなぁ。
隠すのうますぎて誰一人として私がそんな風に思ってるなんて気づいてなかったけれど笑

つまらないつまらない、と言いつつ、じゃあなにか他に夢中になっていることでもあったのか?というとそれも特になくって。
とにかく淡々と過ごしてた気がする。
なんだか小さい頃から色々と抑え込む癖が自然と身についてしまってて、ほんとうのことを感じ取る感覚がかなり鈍ってしまってたんだろうな。
だから正直なところ、小さい頃から20歳ころまでの記憶ってちょっと曖昧だったり忘れてしまっていることが多いみたい。

忘れてしまっている、というのは本人は覚えてなかったりすることなわけだから、友人や家族とかに言われて「・・・記憶にないな?」ってわかるんだけど。

どんなことが好きで、なにをしたいのか?
っていうのは自分で自分の感覚を捉えていないと分かんないと思う。
自分はそうだった。

自分の衝動や欲求を抑え込むのが当たり前になっちゃうと、どんどんセンサーが鈍くなっていくのだと思う。

なにかにパッと目が行く。
あ、これ面白そう。
自分もやってみたいな~。

とか。こういう自然な流れがうまく働かなくなっちゃう。
何を見てもな~んにも感じなくなっちゃうというか。
ほんとうは興味あったりするのに心が動かなくなっちゃうの。
まぁ実際には動いてるんだけど、それを感じ取れない状態というか。

私はこういう状態だったな。いまもまだリハビリしてるといえばしてるんだろう。なんせ気づけたのはここ1年くらいのもんだし!

これも自分で一つずつ、無意識であるにせよ選んできた道の積み重ねであるのだから、別に後悔はもうない。これもただの経験の一つに過ぎない。

「普通」とか「当たり前」ってあくまでも自分基準のものだし、それこそずっと続けてきた行動や思考、洗脳などによって自分と一体化しているからこそ「普通」って感じるのだと思う。
他人からみたら意味不明な事であるかもしれないのに。

当たり前になっていることって自分にとってはラクだったりもするから、それをやめたり変えようとするとものすごく抵抗があるし疲れるし怖かったりする。
でもだからこそ、俯瞰で自分のことや周囲のことを見る、というのは定期的にやってみたり、それこそそれを癖にすることは大切だと思う。
ずっとそこに嵌ってしまっていると、抜け出せなくなっていることにすら気づけないし、新たな可能性があることにも気付きにくくなってしまう。

だからルーティーンもたまにやめてみたり変えてみたりするのも大事だよね。よくなんでもパターン化しがちな自分だったので自分自身に言ってる笑

私がそういう罠から抜け出すことになった大きな転機は父の死だったけど、大きな出来事っていうのはどでかいハンマーでいきなり殴られて瀕死の重傷を負う、みたいな感じで負担もデカけりゃ回復にも相当時間を要することでもあるから、あんまりオススメしたくない気づき方ではある。
でもそれもほんとうに必要であったからこそ起きたことだったんだ、とは今では思えるけど。

瀕死の重傷を負うことにはなったけれど、父からは大きな最後のギフトを貰ったな、と思ってます。
最後まで父に何もできなかったけれど、心から感謝しています。
ありがとう。


でも、そういう経験からいうならば大きなハンマーがいきなり振り下ろされる前に、少しずつでも自分の「当たり前・普通」を疑っていってみたらいいのでは?と思う。
普通も当たり前も存在していないことに気づくから。

いろんなものを見に行って、触れて、関わって、どんどん今日のその瞬間までの自分を壊していったらいい。
「まったく変わらないこと」なんて何一つとしてないから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?