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危篤状態②


姉の手を握り続けてどれくらい経っただろう…

家を出発した時は真夜中だったのにすっかり明るくなっている。

少し落ち着いてきたので ICUを出て上司に電話をかけ、その日は欠勤した。

その後、再び病室へ戻り姉の手をとる。
…少ししてからだろうか、気がつくと病室には祖父母や従兄弟達が駆け付けていた。

その間、父親は遠く離れた土地の高校に通っている弟を港まで迎えに行ってる最中だった。

従兄弟と何を話したかはあんまり覚えていない。
ただ、「少し休もう?何か食べないと…」と言われた記憶はある。

私はその言葉を受け入れることなく、ひたすら姉の手を握り続けた。

お尻が痛い…けど今この場を離れては行けない気がする。離れたくない。



数時間後、ようやく父親と弟が病室に到着した。


弟の目には大粒の涙が浮かんでいた。
そして瞬く間に溢れ出て声を出して泣きだしてしまった。

つられるように自分もまた涙が止まらなくなった。従兄弟も泣いている。

父親は直ぐに病室を出てしまう。弟を迎えに行く前もそうだった。最愛の娘がこんな状態になってしまい、辛くて見ていられなかったらしい。



時刻は昼を周り一旦帰宅することに。


姉が危篤状態な為、病院で寝泊まりすることが決まった。

充電器や他に必要なものを取りに一旦帰ることになった。そして帰宅後、私のスマホに一通の電話が届いた。


それは上司からだった。


「…はい、お世話になっております。」

「お姉さんの状態はどう?」 と聞かれたため病院での出来事を話したのだが、その後上司から思わぬ一言が告げられた。


「家族が大変な時に言うのもなんだけど、○○さん(私の苗字)正社員だからね?今日は急だったけどずっと休みなのもね〜…」


大切な家族が危険な状態、そりゃそばにいてあげたい。けど上司からは遠回しに〝休まず来いよ〟と言われてしまった。

会社に迷惑をかけているのは十分分かっている。

でも人の命より会社の方が大切?私はそうは思わない。

結局私だけ家に残り両親と弟は再び病院へ。
私は姉の死を報告されるまで出勤した。


姉の事故がニュースになっていたらしく、職場のパートに出勤するなり

「○○さんのお姉さん大丈夫かい?」

と聞かれた。

普段から噂話が好きな人の集まり。私はこの職場が大嫌いでした。

昨日の出来事がフラッシュバックし、その場で泣いてしまいました。

その日は家族から連絡が来ることなく、仕事を終えることが出来ました。
連絡が来てないということはまだ生きているということ。



少し長くなりましたが今回はここまで。
話が長いと思う方もいると思いますが、人生を変えるほどの出来事な為、覚えてることは細かく綴りたいです。

大切な人を失った悲しみを少しでも多くの人に見ていただきたいです。

被害者はずっと苦しみを抱えて生きています。
〝時が解決する〟なんて嘘。

次回も見てくださると嬉しいです。

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