見出し画像

プリズン・ブック・クラブ

まず構成からして面白い
刑務所内での読書会のお話なんだけど、一回一回の題材の本についての議論が一章事にまとめられているのも読みやすいし、なによりも取り上げられている本を読みたいと思ってしまう気持ちになった。

ノンフィクションは、とりあえず読みやすい。彼らが目の前で会話し、読書会を開いてる様子が目に浮かぶし、キャロルの別荘である、アマースト島の情景を小説に入れてるのもまた良い。なんだっけ、なんかの動物と見つめ合うシーンとか。笑

この中に出てきた小説の中で、またの名をグレイス以外内容をしらないが、怒りの葡萄や、もう服従しない、ガーンジー島の読書会、ユダヤ人を救った動物園、を読んでみたい。
読んだあとまた、この本を開くのもワクワクするだろうし、この事を言ってたんだってなりそうな気がする。

刑務所という閉鎖的な空間かつ罪人である彼らの思考もまた面白い。十人いれば十人の考え方がある。前科者の彼らが、暴力に対しての考え方も暴力を振るう前提がない人間からしたら新鮮だし、人種差別、宗教といった、議論しにくいものをとりあげるのは読んでてヒヤヒヤとワクワクといったかんじだった。
そして最後のまたの名をグレイスで、語り口調が一人称で彼女が犯罪に携わっているのか判別にできないとなった時に、本を読んでても分からないがあっていいという解釈を誰かがしてて、確かにそれでも良いのかもしれない、と思ってしまった。


私はこの本の帯表紙に、彼らが夢中になっているのはもはや麻薬ではなく書物なのだと書いてあり手に取った。そんな魅力的な言葉を聞いたら読みたくなってしまうではないか!と。笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?