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リード125レビュー。俺の人生を変えた1台。

2021年5月31日

リード125を買った。

これはもう日にちまで覚えている。自動二輪免許の卒業検定を終え、無事に合格した俺は次の日には運転免許センターに向かっていた。
買った。と言っても、免許センターに向かう1ヶ月前には成約を済ませ「もういつでも納車出来ますよ!」と数日のうちに連絡が来て俄然教習所の授業にも身が入り、キャンセル待ちに毎日足繁く通い、ジェットヘルメットも買って卒業検定は自前のヘルメットで臨み、ちょっと緊張したものの難なくクリア。いよいよ満を辞しての納車だった。

運転免許センターで講習を済ませ、新しい免許証をもらう。そこには新しく「普自二」の文字が、俺はその感動もひとしおに免許センターを出た瞬間バイク屋に電話「今から行きます」と告げ、1時間もしないうちに納車。
バイク屋を後にして運転した俺の最初の感想は「怖い」だった。何これ、単車と全然違う!ニーグリップ出来ないから車体と自分の身体がものすごく噛み合わない感覚があった。フワフワしているというか、こんな簡単にこんなにもスピードが出る物体に乗ってて良いのかと。座って、右手を捻るだけで簡単に時速80キロメートルだって出てしまう。この現実離れ感に面喰らった。

それも家に着く頃には薄れ、俺はその足で職場に向かい、その後に兄貴に会って兄貴の乗っているシグナスXと乗り換えてちょっと遊んだり。そこから俺のバイク人生は始まった。
基本通勤で使っていて、最初はどのルートが最適か分からずに途轍もない渋滞にハマったり、後ろを走っていた同じ原2乗りにメチャメチャに煽られたり、信号待ちでスペースがあったので左側から車の前へ出ようとしたら運転手から窓を開けて怒鳴られたり等色々とあったものの、それ以上に「俺がバイクに乗って走っている」という楽しさが全てを吹き飛ばしてくれた。
急いでる奴や煽るような心の余裕のない奴に腹が立つのなんてその時のほんの一瞬だけで、次の瞬間にはエンジンの音と風を切る空気の冷たさと目まぐるしく変わる道路の後ろで大きく構えた街並みや山々、川や海の風景に俺の心は綻びっぱなしだった。

スクーターとはいえ、ある程度スピードも出る。そして俺の買ったリード125は加速性能とトップスピードが他の車種と比べても速い方らしい。フルスロットルでエンジンを回した時には高速道路も普通に巡航出来てしまう程のスピードも出る。ゆっくりと街並みを眺めながら走るもよし、スピードを出す楽しさもまた(厳密に言えばよくないけど)よし、乗れば乗るほど楽しいリード125に、間違いなく俺は虜になっていた。

ただ乗っていくうちに難点も出てきて、最初に思ったのがシートの硬さ。最初こそこんなもんかと思っていたけど、通勤で片道1時間近くかかるので結構尻が痛くなる。なので

シートの中ワタを削り、ニトリで買った低反発クッションを仕込む。
これが最高で、一気に乗り心地が良くなった。驚いたのが、サスペンション変えたのかってくらい路面のギャップもシートがいなしてくれる感覚があって、予想以上に乗り味も(勿論いい意味で)変わった。

あとはマフラーも交換した。
みんな大好きモリワキ!結構色んなメーカーからリード125のマフラーが出ててちょっと迷ったんだけど、たまたまヤフオクで安く出回っていたし軽い気持ちで入札したらそのまま落札出来ちゃったので、モノは試しだなということで替えてみた。
うるさ過ぎず、それでいて純正マフラーの大人しさも消えてちょうどよく気持ちのいい音と鼓動感に。「スクーター」から「単気筒バイク」に変わったような小気味良さと、なぜか若干燃費も向上した。

それからグリップとバーエンドとミラーも交換。
純正ミラーのヤボったい感じもそれはそれで見易いし良かったんだけど、ちょっと気取ってメッキミラーに変えてみようかしら?ってことで、デイトナのものに。完全に自己満で結果的に純正よりは若干見づらくなってはいるものの、慣れればどうってことはなく自分仕様の唯一無二感が気分を高揚させてくれる。
バーエンドもグリップも、それ自体に目に見えた変化は無かったけどどんどん自分色に染まっていく感じが最高に良かった。

乗れば乗るほど自分に馴染んでく(自分が馴染んでいくともいえる)し、ちょっと遠出をするにも知らない道を走る楽しさやワクワクは何にも変え難いし、友達とツーリングをするのも楽しいし、休みをとって相模湖に行ったときに気づいたんだけど、川や海や湖の水面をボーっと眺めるのが最高に癒されるというのも分かったし、走ってて沿岸部に出た時の開放感や、山間を走った時のダンジョンに入ったかのようなドキドキや、走りながら夜の街の灯りを遠くに見た美しさや、ちょっとの寄り道で見つけた畑や畦道の長閑さ。それらはこのリード125に乗っていなかったら絶対に味わうことが出来なかった感動だ。

納車して現在までおよそ7500キロくらい走ってるんだけど、その7500キロの間に俺が味わった感動は計り知れないものがある。間違いなく今年の俺の人生を最も彩ってくれたものだし、時間だけで言ったら多分楽器を弾くことよりも多かったと思う。
音楽をやるための楽器や機材よりも、バイクに乗るためのウェアやヘルメット、パーツやメンテナンスキットを買った事の方が多かったし、暇があったらデジマートよりもグーバイクやウェビックをチェックしていた。YouTubeのチャンネルも音楽や楽器関連よりモトブログやバイク関連のチャンネルを見る事の方が多かった。
正直、バンドがほとんど動いていなくて自分のアイデンティティみたいなのがどんどんよく分からなくなっていく中で、ギリギリ俺を最低限人間として保ってくれたのがリード125だし、今年バイクに目覚めていなかったらきっと無趣味で何の取り柄の無いバンドマン崩れの中年が出来上がっていたと思う。そう考えるともはや彩りを通り越して救いになったとも言える。

きっとこれからも乗っていくだろうし、未来に新しく単車を買っても、その取り回しの良さと気軽さで手放すことは今の所は考えられない。オイル交換なんかのメンテナンスもやればやるほど愛着が湧いてくるし、時にはスリップしそうになって命の危機もあったけど、それらを総合して俺の人生がバイクと出会って間違いなく変わったし、良くなった。
こんなに何かを始めて心が高揚してるのはベース以来かも知れない。もしかしたらそれ以上かな。大人になっても楽しいことは見つけられるし、人生は良くなる。それを教えてくれたかけがえのない1台になったのは間違いない。

唯一、自分がこうなって難点があるとすると「周りにバイク乗りの友達が多くない」ということ。みんな乗ろうよ!バイクは最高だよ!!

次回予告
フルフェイスヘルメットOGK Kabuto SHUMAレビュー。現在のメインヘルメット。

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