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別にお笑い好きを公言してないけど毎年やってるM-1感想。2021年

今年もやるよ!

去年も一昨年もやってるから、このnoteをよく読んでくれてる人にとってはもはや俺は「お笑い好き」として浸透してるかも知れないけど、そもそも俺という人間が浸透していない上に俺がそこまでこのnoteを皆に浸透させようとしていないという意味では例年通りでいいかな!書いてくよ!


・モグライダー

面白かったね。「美川憲一って気の毒だよね」ってつかみが最高に良くて、そこからこねくり回してポンコツキャラを露呈という形で披露していくっていく流れはすごく好き。

そのキャラクターの強さに負けないツッコミも鋭く、言葉選びも巧み。声色も見た目もどことなくアンタッチャブル柴田に似てると思ったのは俺だけかな?最終的にハッピーエンドな感じで終わるんだけど、そこの大オチがちょっとゴチャついてヌルっと終わった感があった。それが素でやってるポンコツなのかそうじゃないのかが今後もテレビに出る上で気になるキャラではあるかな。

・ランジャタイ

決勝のライナップを見て、絶対に最下位になると思っていた。これは悪い意味ではなく、賞レースという場においてこのコンビが優勝するとかじゃなく「どのタイミングで審査員を引っ掻き回すか?」という期待で見ていた。

結果、序盤に出てきてちゃんと審査員が頭を抱えるという展開になり、真空ジェシカくらいまでこの混乱した雰囲気が続いたという意味ではかなりいい仕事をしたと思う。ちゃんと爪痕は残してる。ネタはいつもの混沌とした感じ。賞レース用にマイルドなのをチョイスしてる感じはあった。トムとジェリーみたいだったね!

・ゆにばーす

昨今非常にデリケートな男女ネタをM-1の場でやる。というだけでもかなりのプレッシャーだろうけど、ものともしない強さがあった。30万か乳かは大笑いした。

終わった後もそこまで男女の話特有の湿っぽい感じにもならないのは流石としか言いようがない。ただ間に挟まったコロナとワクチンの問答はどうなんだろうね?個人的にはなくてもいいかなと思ってる。なんか取ってつけた感があって、それなら男女ネタ押しでオチもボケ倒してくれ!って思ってしまった。

・ハライチ

今年は敗者復活戦から観てたんだけど、まあハライチだろうなって思っていたよ。時間切れのSEにすらツッコミを入れるなりふりかまわなさが最高に良かった。

その上で、漫才の雰囲気をコントロールしているのは間違いなく岩井さんの方なんだけど、決勝のネタはその岩井さんの狂気がこれでもかというくらいブチ込まれてたね。俺は好きだったんだけど、あれはもう本当に狂気で笑いにならないって人もいるよな。っていう意味では点数が伸びなかったのも納得。でももう良いでしょ、二人してM-1でキャラも人気も確率してるから。面白いもん!

・真空ジェシカ

インテリジェンスが過ぎる。かつて漫才で二進法の表し方を使ったコンビ観たことないわ。踏み絵だジャイロ回転だハンドサインだなんだって、もう出てくるボケツッコミのワードがまず漫才で使うという発想にならない。

その上でオチが少し弱かったかな。長尺のネタを無理矢理M-1用に収めた感じ。個人的にはもっと観ていたいと思った。こういうスタイルで次にどんなボケツッコミが来るんだろうっていうワクワク感は今年の10組の中ではピカイチ!

・オズワルド

ランジャタイの作った混沌を見事に振り払って審査員を唸らせた圧巻の漫才。俺は一昨年から好きで注目してたんだけど、今年はものすごい完成度だったね!つかみがちゃんと活きてる展開に淡々とした狂気が混ざって不安になるものの最終的にはハッピーエンド。緊張と緩和が最高に良いバランスに仕上がってて文句なしの予選1位。

それだけに、今回優勝出来なかったのがどうなるか、と言った感じ。最終決戦のネタも面白かったけど、着実に笑い飯ルートに入っている気がする。安定して面白くて俺はすごい好きなんだけど、強烈なキャラクター性や強い一発ギャグで押すようなスタイルじゃ無いだけに次どうなるんだろうというのが楽しみでもあり不安でもある。

・ロングコートダディ

オズワルドでひとつ大波が来たと思ってて、ここからそれをどう乗りこなしていくか。という場面で、後に出てくるコンビ達の「強烈なキャラクターでボケを畳みかける」という流れを自然に、かつ自身もそこに舵を切っていっ
た。という点において、今回の優勝を産んだ影の立役者はこのコンビだと個人的には思っている。

とはいえ、キャラ自体はそこまでゴリ押ししていくほどのネタでも無かったし、どちらかと言えば肉うどんの天丼やラコステに反応するといった細やかな笑いのポイントがすごく好きだったっていう感想になったあたり、後の2組の強烈なキャラから繰り出されるボケの応酬に飲み込まれちゃったかな。って印象。面白かったけどね!

・錦鯉

仕上がってたね!去年のようなマサノリ一点突破な感じじゃなく、ちゃんとツッコミの渡辺さんのキャラクター性、その良さが垣間見れたのが良い。

それを感じたのが最終決戦の2本目のネタで、「じいさんは優しく…」の下りでボケの方に目が行くようにしてそれを伏線にして、最後の大オチで「じいさんは優しく…」の下りを雅紀さんにする。そして最後の「ライフイズビューティフル!」という大オチ。それもこれも雅紀さんが50歳だから出来るもので、間違いなく錦鯉というコンビにしか出来ない最高のネタだったと思う。キャラクター性、人間性、ネタの仕上がり、どれをとっても死角が無い。文句なしのチャンピオンだと思います!

・インディアンス

この流れでこの人たち(ていうか、田渕さん)に敵う人はいないだろ。そういう点では、一番出順に救われた。救われたというか、最高の順番でのネタ披露だったと思う。

とはいえネタ自体も去年や一昨年からまた洗練されてて、程よく角が取れたような、でも持ち味は損なわさない。絶妙の塩梅でボケ倒しが展開されていたと思う。それだけに、唯一ちょっと気になったのが二人の声の音量差。音量差というか、音質差というか。きむさんの声が細いのか、田渕さんの声が太過ぎるのか、このバランスは本当に難しいなと思った。

・もも

今回の大波をそれぞれが一通り乗った後に出ざるを得なかった。という点では結構不運な役回りだったと思う。ただ、それでもキャラは弱くないし、それぞれのキャラをいじるというスタイルの漫才は流れに合っていたし、ちゃんと面白かった。

前2組が圧倒的なキャラ押しだったのと、ボケ畳みかけスタイルだった故に、どちらも中途半端な雰囲気になってしまったという印象は否めない。これも出順の魔力。ランジャタイの後だったらもっと良い点数だったかも知れない。いや、それも微妙なとこか。ただ若いから大化けの可能性は秘めてる気がする。ハライチもそうだったし。


以上10組

ちょっと今回は錦鯉に感動しちゃいましたね。面白いのもそうなんだけど、時間をおいてこうして感想にしつつ噛み締めると涙すら出てくる。

ただ客観的に観て、マヂカルラブリーのかけた魔法がまだ残っている印象もあった。それが今回のオズワルドの敗北に出ていると思う。言うなれば去年の見取り図ポジションで、ストレートなしゃべくりの漫才ではないスタイルのコンビが去年今年と続いているので、そこに来年どう作用してくるのか?というのがまた気になるところ。

まあしかし、歴代で見てもしゃべくり漫才だけが優勝してきたわけではないし、しゃべくり漫才のトップはミルクボーイが完璧にやり切ったとも思っているので、しばらくはこの混沌状態が続くんじゃないかなと思うし、それだけにまた新たに、まだ日の目を観ていない芸人たちが出てくるんじゃないかなという楽しみもある。

今年も最高に面白かったです。M-1グランプリ!

俺はこれで、安心して2021年の年越しが出来ます!いや、出来ないわ。今年何にもやってねえ!俺ときたら!!アホか!!

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