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私だけの特捜最前線→70「Gメン・波止場に消ゆ!~桜井、高杉両刑事が潜入捜査で名コンビぶりを発揮」

※このコラムはネタバレがあります。

今回は初期のドラマより「Gメン・波止場に消ゆ!」を紹介します。この作品の主役は桜井刑事(藤岡弘、)高杉刑事(西田敏行)で、二人が特命を受けて潜入捜査をするというストーリーです。

麻薬捜査官はどこへ?

1年前に消息を絶った麻薬捜査官の行方と、覚せい剤密売ルートの摘発という命令を受け、桜井刑事と高杉刑事は横須賀に入り、船員を名乗りながら潜入捜査を開始します。

高杉が密売の容疑で地元警察に逮捕されるという想定外の事態をかいくぐりながら、二人は密売組織と関係がある謎の男と、男が出入りする小料理屋の女にたどり着きます。

女を尾行した桜井は、潜伏していた捜査官を発見します。彼は組織に潜入したものの正体がバレ、瀕死のところを女に救われたのでした。捜査官の身分を捨て、今は組織の売人になっていました。

捜査官と高杉が組織に捕らわれたことを知り、桜井は女に謎の男を呼び出させます。男は3年前、組織に両親を殺された元刑事で、女は彼の妹でした。男は復讐のため、自ら組織の一味に加わっていたのです。

男は桜井に対し、地元警察の捜査課長が組織の幹部だと話し、自分の正体を捜査課長にバラせば黒幕が姿を現すだろうと、おとりになることを覚悟します。そして、妹と捜査官の行く末を託すのでした。

桜井と高杉の名コンビ

この作品の最大の見どころは、潜入捜査をする桜井と高杉のコンビネーションにあります。とくに桜井が高杉のことを「陽さん」とファーストネーム(高杉の名前は陽三)で呼んでいるところが印象的です。

初期の桜井は、特命課ナンバー2のエリート警部でした。潜入捜査でコンビを組む相手はベテランのおやっさんでもなく、若い吉野や津上でもなく、たたき上げの苦労人である高杉だったのです。

桜井の潜入ぶりがスマートそのものなのに対し、高杉の方はコミカルで危なっかしく見えます。役柄以上に藤岡弘、さんと西田敏行さんという役者のキャラクターが存分に生かされている配役でした。

二人は対照的な面も見せます。捜査官を見つけた桜井は、彼の話を聞き「俺も同じ立場ならそうする」と同情的でしたが、高杉は「お前の生きざまは何だ。男の仕事を捨てたのか」と怒り、捜査官を殴りつけるのです。

そしてラスト。捜査官と妹を見送るシーンで、電車に乗り込んだ二人を追いかけて、足にけがを負っている高杉を桜井がおんぶして手を振る場面が描かれ、ほのぼのとしたエンディングを迎えるのです。


この作品では、謎の男役で川地民夫さんが出演しています。特捜最前線のゲストとしては、「リミット1.5秒!」での桜井刑事との対決が印象に残っています。いずれ作品紹介したいと思います。

それから捜査官役は若き日の小林稔侍さんが演じています。このころの小林さんは悪役も結構多かったのですが、のちに個性派俳優として大河ドラマをはじめ、数多くの作品でバイプレーヤーぶりを発揮されています。



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マイケルオズ@日々挑戦する還暦兄さん(フリーランスライター)
noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!