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オヤジの思ひ出話~第55話「小澤征爾さん」

世界的指揮者の小澤征爾さんが2月6日に亡くなられました。まずはご冥福をお祈りし、追悼の気持ちを込めて、今回のテーマで小澤征爾さんにまつわる思い出話を書いてみます。

小澤征爾さんの名前を初めて知ったのは、おそらく大学時代だったと思います。オーケストラサークルに所属し、クラシック音楽に興味を持ち始めた頃でした。

当時はボストン交響楽団の常任指揮者として活躍されており、すでに「世界のオザワ」として国内外での演奏活動も盛んに行っていました。なので「一度でいいから生演奏を聴いてみたい」と思っていました。

そんな小澤征爾さんを生で見るチャンスが巡ってきたのです。1990年に岡谷市のカノラホールで小澤征爾さんが新日本フィルハーモニーを率いて公演を行うと聞き、鑑賞に出かけました。

小澤征爾さんには注目していたのですが、この時のメインプログラムはプロコフィエフの交響曲第6番。現代音楽らしい難解さを持ち、事前に何度聞いても理解できない感じの曲だったのです。

正直なところ、もっとわかりやすい曲を演目に入れてほしかったというのはありましたが、それでもせっかくの機会なので、小澤さんの指揮をメインにしっかりと鑑賞させていただきました。

圧巻だったのはフィナーレ(第3楽章)。アップテンポで突き進むなかで、ラストに向かって小澤さんのパワフルかつ躍動感ある指揮が、オーケストラをあおっていきました。

曲が終わった瞬間、「これが世界のトップに立つ指揮者なのか」と感動で身震いがしました。引き寄せられるように見入る、あるいは魅せられるとは、このことを言うのだと実感したものです。


それから30年余・・・昨年の12月31日、ひょんなことから小澤征爾さんが指揮するオーケストラの「第九(ベートーベン交響曲第9番)」第4楽章をYouTubeで見る機会がありました。

晩年の映像だったようで、ほぼ座って指揮をしていましたが、第4楽章のなかに幾つかあるクライマックスの場面では立ち上がり、あの時のようなダイナミックな指揮を見せてくれました。

「老いてはいるものの、決して衰えてはいない」。それが、YouTubeの小澤さんを見た率直な感想です。生涯現役を貫いたマエストロだったと言えるのではないでしょうか。

小澤さんの訃報は国内のトップニュースになったのはもちろん、海外でも大々的に報道されています。世界的な指揮者だった小澤征爾さんは、唯一無二の存在だったに違いありません。


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