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歴史・人物伝~エピソード編㊶:竹崎季長「子孫のために残した絵巻が貴重な文化財に」

竹崎季長といっても「いったい誰?」と思う方がほとんどでしょうが、鎌倉時代の元寇を描いた絵巻「蒙古襲来絵詞」は聞いたことがあるかもしれません。竹崎が、元寇での一族の活躍や恩賞交渉の様子を描かせた絵巻なのです。

無名の御家人だった竹崎は、第1次元寇「文永の役」で敵陣に切り込む先陣を名乗り出て戦いました。しかし役後に恩賞がなかったことから、全財産をはたいて鎌倉に乗り込み、幕府の要人と直接掛け合って恩賞を手に入れました。

そうした恩もあり、第2次元寇「弘安の役」では敵の軍船に乗り込んで戦うなどの功績を上げ、さらなる恩賞を手に入れました。その後、「努力した者は報われる」という姿を絵巻という「自叙伝」にまとめ、子々孫々に残そうとしたのです。

絵巻には元寇での激しい戦いをはじめ、御家人の生活、幕府との交渉などが描かれ、当時の様子を物語る貴重な史料となっています。もちろん、当の竹崎自身には「後世の研究に役立ててもらおう」との意図はなかったでしょうね(笑)

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