見出し画像

私だけの特捜最前線→5「羽田発・犯罪専用便329!~殉職ではない交代劇」

※このコラムはネタバレがあります。出演者は敬称略

前回のコラム「背番号のない刑事!~橘刑事初登場のドラマ」で少し触れましたが、この一つ前の第52話が「羽田発・犯罪専用便329!」で、桜井刑事役の藤岡弘、さんが降板した回となります。

ドラマでは、出演者の都合で降板を余儀なくされることがあります。刑事ドラマでの降板といえば、「太陽にほえろ」が採用した「殉職」というイメージがあります。しかし、特捜最前線は違っていました。

第52話は、アメリカからの麻薬密売ルートを捜査するというストーリーで、国外逃亡した人物を追うために、桜井刑事には「大使館付」で特別な任務が与えられ、アメリカに渡ることになったのです。

特命課を去る桜井に対し、神代課長(二谷英明)はこんな言葉を掛けています。「特命課での君の席はいつでも空けているからね」。つまり、桜井は転勤というよりも、長期の出向という形だったと解釈できるのです。

殉職は非常にドラマチックですが、非現実的と言わざるを得ません。特捜でも殉職者がいますが、一方で転勤や退職という降板も多いです。番組的にも、その方が復帰や再登場の道が残されるので好都合でしょう。

この回では、外事課の紅林甚一刑事(横光克彦)が共同捜査に加わっており、そのまま桜井の後任として特命課に配属となったのです。紅林は、初登場とは思えないほど、最初からメンバーに溶け込んでいました。

良くも悪くも目立たず、地味な印象を与えた紅林。ただ、高杉刑事(西田敏行)に下の名前を茶化された時、「両親が付けた名前だ」と生真面目に言い返すところだけは、個性が露わになっていましたね(笑)




noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!