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私だけの特捜最前線→36「包帯をした銀行ギャング!~橘刑事の地道な捜査が真相を突き止めた」

※このコラムはネタバレがあります

特徴的な癖のある同一犯人と思われる銀行強盗が連続発生し、1年前に同様の癖の犯人による銀行強盗との関連が疑われました。しかし、1年前の事件は容疑者の男が自殺したことで解決済みとされていたのです。

橘刑事(本郷功次郎)は、連続強盗事件と1年前の事件を洗い直すため、独自に捜査を始めます。その過程で、容疑者の男の姉に出会ったのです。姉は、弟(容疑者)の無実を信じていました。

捜査の過程で1年前の強盗容疑者として別の男が再浮上。犯人と同じ癖があり、連続強盗の時のアリバイもあいまいでした。しかし、橘刑事は連続強盗と2年前の事件が「似て非なるもの」と直感したのです。

橘は、連続強盗は被害額が少なく、しかも後日、被害額と同額が投げ込まれる事件があったことをキャッチします。犯人の狙いは金ではなく、1年前の事件の真犯人を警察に知らしめることに真意があると推察します。

弟の墓参りをする姉の元に橘が訪れ、地道な捜査で積み重ねてきた証拠を一つずつ突きつけます。ただし、その口調は追いつめるような感じではなく、やさしく諭すように語り掛けたのです。

橘には、弟の無実を証明し、真犯人を逮捕してもらいたいという姉の執念じみた思いがよく分かっていました。だからこそ、容疑者に相対する前に、人間として寄り添う気持ちがあったのだろうと思います。

橘刑事の人柄や様々な「顔」が見れた作品であるとともに、姉がなぜ真犯人を突き止められたかという理由など、いくつもの謎解きが挿入されており、長坂秀佳脚本の醍醐味を楽しめるドラマになっていました。

noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!