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私だけの特捜最前線→9「死体番号 044の男!~橘刑事の親子愛を描いた原点作品」

※このコラムはネタバレがあります。出演者は敬称略

橘刑事(本郷功次郎)は、神代課長(二谷英明)にスカウトされる形で特命課に配属されました→第53話「背番号のない刑事!」。警部の階級も与えられ、課のナンバー2として最終話まで登場していくことになります。

特捜最前線で橘刑事は、「親子愛」をモチーフにした印象的な作品を幾つも残し、とくに「子供を守ること」には全力を傾けています。そのきっかけになったのが、第74話「死体番号044の男!」です。

橘は、自分そっくりで事故死した男になり代わり、犯罪グループに潜入します。そこには男の息子が人質となっていましたが、橘にも離れ離れになった同年代の息子がおり、自分の境遇と重ね合わせてしまうのです。

男の息子は、自分と母親から逃げた男(実は橘)に激しい罵声を浴びせます。しかし、心の底では父親を慕っており、橘に鉄拳を受けたことをきっかけに、親子の情愛が少しずつ戻ってきました。

橘の方はどうかというと、修学旅行で東京にやって来た息子に会ったのですが、息子は橘を許さなかったのです。番組ではその後も、橘の息子への思いに触れるエピソードが描かれますが、親子の氷解には至りません。

自分に責任があるとはいえ、愛する子供と離れ離れになる辛さを橘は身に染みています。だからこそ、親子の情愛を引き裂きかねないような事件では、常に子供の身になり、必死で守ろうとしたのです。

橘と息子が直接的にかかわるドラマは、第313話「父と子のブルートレイン!」まで待たなければなりません。この話も素晴らしいストーリーだったので、いつか紹介したいと思っています。

noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!