見出し画像

私だけの特捜最前線→19「非情の街・ピエロと呼ばれた男!~紅林刑事、必死でご陽気男に扮する」

※このコラムはネタバレがあります。出演者は敬称略

紅林刑事役の横光克彦さんは、特捜最前線終了後に俳優から政治家に転身し、衆議院議員として活動されました。特捜にはレギュラー前にゲスト出演しており、これが紅林誕生のきっかけになったようです。

さて、特捜の紅林といえば、地味ながら冷静沈着な捜査をする刑事という位置づけです。熱血漢の吉野刑事(誠直也)らとは対照的で、メンバーからも「真面目を絵に描いたような人」と言われています。

その紅林に潜入捜査が命じられたのが「非情の街・ピエロと呼ばれた男!」の回です。真面目な紅林とは180度異なる「ご陽気、不真面目、女好き」という人物に成りすまし、爆弾の行方を探ろうというのです。

神代課長(二谷英明)に対し、吉野らは「真面目な紅林さんには絶対ムリだ」と主張し、紅林も苦笑しながら尻込みします。しかし、その人物とは左利きという共通点から紅林に白羽の矢が立ったのです。

課長命令とあれば従うしかありません。紅林は、必死になって「不真面目な男」を演じようとします。チャラチャラした外見とは裏腹に、バレたら命の危険があるという緊張感があり、刑事たちもハラハラし通しでした。

ラストでは、桜井刑事(藤岡弘、)が久しぶりにヘリコプター捜査を展開し、紅林との連係プレイで爆弾のありかを探り当て、間一髪のところで爆発を阻止します。最後まで緊張感あふれるドラマになったのです。

この役を演じるにあたり、横光さんはかなり苦労されたようですが、それも劇中の必死の演技に反映されたのではないかと思います。この作品は、数多くの紅林刑事主役編でも指折りの名作ではないでしょうか。

noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!