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私だけの特捜最前線→37「自供・檻の中の野獣!~名優同士の取調室での死闘」

※このコラムはネタバレがあります

今回紹介するドラマ「自供・檻の中の野獣!」は、ストーリーや脚本もさることながら、何と言っても容疑者役の小池朝雄さんと、船村刑事役の大滝秀治さんの迫真の演技が最大の見どころといえるでしょう。

ドラマの多くが取調室という密室での「容疑者VS刑事」という場面で、ともすれば変化に乏しくなってしまいがち。それを補って余りある小池さんの鬼気迫るかのような容疑者ぶりは、強烈なインパクトがあります。

少年誘拐の容疑で取り調べを受ける男(小池さん)に、少年の居場所を自白させようと船村刑事らが厳しく詰問します。しかし男はのらりくらりと、時には激高しながら、刑事らの追及をかわしていくのです。

船村は、いつものような激情的とも言える対応ではなく、どちらかというと男の一挙手一投足を黙って見ている場面が目立ちます。つまり、「動」の容疑者に対し、「静」の姿勢で臨んでいるように見受けられました。

船村は男の父親を訪ね、彼の少年時代の事件について聞き出し、その思い出話を突破口に男を追い込んでいきます。心の内面を突かれた男は、慟哭しながら、ついに全面自供していったのでした。

このドラマの結末は、特捜らしい「救いようのない結果」で終わってしまいます。非常に後味の悪い形でエンディングを迎えますが、それも小池さん、大滝さんという名優の演技あってこそ、でしょうか(苦笑)

ちなみに小池朝雄さんは、Gメン75でも「覗き魔は猫背の男」というドラマで、強烈なインパクトのある役を演じていました。少年時代に見ただけでしたが、今でもはっきりと覚えています。

noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!