見出し画像

『東京ドギマギ』が最高すぎるって話

SKRYUくんの新EP『東京ドギマギ』が最高だった話がしたい。
ヒップホップジャンルを聞くのは初めてだし、ラップもクラブもアンダーグラウンドの世界には全く縁のない人生だったけれど、それを理由に聞かないのはあまりにも惜しい音楽だった。
配信が始まってもうすぐ一ヶ月。使える時間の殆どでEP聞いてるこの状態。
完全に感情を持て余しているので、長くなると思うけれど気が済むまで書きます。


『東京ドギマギ』

まず、タイトルが最高。
「ドギマギ」で東京に対する感情が全て伝わってくるのに、妙に洒落ててかっこいい。語感が最高に良い。
でも、私的に「ドギマギ」は恋愛的なイメージが強く、「好きな人に話しかけられてどぎまきとした」みたいな印象だったので、しっかり意味を把握するべく人生で初めて「ドギマギ」を辞書で引いた。

どぎまぎ〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 不意をつかれたり、圧倒されたりして、おどろきあわてるさま、うろたえあわてるさまを表わす語。

コトバンク:出典 精選版 日本国語大辞典

という意味らしい。
この『圧倒されたりして、おどろきあわてる』ってところになるほどと思った。
公式の紹介文にもある通り、東京の街に、新しい空気に、目を瞬かせて、目まぐるしい瞬間に胸を躍らせてる様子が存分に出ている。とても好き。
それと、「東京」に対する憧れや挑戦の意味も含んでいそうだから、あながち恋も間違ってないかもしれない。
どう足掻いたって、最高のタイトル。


Intro -A Phone Message-

オープニングから始まるアルバム大好きマンなので、曲名公開された時から大歓喜した。
アルバム然り、EP然り、一つの盤で物語があるのがいいね。シングルにはない良さ。もちろんシングルも好き。

留守番電話風のお母さんのメッセージ。
俳優さんの声が心地いいな〜って思ってたら、本当にお母様だったうえに、実際にかかってきた電話が元になってるとのこと。
INSIDE OUTにゲストで出演していた時にも触れてくれたけど、SKRYUくんのルーツから始まるの最高が過ぎる。おまけに、この曲のビートがWATARAIさんなのも豪華すぎて笑ってしまった。
この確実に何かが始まるのを予感させるビートと、電話口の声がいい意味で緊張感があって大好き。
introだけで既に数十回きいてるけど、introから始まるっていうのが最高なので、結局丸っと一周を永遠と繰り返してる現状。圧倒的に感謝。


東京 Fantasy

手を伸ばすと届く距離にある言葉で歌って出来るんだなって聞いた時に思ったのがこの曲。
全体通して言えることだけど、特にこの曲は歌詞が身近で、SKRYUくんの視界を共有してる気分になる。

これに恋し 見慣れた街を背に
”できっこないし”って 思ったことを今Make it

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029185/lyrics

徐々に開いていくようなイントロから始まって、introのアンサーから始まる歌詞がすごく好き。初め、夢の中みたいに曲調がふわふわしてるけど、歌い出すと踏みしめるみたく固く感じる。
この、始まった~!感がたまんない。

千と四百万の夢が飛び交う
孤独な街をスマイルで切り開く

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029185/lyrics

わかる。誰かを圧倒させるでも、宥めるでも、取り入るでもなく「スマイル」で突き進めるところ。絶対そうじゃんってなった。
ここのバースの流れが大好きすぎる。ゲーム全然しないので自信がないんですけど、ちょいちょいFFネタ入ってるのも好き。
fantasyは「想像」「空想」辺りを意味するけど、ゲームの方のfantasyは「最後の夢」としているそうで。なら、この『東京Fantasy』も夢と訳すのかなって思ったり。

田んぼぐらいしかない 町の兄ちゃんが
明日のラップゲームの番狂わす

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029185/lyrics

私の地元も田んぼばかりなので、勝手に親近感が沸いた。大人になった今、東京は決して遠い場所ではないけれど、やっぱりどこか特別感がある場所。
カエルの合唱じゃない音に囲まれる生活がリアルで、ここからフックに繋がっていく流れがすごく好き。

煌めいた嘘っぱちに
掻き消されないように

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029185/lyrics

言葉のセンスが最高か? こんなの好きが過ぎる。SKRYUくんの言葉選びは、服を着こなすとか、色彩センスとか、そういうところな気がする。言葉の組み合わせがお洒落。でも変に気負ってないし、気取ってもない。
バースもフックも聞き心地が良くて、酔いそうになるけど、絶対どこか引っかかる場所があって、聞き流させてはくれないのがまた良き。
その中でも一番の引っかかるところは、やっぱりここ。

おれのはじまりはみんなと同じとこ
チョコで言うならキノコよりタケノコ
何処にでもいそうな地味な見た目でも
ビーツがかかりゃ覚醒するバケモノ

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029185/lyrics

先月行われた口喧嘩祭 Special in.CLUB CITTA'で、セルフサンプリングしてたのが印象的だった。バトル見てた時、めっちゃ熱くて好きだったけど、サンプリングと知って好きになるしかなかった。
何より『チョコでいうならキノコよりタケノコ』がキャッチーすぎる。

キノコタケノコは、MU_TONさんも拾ってたし、確か晋平太さんのチャンネルでも触れてた気がする。
でも、私的に一番刺さったのはこっち。

おれのはじまりはみんなと同じとこ

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029185/lyrics

バトル見てた時も、音源で聞いた時も思ったけど、ここが最高すぎる。圧倒的なかっこよさではないけど、ふっと顔を上げると目の前にいる感じ。「こんにちは、元気?」ぐらいの気軽さ。
このバトルでも言ってたけど「いつだってお前らの目の前だ」っていうところが、 SKRYUくんらしい音楽に繋がるのかなって思いました。
というか、そのスタンスが私にぶっ刺さるってだけです。大好きがすぎる。


山手 Spiral

これ、初見イメージがメリーゴーランドだった。くるくる回るビートとフックが、きらきらしていて綺麗だなって思ってたら、しっかり酔いどれの歌詞で大分笑った。すごい好き。
聞き終えてちゃんとタイトルを見たら『山手』ってあって、メリーゴーランドを感じたことに一人でめちゃくちゃ納得してしまった。

夢半ばでRun this town
なかなか埋まらんdistance

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029188/lyrics

まず、初手のバースが聞き心地が良くて何度でも聞いてしまう。特に、ここの『Run this town』と『埋まらんdistance』で踏むのが好きすぎる。

悩める暇ないもんで
前のめりでLive on Stage

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029188/lyrics

こっちの『暇ないもんで』と『Live on Stage』も好き。
最初に書いた通り、さっぱりラップには詳しくないけど、韻ってこんなに自由に踏んでいいもんなんだなってわくわくした。
もはや踏むというより、クローゼットから好きな韻を選んで着こなしてるイメージ。焦りや足掻きを表しながらも、それでもスタイルを曲げないところがすごく好き。

遠足じゃねぇがうちに帰るまで

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029188/lyrics

あと、ここ。この人生で絶対一回は聞いたことあるし、ネタにしたこともある言葉を差し込んでくるのめっちゃ上手。キノコタケノコもそうだけど、ふふってなる部分が気持ちが良い。
ラップのところももちろん好きだけど、サビがこの曲は最高で

強い日差しで目覚めた山手
涎まみれのスウェット

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029188/lyrics

特にここの立体感。
徹夜明け一回眠ると中々起きられなくて、頭も重いし、目を開けたくないし、なんか苛々すらするし、だけど登り切った太陽は刺激が強くて起きざるを得ない。特に電車の窓から入ってくる光って異様に眩しい。
ここがたった2小節で見えるのシンプルにすごいなって思う。
最初のバトルとかライブとか、お酒の匂いがする世界のバースが徐々に畳みかけてくるから、フックの部分が綺麗に聞こえるというか。山手感を際立たせて来るというか。
光の粒まで感じられる立体感を感じたくて何回も聞いてしまう。聞けば聞くほどいい曲。

シワひとつない心に着替えて
明日を求め歩く

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029188/lyrics

そして最後。ちゃんと電車降りるんですよね。
涎にまみれたスウェットでも、しゃんとして歩き出す。目を覚ますぐらい眩しい光の中に、電車を降りることで入って行く様子が目に浮かぶ。
この曲MV出ないかなって本気で思ったぐらいには映像的で大好き。


踊 Challenge

はい、最高。知ってた。
個人的に SKRYUくんの音楽からはライム(果物の方)の香りを感じるんですけど、この曲はまさにそう。
爽やかな柑橘だけどレモンより癖があって、どこか夜の匂いがする。クラブで遊んだことないけど、夜の空気が聞こえてくる。
『山手 Spiral』は夜の時間を抜けた先の曲だけど、『踊 Challenge』はまさにその真っただ中。イメージカラーなら黒。だけど、ただの黒じゃなくて沢山の色が入り混じって出来た色かなって思う。
シロフォンみたいなイントロの音がキラキラ聞こえるのもまた夜っぽい。完全なイメージだけど。

誰に突き放されたって
この音だけはBy your side

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029189/lyrics

正直、この辺りの歌詞は全部好きだけど、『この音だけはBy your side』が刺さりすぎた。
『昨日の上司の~』からの流れでここに来るのが大好きすぎる。仕事終わりに車の中で流して普通に泣いた。ありがとう。

君と僕の分のジン&トニック
奢るからドリチケは後にとっときな

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029189/lyrics

『僕の分のジン&トニック』の歌い方の癖が堪らないくて、初めて聞いた時思わずいったん戻った。お酒を奢る曲っていっぱいあるけど、『ドリチケ』が出てくる歌は初めて聞いた気がする。芸が細かい。
何より数あるカクテルの中でもジントニックを選んでくるところが最高に好き。お酒は詳しくないけど、ジントニックのカクテル言葉が「強い意志」と知って更に好きになった。

死ぬまで踊っちゃれ
永遠に時を止めて
死ぬまで踊Challenge
そのままでいい Your my angel

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029189/lyrics

「ちゃれ」と「Challenge」の音が可愛くて、ミラーボールみたいだなって思った。
そういえば、この曲ミラーボールを示す歌詞って殆どない気がする。なのにいつもその存在を感じられて、特にここは音がくるくるキラキラしているから、あの特別な存在感が聞いてるだけで目に浮かんでくる。
タイトルにもなるけど、「踊っちゃれ」を『踊Challenge』とするところが好きで、一瞬を永遠に閉じ込めながら長い夜を踊り明かす様子がかっこいいなって思う。キャッチーなフックだから、最近気を抜くと仕事中でも口ずさんでる。

Don't stop me now
終電が去ってく5番線

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029189/lyrics

ここ大好き~~!! 何度聞いても癖になる。ここ聞くためだけにリピートを繰り返してる。SKRYUくんのテンポと声の使い分けが好きなんですけど、ここのリズムが何度聞いてもよい。
終電も過ぎて、もう朝まで遊ぶしかなくて、夜の時間に溶けていく瞬間が綺麗。

Hey guys ステップを刻めば
Ladys litの極みさ
今日も朝日登るまで
千鳥足でのさばる

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029189/lyrics

このEPの起承転結なら、これは転の曲。
『山手 Spiral』だとループを抜ける曲で、外へ外へ空気が流れていくのがかっこいいけど、『踊 Challenge』はクラブ、地下、を連想する狭い箱の中で圧倒されるほどの音楽とお酒を浴びる。
こう、言葉を選ばずに言うと、凝縮される禍々しさがかっこいい。
踊ろう、って言った暁が「千鳥足」になるとこがまさにカオス。

閉じ込めていた光が
差し込んでランデブー

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029189/lyrics

少し戻るけれど、このあたりとか。
SKRYUくんが澱んだ空気の手を取ると、少しさわやかに聞こえるところが、ライムの香りを感じる気がする所以というか。
どこって明確に表せないけれど、たぶん下地の言葉が丁寧だから言葉遊びがより洒落て聞こえるような気がして。
普通に通しで聞くと引っかからないこそ、目立たたせないように丁寧に作られている。
なんて言ったらいいんだろう。紳士的、というか。そこに加わる変態加減がSKRYUくんのらしさに思うんですけど、どうですかね。
流石に断言できるほど自信はないけど、私はこういうところが大変好きです。


超 Super Star

ふと再生回数を確認したら、語呂合わせの年号かと思うぐらい聞いてて笑った。すごく好き。

If you party hearty
If you make the scene
If you've got the jones
For a Maserati
Forget your worries And the way
Things are
Spend a day in the life of

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029190/lyrics

春一番。強い風が吹き抜けた、というより着ていたシャツの隙間を膨らまして去って行った感じがした。通り抜けた風に気が付いた時には、すぐ近くでSKRYUくんが笑ってた、そんな曲。
夜中に部屋の隅っこで聞いてたけど、2023年始まったなって思った。
タイトル通りのスーパースターの毎日が目に浮かんで、東京の街を一緒に駆け巡ってる気分。ここからのバースが楽しくて仕方がない。聞き心地が良いを超えて、もう癖になる。

下ろしたての靴を履いていても
汚れなんて今は気にならない
わがままも全部まかり通して
まだ尖ったほうが星みたいでしょ

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029190/lyrics

大物や人気者を意味する「スーパースター」、靴の「スーパースター」、そして本物の星を掛けて、『尖ったほうが~』と歌う? 言葉の選び方が粋すぎる。
こんなにもギラギラしているのに、当たり前のように威圧感も怖さもない。
普通に近くて、めちゃくちゃ遠い。バランス感覚が上手。
料理のスペシャリテってのは作った料理人の顔が見えて完成する、と某食戟漫画で読んだことがあるけれど、まさにそれだと思う。
声とか表情とか分かりやすい特徴だけではなく、聞いただけで”SKRYUくんの音楽”だって分かる。
聞いてる側からすると、共感しやすくて楽しいけれど、この色を出すのは誰でも出来るわけじゃない。SKRYUワールド怖すぎ。

ちょっちょっちょ
超がつくほど 日々ケツカッチン

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029190/lyrics

ここの入り方が大好きなんですけど、ここに入る前の台詞パートもとても好きで。
カワイイ女の子の黄色い歓声とか、「写真?」のくだりとかそこだけ聞くために何回かリピートしたことある。こういうところ楽しい。
何より、ライブで歌うと台詞のアレンジが入ると思われるので、そういうところも良い。やっぱり現地でしか聞けないアレンジは最高に上がる。ライブで聞きたいが過ぎる。

FatなBodyは いとしのハニー
乗せて転がす 白いMaserati
窓開けピース 調子どうパパラッチ

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029190/lyrics

あと、ここのちょっとレトロな感じと、SKRYUくんらしすぎる歌詞が大好き。ジャケ写の姿と白いマセラティが似合いすぎてて最高に笑った。
『しゅがふり』ではパパラッチに怯えてお忍びデートって歌っていたのに、『窓開けピース』だからね。好き。
これ書き溜めている間に行われた真ADRENALINEでのバトルで、セルフサンプリングしてくれて最高に上がったのは言うまでもなく。ここ持ってくるの大変好き。本当にそういうところ。

首の回らねえ 暮らしを振り切って
エゴで回らねえ 世界を置き去って
悩み事なんて 全部なくなって
あとは歌うだけ

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029190/lyrics

これは間違いなく超SuperStar。
音楽で全部抱いてやる感がすごい。着いて行ったら間違いないことが約束さているし、ここの流れ好きすぎて、聞き終わるのが勿体なく感じてしまう。
こんなの大好きがすぎる。

もう言わせないぜ What's your neme
広大な世界の隅っこで
早く俺に気づいてくれって
叫ぶのも野暮なくらい

https://linkco.re/tEp1FR6M/songs/2029190/lyrics

個人的に『広大な世界の隅っこで』という歌詞が好きすぎた。そして『アッカンベー』に繋がるから大優勝した。絶対嫌味なく変顔して去ってくじゃん。
この軽快なスキップで通り過ぎた時には、世界獲ってそうな感じがでいっそ怖い。スマイル一つで世界征服出来たら、それはもう最強なんよ。

そして、何と言ってもMV。
とんでもなく良いから全人類見てほしい。本当に大好き。
これだけ超SuperStarを歌っておいて、全く見向きもされていないところ、 SKRYUくんの良いところが存分に出ていて大好きがすぎる。なにより、ビールケースなのが最高。
MVまで見て一つの作品として完結するところも好きだし、純粋にMVとして面白いから何度でも見ていられる。
でも、ビールケースの上でも、クラブの箱でも、武道館やアリーナでもきっとどこで歌っても変わらないんだろうなって思う。いや、大好き。


全編通してすごく楽しくて、気が付いたら首を振ってた。これ書いている間も、何度耳を傾けすぎてキーボードから手が離れたことか。いや、堪んない。
EP全体で一つの物語として完結しているところも好きだし、一曲一曲の物語もやっぱりかっこよくて好き。そろそろ歌詞を覚えるレベルまできてるので、車内カラオケが大変楽しいのも好き。
本音と、理想と、求めているもの求められているもの、一長一短全部ひっくるめて歌い上げるところがかっこいいなって思っていて、
応援してる人に変なプレッシャーはかけたくないし、本音言えば健やかに生きてくれって感じだけど、SKRYUくんに期待してるのもまた事実。
SKRYUくんに着いて行った先で見れる景色が楽しみで仕方がない。
まずは、東京ドキマギをライブで聞きたいな。次の現場が楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?