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『特定技能』ビザとは

 行政書士の中田です。
 今日は平成30年の改正で新しくできた在留資格『特定技能』についてお話していきます。

『特定技能』ってどんなビザ?

 まず、『特定技能』ビザは「特定技能1号」と「特定技能2号」に分かれています。
 「特定技能1号」はある程度その業務についての知識・経験を持っている方が取得することができ、「特定技能2号」はさらにレベルアップし、熟練した知識・技術を持っている方が取得することができます。

 では、『特定技能』ビザでどんな仕事ができるのかというと、就労ビザの代表ともいえる、在留資格『技術・人文知識・国際業務』では専門的な仕事に就くことが求められるのに対して、『特定技能』ビザではいわゆる単純労働と言われる仕事にも就くことができます。
 そのため、今まで就労ビザが取得できない…と諦めていた業務内容でも外国人の方を雇用することができるようになったのです。
 つまり、「特定技能1号」ビザの業種は12分野あり、その業種は特に労働力が不足している分野において人材を確保することを目的としたビザなのです。

特定技能外国人との雇用契約

 では、実際に特定技能外国人とどのような雇用契約を結ぶ必要があるのでしょうか。

 基本的には、フルタイムかつ直接雇用である必要があります。
 よって、請負契約や委任契約は認められず、登録型派遣での契約も認められません。
 また、特定技能外国人が従事する仕事は、受け入れた分野の内容による仕事しか行うことができません。(例えば、介護分野で受け入れられた外国人が飲食業分野の仕事に就いてしまうと不法就労となってしまいます。)
 ですが、その分野の仕事に関連する業務であれば、別の業務を付随的に行うことは可能です。


在留期間について

「特定技能1号」を取得した場合、最長5年間日本に在留することができます。
 5年を超えて在留をする場合は、「特定技能2号」へ移行するか別の在留資格に変更をしなくてはいけません。
 日本の人手不足はこれから更に深刻になると思われますので、特定産業分野の拡大と在留期間の延長が期待されています。
【令和5年6月9日 閣議決定により、特定技能2号の対象分野が追加されました。】

技能実習生との違い


転職が可能
 「特定技能ビザ」は転職が可能です。しかし、転職をするためには、合格をした特定技能試験と同一分野の仕事内容である必要があります。

制度の目的
 「特定技能」ビザは、日本の人材を確保することが困難な状況である分野において、労働力不足を解消することを目的としているのに対して、「技能実習」ビザは、日本で得た知識・経験・技術を、母国へ持ち帰り活かしてもらう国際協力的な意図があります。

受入方法
 「特定技能」ビザを持つ外国籍の方は、直接雇用しても良いですし、紹介会社を利用しても大丈夫です。
 それに比べて、「技能実習」ビザの人材を雇用するには海外の送り出し機関と提携している監理団体からの紹介のみとなっています。

雇用にかかる費用
「特定技能」ビザで人材を雇用するにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
かかる費用は大きく3つに分けられます。

・特定技能外国人のビザ申請や支援にかかる費用
(ビザ申費費用、ビザ更新費用、支援委託料など)
・特定技能外国人本人に支払う費用
(渡航費、給与など)
・人材紹介料・送出機関に支払う費用
(紹介手数料など)

 「特定技能」ビザを申請する場合には多くの資料を提出する必要があります。慣れている会社であれば、準備をすることが可能かもしれませんが、専門家に依頼をするほうが比較的スムーズに準備をすることができます。
 また、雇用した後は会社は法律で決められた支援を行う必要があります。       加えて、《登録支援機関》へ委託する場合は月2万~3万円の支援委託料を支払う必要があります。

 いかがでしたでしょうか。今日は徐々に注目されている『特定技能』についてお話ししました。
 『特定技能』は比較的新しい在留資格であり、内容が複雑で申請準備も大変です。

 これからも『特定技能』についての記事を書いていきますのでぜひ読んでいただけると嬉しいです。
 最後までお読みいただきありがとうございました。


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