熱と水の羽交い締めに遭う
※すべて別のアカウントから投稿した旧作です。 ジャンルは数の多いものから、他は日付昇順。 短歌 液体窒素に浸けた金の先押し付ける少し前じりりひやひや 岩岩に渓流の白際立てどトンネルの闇に追いやられり 片栗粉水に浸して指の腹沈ませるままに無くなりたい 何処からとなく吹く風に踊る木の葉巌にありて眺め愉しき *1 十のうち十であっても君の目に五に見えるよう三で取ってる 一輪で終いと思うな それぞれに色も香りも生ける花々 いつまでもいつまでもこの中継ぎのホームの椅子に
醜くぺたぺた机をたたく指 今すぐ止めよさもなくば裂けよ
※すべて別のアカウントから投稿した旧作です。 ジャンルは数の多いものから、他は日付昇順。 短歌 ポインセチア顧みずとも庭の陰よろこばしげに赤々と咲く ぺらぺらのシールをみんな眺めてる この手ざわりも嵩も知らずに 人になど生まれて来ねばよかったと言い切るために買う一張羅 秋雨に舞い降る木の葉ひらひらと「極楽はどこだ 幸せは何だ」*1 「置いて行かれましたか」なぐさめを置いて次々消ゆ明けの街灯 寒暖差に耐えられぬ者から朽ちて行ったような鴨川の木々 痛いいたいもう嫌
井泉を出て陽に目を細める蛙 嗚呼痛いいたい灼ける干上がる
数多ある目で見よ 殺し潰され手を伸べ背を向け続けるヒトの姿を