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風の時代座談会 男性星座番外編 #4|改めて考えたい、土の時代の終わらせ方

「マイカレンダー」2021年冬号で行った初の試み……それが12星座座談会!

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男性星座(火・風)の先生6人、そして女性星座(土・水)の先生6人にお集まりいただき、鏡リュウジ先生と円卓を囲み(実際はオンラインですが)来る「風の時代の新生活様式」を検証していく、というものでした。

この豪華メンバーの座談会がとてもではないけれど2pに収まるはずなく!
載せられなかった番外編をお届けします!

男性星座座談会(火・風)にご参加いただいた先生は、こちら!

牡羊座(火)……森村あこ先生
双子座(風)……まーさ先生
獅子座(火)……SUGAR先生
天秤座(風)……Love Me Do先生 ※お仕事のため欠席
射手座(火)……竹内俊二先生
水瓶座(風)……青石ひかり先生

座談会_男性星座
番外編は今回がラスト!
前代未聞の12星座座談会にどんなフィナーレが待っているのか……!?
※取材が行われたのは2020年11月中旬です。

* * * * *

国も時代も超えて……水瓶座の目に映る世界

青石:水瓶座時代が来るので、水瓶座のアイデンティティから言いますと、やっぱり自分の代だけで志を果たすのは難しい、という予感が水瓶座にはあるんです。複雑な気持ちなんですけど。
もちろん「理想の社会像」はあるんですが、自分が生きている時間内では到底完成しないだろうな、と。菌類(座談会番外編第3回)のたとえがまさにそうですけど、ポジティブな菌が破裂して、それが後世に影響を与えて、いいものを作っていってくれたらいいなという思いはあります。

――なるほど。水瓶座のまなざしは個を超えて「人類」「次の世代」に自然と向けられているというのは、まさにこういうことなのですね……。

青石:私、映画『リンカーン』(ダニエル・デイ=ルイス主演 スティーブン・スピルバーグ監督 2012年公開)が好きなんです。結局、途中で暗殺されてしまうんですけど、死んだ後に奴隷解放とか……あのストーリーがアイデンティファイするんですよ。
劇中でリンカーンが黒人の家政婦に「これから僕たちと君たちは新しい関係を結ぶんだ」と手を握り合うシーンがあるんですけど、人類はみんなイコールであるはずという理念があるんですよ。現実はとても強固だから、自分の生きているうちには、その理念を実現することはできないかもしれない。でも菌類のように爆発して菌が飛び散り、次の世代へ受け継がれて……。それが水瓶座っぽいなと思って。最後、リンカーンが殺されるというのも象徴的で、個体としては限界だったけれど理念は残るというのもそうですし。

鏡:種子を残す人、っていう言葉があるけど。「地の塩となれ」という諺もありますね。

グレート・コンジャンクションブームの盲点

鏡:ところでリンカーンって、まさにグレート・コンジャンクションに関係あるんですよ。実はグレコンの年に選ばれたアメリカの大統領って、暗殺されたり、暗殺未遂があったりするんです。「ゼロのジンクス」って言うんですけど。

※「ゼロのジンクス」
末尾「0」の年に当選したアメリカ大統領は暗殺や事故、病死などが多いとされる噂。これは約20年ごとに起こるグレート・コンジャンクション(木星と土星が重なること)のサイクルと一致する。

1840年当選:ウィリアム・ヘンリー・ハリソン ※肺炎にて死去
1860年当選:エイブラハム・リンカーン ※暗殺 
1980年当選:ジェームズ・エイブラム・ガーフィールド ※暗殺
1900年当選:ウィリアム・マッキンリー ※暗殺
1920年当選:ウォレン・ガメイリアル・ハーディング ※心臓発作にて死去
1940年当選:フランクリン・デラノ・ルーズベルト ※脳溢血にて死去
1960年当選:ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ ※暗殺
1980年当選:ロナルド・ウィルソン・レーガン ※暗殺未遂
2000年当選:ジョージ・ウォーカー・ブッシュ
2020年当選:???

森村:今回の人ですよね。まだ確定はしていないですけど……。
※2020年11月時点

鏡:木星と土星のコンジャンクションって、「オールドキング(古い王様)」と「ニューキング(新しい王様)」の世代交代で成長するの。
今のところ「グレート・コンジャンクション! 新しい時代! 新しい価値観Welcome!」って皆、言っているけど「ちょっと待って、死んでいく王様はどうなるの!?」って話で。水瓶座のルーラー(支配星)って土星でもあるから、死んでいく王様は、決してただ死ぬわけじゃなくて、何らかの種を遺していくんだと思うんですよ。だから「今までのやり方がもう全部ダメ!」というんじゃなく、それをどう接続していくのか……。
そういうところがあまり語られていないことが、今のグレート・コンジャンクションブームの盲点としてあると思う。

――確かに……。マイカレでもあまり取り上げたことがなかったかもしれません。

SUGAR:なるほど、種子ね。面白いですね、話としてつながっていることが。リンカーンの話で思い出したんですけど、奴隷解放運動が盛んだった頃って、ちょうどワンサイクル前の海王星魚座時代なんですよね。2020年、BLM(ブラック・ライブズ・マター)が2月ぐらいから盛り上がり始めて、5月に爆発したじゃないですか。ちょうどあれが火星が魚座に入ってきた頃で。最初、水瓶座土星的と思っていたんだけれども、海王星とか魚座って、よく考えたら、こういう象意として受け継がれているのかもしれない。
かつてと同じようにもう1回、解放「される」というよりは、「自分たちでするんだ!」という議論として盛り上がってきてると思いますし、それが大統領選に直接つながっていますしね。

いかにして、土に「還して」いくか

――現時点(2020年11月)でも大統領選は非常に混迷を極めています。

SUGAR:そういう時に、さっき鏡さんが言ってた、「死んでゆく方の王」がどういう風に次につなげていくか、どうやって葬ってあげるかとか……。
でもある意味、「死」って、次の世代に豊かさをもたらしたり、何かを生成する側面だけじゃなくて、死体とかを分解して腐敗させて土壌に戻していく、という作用があるわけじゃないですか。そこをきっちりやっていかないと、本当の意味でのグレート・コンジャンクションを僕らが受け止めて、次の時代につなげていくのはできないかもしれないですね。

――土的な世界を「分解する」、「終わるものを土に返していく」というのは、具体的にどんな行為になるんでしょうか?

SUGAR:断捨離とかもその一環だと思いますけど……。僕は俳句や和歌が好きなので、そういう文脈で言うと「泣く」って結構大事なんですよ
例えば西行が崇徳上皇の怨念を鎮魂するために、四国までわざわざ行って、白峰山で色々和歌をうたったりするんですけど、結局何をしてたかっていうと、泣きまくってるんですよね。泣いてあげるとそれが供養になって。崇徳上皇と言えば、日本史上最大の怨霊ですが、それがまあ何とかなったという……。

鏡:それは個人レベルの情の話だよね。古い価値観に対して泣いてもしょうがないじゃん?

SUGAR:そうは思いません。古い価値観に対して、ただ切り捨てるとか、ただ「こりゃダメだ」って否定するだけではなく、引導を渡していくとか……。例えば海外、ヨーロッパとかだと国と国の戦争があった時に、相手の国の民族とか部族を殺すと自分たちの宗教、一神教を押しつけて布教するじゃないですか。だけど日本って祭祀権を自分たちが受け継ぐという形で、「滅ぼした部族が祀ってた神様を自分たちが代わりに祀る」ということをしてきたんですよね。そうして、ちゃんと定期的に祀り続けてあげると、滅ぼした方の部族が悪さをしない、何なら力になってくれる、みたいな考え方があった。簡単に言うと、「終わった側に対してもリスペクトを持ち続ける」とか、「敬意を払う」っていうことだと思うんですけどね。

鏡:いやいや、SUGARくん、その言い方だけでは危ないものがある気がする。他文化の神々を制圧した側が「代わりに祀る」なんていうのは霊的な同化政策だとも言えます。文化の遺伝子は親子の遺伝子や経験と同じで、意識しないうちに自分の中に忍び込んでいるんです。
もちろん、古い価値観を意識的に大事にすることは必要だけれど、先ほど(座談会番外編第3回)の生態系の話と同じで、意識的な操作は必ずしもうまくいかない。終わったように見えるものでも、それがどんな風に戻ってくるかわからないという畏れを含めて、リスペクトする、という意味ならわかる。

SUGAR:確かにこと「文化」において、意識的な操作はうまくいかないというのは本当にその通りですね。

森村:私、断捨離というよりは「リサイクル」だと思います。

鏡:リサイクル……! 確かに。

――最後に、素晴らしいキーワードが出ましたね! このところ「風風風風……」と「風の時代」一辺倒でしたが、そこに移行するには、まず「土の時代」をいかに終わらせるか。この時代に培われてきた、不要な部分や弊害を生んでいた部分は、一度分解して土に還しつつも、いい点はリサイクルしてこれからの土壌の養分としていく……それが「時代への敬意」なのかもしれません。

そして水瓶座代表の青石先生の「個を超えて、次世代に受け継ぐ」というお話は、まさに風の時代を象徴する視点! 人類への愛にあふれていました。「風の時代」は決して殺伐としたドライな世界ではなく「モイスト(湿)」であるというのは、こういうことなのですね……!

これにて「マイカレ12星座座談会」を締めさせていただければと思います。皆様、本当にありがとうございました!

(完)

※男性星座番外編の【第1回~第3回】まではこちら!
いずれも長い&濃いので、お時間がある時にじっくりお読みください!

※女性星座番外編の【第1回~第3回】はこちら!
すでに予言が的中している箇所も多数!

※天秤座のLove Me Do先生の番外編はこちら!
残念ながら座談会には参加できなかったLove Me Do先生には、こちらで「風の時代」についてのお話をうかがっています。

※豪華12人の座談会開催の裏話はこちら!
「男性星座/女性星座」によって、スケジュール決定までの流れや会の雰囲気にも「違い」があったのです……!

PROFILE

鏡リュウジ
かがみりゅうじ●魚座。心理占星術研究家、翻訳家。占星術に心理学的アプローチを交えた「心理占星術」を日本に紹介。待望の新刊『占星術の教科書Ⅲ』(原書房)が発売に。

森村あこ
もりむらあこ●牡羊座。ホロスコープカウンセラー、西洋占星術研究家。女性誌を中心に執筆多数。主な著書に『アルケミアタロット』(実業之日本社)など。http://akomorimura.blogspot.com/

アストロカウンセラー・まーさ
あすとろかうんせらー・まーさ●双子座。西洋占星術とトランプを融合させた独自のスタイルで人気。著書に『12 星座相性★虎の巻』(実業
之日本社)ほかがある。http://www.planetmartha.sakura.ne.jp/

SUGAR
しゅがー●獅子座。慶應義塾大学哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009 年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。http://astro-ragus.com/

竹内俊二
たけうちしゅんじ●射手座。占星術家。個人鑑定と初心者からプロまで楽しめる「ねこでもわかる占星術講座」を開催。趣味は料理とイラスト。京都芸術大学通信教育部に在学中。https://soranoiroha.jimdo.com/

青石ひかり
あおいしひかり●水瓶座。1994 年から雑誌を中心に占い原稿を寄稿。現実に起こる事象と天体の動きのシンクロに多大な興味を持つ。著書に『BLUELABHORO-SCOPEBOOK』(創藝社)https://ameblo.jp/kiraz2016/

聞き手/マイカレンダー編集部・山田


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