樽本 徹也『UXリサーチの道具箱 ―イノベーションのための質的調査・分析―』(オーム社)
タブチです。
プロダクトや事業立案をするとき、必ずニーズの調査をすると思います。そこで多く行われているのが、アンケートによる定量的な分析か、インタビューによる定性的な分析です。
アンケートなら書かされたこともあるし、なんとなく作って集計すれば形になりそうだけど、インタビューってどうすれば「正解」なのか分からない!と僕は思っていました。
(もちろん定量的なアンケート調査も奥深く、適切な学習が必要です!念のため)
そこで手に取ったのがこちら。
概要はこちら。
読んでいて特に面白かったのは「ユーザの声ではなく体験を入手せよ」という点。
「コンテクチュアル・インクワイアリー」と呼ばれる手法で、じっくりとユーザのありのままの声を拾っていく手法です。
所要時間は1〜2時間。
①インタビュアーがユーザに弟子入り。
②ユーザは仕事を見せながら説明する
③インタビュアーは不明な点があればその場でどんどん質問。
④一通り話を聞いたら、インタビュアーは理解した内容をユーザに話して間違っていないかどうかチェックしてもらう。
自分が聞きたい答えに誘導しないことが大切なのですが、ついついしちゃいます、よね?
他に興味深かったトピックは、「調査と評価は異なる」という話。
①ユーザを「調査」して
②解決すべき課題を定義して
③解決案を創出して
④プロトタイプを作って「評価」(テスト)する
すなわち、調査は「前」、評価は「後」になるということ。混同しがちな二つの言葉を理解するきっかけになりました。
また「ペルソナ」についても勉強になった点がありました。
「正しく調査すればペルソナは複数発見されるので、必ず優先順位をつける。」
「1位を『プライマリーペルソナ』、2位以下を『セカンダリーペルソナ』と呼び、プライマリーペルソナに要求を完全に満たすことを目的に開発を行うこと」が大事だそうです。
私が仕事などでペルソナを立てたときは、一つ決めて良い気になっていたり、ひとつに絞り込む過程でターゲットがブレるということが起こりがちだったので、この本を読んで目から鱗でした。
ユーザのありのままの声を拾いたいすべての人におすすめの本です。
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