出世とは金を沢山持つことゾ

牛の慎重と果敢、そして地力とネバリは、相場師の理想とする条件なんだからね。何も悲観することはないよ。牛のように一路まい進したらいいんだ。わかったかい、ギューちゃん。
〜獅子文六著「大番」〜

【相場師】
ギューちゃんのモデルは、ブーちゃんの愛称で親しまれた元合同証券社長 佐藤和三郎。佐藤和三郎は、背が低く、赤ら顔で、精力的で、道徳不感症であったという。このブーちゃんをモデルにした「大番」が昭和30年代初めに週刊朝日に連載された。

相場の世界では、買い方(強気)をBULL(牡牛)と呼び、売り方(弱気)はBEAR(熊)と呼ぶ。それにはわけがある。昔、イギリスで牛と熊を相手に、猛犬と勝負させる遊びがあった。牛は角で犬を空に跳ね飛ばす勇ましい戦いぶりだが、熊は後ろ足で立って犬を手許に引き寄せて、なぐり倒す戦法をとった。牛が積極的で、熊は消極的だったことに由来するという。

ギューちゃんは、子どもの頃から銭が大好き。銭を卑しむ思想なんかにかぶれたことは一度だってない。「出世とは金をたくさん持つことじゃ」-これがギューちゃんの金銭観の根幹であった。そして、富への近道はなんといっても投機であると考える。

カキガラ町で米相場の合百(ゴウヒャク…バクチの一種)に手を染めたあと、カブト町へと乗り出す。かつて、カブト町で雷名をとどろかせたチャップリンなる男に「赤い夕陽の満州に一本光るは線路だけ。買って買え、そして買え」とナゾかけられる。それを、南満州鉄道株を買え、とのナゾを即座に解き、市場が暴落する中、買いまくる。市場が暴落している最中に買うのだから、勇気がいる。しかし、ギューちゃんは買いまくって初戦を飾ることになった。

「大番」の著者 獅子文六は、「度外れたスケールの大きい男、ふつうの常識では計れない快男児」という意味で「大番」を使ったといわれている。

人の行動のもとになるのは、思考である。ギューちゃんの独特の金銭感覚が人生の方向性を定め、常識に収まらないスケールの大きな行動力がスケールの大きな結果に結びついた。

すなわち、
自分のもとになっている思考を知ることで、人生の方向性を定め、その思考をインプットとアウトプットにより磨いていくことで、より豊かな人生を作ることができる。そして、人生を完成させていくには、行動するための勇気、つまり「挑戦すること」が必要不可欠なのです。

#ビジネス #お金 #人生

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