「アノ頃の人たち」に、僕もきっとなるのだろう〜YMOの思い出と現在。

3月28日 坂本龍一逝去。71歳。
そして、
つい先日、YMOの高橋幸宏が亡くなったばかり。70歳。

自分の青春時代の人が亡くなる、そんな年齢に自分がなったのだと、いやがおうにも自覚する。
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僕が初めて買った洋楽レコード(?)は、当時映画「地獄の黙示録」で話題になったワーグナーの「ワルキューレの騎行」のEP。そこから映画音楽〜そしてある日YMOのワールドツアーの映像をテレビで観て、衝撃を受ける。 当時は校内放送でも流れたYMOの「増殖」やスネークマンショーといったテクノやポストモダン、サブカル系にすっかりハマっていく。
コシ・ミハル、大貫妙子、ショコラータ、サロンミュージック、ディップイン・ザ・プール、テイ・トウワ、立花ハジメ、ジャパン‥
中でも矢野顕子、坂本龍一、戸川純にハマり、現在のBjorkに至る。
YMOを取り巻く音楽シーンは、中学生の僕にとっては、カッコいいの塊だった。

中学時代は坂本龍一とピーター・バラカンのラジオ番組「サウンドストリート」を欠かさず聞き、エアチェックをして、新しい「推し」を見つけて楽しんでいたっけ。

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そういえば、30歳の頃
世田谷に引っ越してきて、
近所の公園で子連れのピーター・バラカンによく出会った。

学生時代にラジオを聴き入っていたころが懐かしくて、目の前にいるピーターにお礼を言いたい気分になったものだった。

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そして先月。

友人に付き合い、不動産(世田谷の一軒家)を数軒内見に行った。

その中に一軒、素敵なこだわりのデザイン住宅があった。
1980年代のモダン建築そのもの。高級感があり素敵だけど、今の我々には不経済で生活導線も後回しな感じだ。デザイン自体はモダンだけれど、全体的に老朽化は否めない状況だった。

あとでその家の元の持ち主が、立花ハジメだったことを知った。

立花さんも現在72歳。
きっと終の住処に移られたのかもしれない。

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一緒に行った40代の友人も不動産屋の営業マンも立花ハジメはおろか、YMOもほとんど知らない。

若かった時、一時の熱気的な潮流を体感したからこそ、
時代を経て、「今の人」ではなくなった事を知る事、そして誰もが歳をとったことに、何だか色々思ってしまう一抹の裏寂しさ。
そして同時に、当時憧れていた大人達と生活圏の距離感がそこそこ近くなっているという驚き。

生き続けるとはこういうことか、大人になるということはこういうことか、と感じる出来事。

気がつけば僕も50代後半。

まわりが歳をとる、ということは、僕自身もしっかり歳をとっている。
当たり前のことだ。

しかし、全く最近、自分が若かりし頃に好きだった大人達のニュースがよく飛び込んでくる。(もしくは自分のアンテナが自然とニュースをキャッチしてしまうのか)

彼等は僕にとっての青春。

浦島太郎の玉手箱を開いた時のような感覚を、近頃感じている。

全く「還暦」とはよく言ったものだ。
近頃中学や高校時代の記憶がやたら蘇る。 
思い出の中の著名人達が暮らす場所にいるのは東京ならではか。

胸の奥が少し熱くなって苦くなる。

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