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#389 山下清展、この夏休みにぜひ!
2023.7.20.
勤務校では、本日が夏休み前最終登校日。2期制なので終業式というわけでもない。お楽しみ会をやっているクラスあり、大掃除をやっているクラスあり。落ち着いた勉強の時間がほとんどないので、3連休明けからなんだかそわそわしている子も多いのではないだろうか。
3連休最終日に、新宿のSOMPO美術館で開催されている山下清展に行ってきた。暑い夏になんだかぴったり(アイコンになっている作品が長岡の花火大会だからだろうか?)な展覧会だったのでご紹介!
★開催概要
生誕100年を記念する本展では、代表的な貼絵の作品に加えて、子供時代の鉛筆画や後年の油彩、陶磁器、ペン画などを展示し、山下清の生涯と画業をご紹介します。
2022年が山下清さんの生誕100年に当たる年だったそうで、その生涯をなぞるような形で、小さい頃に描いた絵や青年時代に進化していく貼絵、知らなかったけれど数多く残されているペン画や絵付けされた陶磁器などがたくさん展示されていた。会場を5階→4階→3階と、3フロアに渡って辿っていく。
ほとんどが撮影NGだったが、一部許可されていたのがこちら↓
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3連休は激混みかなあと構えていたが、3日目の午後遅め(15時は過ぎていた)だったのでそこまでの混雑ではなかったのはよかった。ただし、18時にはミュージアムショップもろとも閉館してしまうとのことなので、作品数も多いし、じっくりゆっくり派の方だと時間が足りないかもしれない。
★感じたこと
・どん引きしてしまうくらい圧倒的な作品たち
木梨憲武さん、ヨシタケシンスケさん、木村せつさん、エドワード・ゴーリーさん(さん?)…ここ最近行った様々な展覧会では毎回、
「なんでこんなものを作ろうと思ったんだろう?」
「よくこんな量の作品を作ったなあ」
「こんな細かい作品、どうやって作ったんだろう?」
と、ちょっと震えてしまうくらいの凄さを感じる。悪い言葉で言えば気狂いというか、異常というか。
今回もまさにそれ。特に感動したのは貼絵で、貼絵が有名な方だというのは分かってはいたけれど、ちゃんと作品を見たことがなかったので…。こんなにも細かいものを?この年、これだけの大作をこんな数作ったの?近くに寄って、遠ざかって…何度も何度も繰り返し見てしまった。
「美術館行ったら私に長岡の花火大会のポストカード買ってきてね!」と母優子が言っていたのだが…あまりに本物が素晴らしすぎて、ポストカードではもったいない気がしてならず、買わなかった。(というか、閉館時間が迫っていて買えなかったという理由もある。)
代わりに母には「お母さんも行ったほうがいいよ!」と伝えておいた。
・個性を生かす人生について
この展覧会は、山下清さんの幼少期の作品から始まる。作品と共に、その頃の山下さんの様子も書いてあったのだが…幼少期は本当にひどいいじめに遭い続けていたそうだ。
説明書きには「発達障害」という言葉もあった。本人が残している日記には句読点がなく、文章としては読みづらい。また、放浪先ではほとんど作品を制作しておらず(裸の大将ではその場で作品を作っているが、あれは実際とは異なるそうだ。)、見たものを正確に記憶し、旅から戻ってきて思い出しながら制作していたそうだ。その並外れた記憶力は「サヴァン症候群」とも言われている。※ちなみに、ザ・ファブルの佐藤明もサヴァン症候群らしいという設定だ。
とにかく…山下清さんはおおよそ変わった子・変な子というような見方をされ、それ故に虐げられた幼少期を送ってきたようだ。
が、12歳のときに母に連れられて児童保護教養施設「児童教化八幡学園」に入園。そこで出会った貼絵が彼の人生を変えていく。
教わった初期に作っていた昆虫の貼絵。とても上手で可愛らしい感じなのだが、そこから数年のうちにはっきりと目に見える形で作品が進化していく。特に、相当な細かい紙やこよりを使う手法の素晴らしさ…!
貼絵との出会いによって、それまでのいじめられてきた人生にも変化が訪れ、人々に高く評価され、アーティストとして生きていくことになる。
逆に出会わなかったらどうだったのだろうかとも考えさせられてしまう。
なんかこんな風に…みんなと同じ土俵で戦えないけれど、別の土俵で大活躍!みたいなものが、みんなに見つかるといいな…などと考えながら作品を眺めていた。
こんなトップオブトップでなくていいから、その人が楽しめて、認められていける道を見つけられるような教育って大切よね。絵でも、料理でも、歌でも、なんでも。
この夏、ぜひ行ってみて生で作品を見ていただきたい展覧会だった!
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