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シリーズAで6.5億円調達した"Hubble"のこれまでとこれから

本日、株式会社Hubbleは、シリーズAラウンドで6.5億円調達のプレスリリースを出しました。

https://hubble-docs.com/news/series-a.html

既にいくつかのメディアにも掲載いただきましたが、ここに至るまで色々ありました。当社の役員がリリースに載せきれなかった想いをnoteに書いているので、私は人事、特に組織の面から、Hubbleがどのような変化、成長があったのかを、お伝えしたいと思います(noteに書くは約1年ぶりで、だいぶサボっておりました…)

申し遅れましたが、私は、株式会社Hubble 人事責任者 をしている山岸雅己と申します。今まで人事として、外資ITからスタートアップまで幅広く経験し、人事責任者やCHROとして歴任してきました。今は縁あってHubbleに入社し、採用から制度、組織まで人事として様々な業務を行なっております。

普段は小学生の娘を持つパパで、元バレーボーラーです。

これまでのHubble

組織づくりのスタート

私はコーポレートに第一号社員として、2021年3月16日に入社しました。

2021年3月1日時点での社員数は、役員3名含めて10名(グラフ参照)。その後、およそ1年かけて倍の組織になっていくのですが、当時は、スタートアップにありがちな、日々の様々な業務を優先し、採用には手がつけられていない状況でした。そのため、まずはスプレッドシートでの候補者管理、主にWantedlyの運用など、一つずつ整備していき、1ヶ月かからないうちに、ある程度の候補者が集まるくらいにはなりました。

社員数の推移

結果的に、4月から早速採用が成功し、1年後には約2倍となる正社員20名の組織体に変貌を遂げていくのですが、最初のスタートはよかったものの、今までのスタートアップとは違う採用の難しさを、夏くらいから徐々に感じ始め、当初思い描いていたプランを大幅に変更することになるとは思ってもおりませんでした…。


FY21上期(2021年4-2021年9月)

3月に準備を整え、4月から本格的に採用を進め、wantedly storyを掲載し始めたり(ほぼ毎回トレンド1位を獲得!)、各種媒体でスカウトも送り始めました。その結果、応募は毎月増え続け、正社員のみならず、副業、業務委託、インターンと様々な雇用形態でJoinし、組織拡大への盛り上がりを見せることになりました。

このタイミングで入社をしてくれたのは、
- 新卒 2名(ISとCS。インターンからそのまま入社)
- エンジニア 2名
- マーケティング 1名
- セールス 1名
- コーポレート 1名

上記以外にも、副業、業務委託での数多くの参画、そして司法試験受験者(結果的に全員合格)の3名がインターンに来るなど、確実な成長を感じることとなりました。

特に、新卒2名に関しては、思い出に残るような立派なものではなかったかもしれませんが、Hubbleとして初めての入社式を行うこともできました。

しかし、7月には、私が入社してから初の退職者が出ました

その社員は、会社に対して大きな不満を持っていたわけではありませんでしたが、まだまだ人数が少ない中で、辞める人が出てくるのは寂しいものです。

一方、去る人も出てきましたが、それにより、新たにマーケティングに知見を持った人が入社し、マーケティングからカスタマーサクセスにつながる、THE MODEL型の組織がようやく出来上がっていくことになりました

そして、当社に初の女性社員が入社したのもこのタイミングでした。ダイバーシティの観点から、さらに、私たちのお客様である法務は女性進出が進んでいて、プロダクト開発の観点からも絶対に採用したかったのですが、思いのほか時間がかかりました。女性一人目というのは案外ハードルが高く、非常に苦労しましたね(だって、会社のことを伝える写真には、全員男性なので笑。興味がある人は入社式のストーリーに戻ってください)。

結果的にコーポレートで採用でき、その後、少しずつ女性候補者の応募も増えていきました。

(「御社は意図して男性ばかり集めているのですか?」と複数名の候補者から言われたことは、内緒にしておきます…苦笑。)

しかし、順調に進んでいた採用活動ですが、夏以降応募がガクンと減りました。そのため、計画自体は進捗遅れなく進んでいたものの、10月以降苦しみを味あうことになり、戦い方を変えざるを得ない状況になってきました

FY21下期(2021年10月-2022年3月) 

この時期から役員が現場になるべく立つことなく(実際には結構立っていた苦笑)、また資金調達に向けて忙しくなってきた時期でもあります。

会社としてカルチャーづくりに勤しんだり、新しい戦略を進めていったり、9月から10月にかけては、会社としての大きな変革期でした。

ただ、事業が計画通りに進まなかったり、夏頃まではスカウトの返信率が20%を超えていたものが、急に返信がストップし、5%以下まで落ちたり、それに合わせるように候補者のPipelineも急激に減り始めてきました。

理由はいくつかあり、
- 転職顕在層にある程度アプローチし尽くしてしまった
- 人手不足により、スカウト通数が少なかった
- 他リーガルテックがスカウトをガンガン送っていた

などが考えられました。

私自身も業務が忙しくなり、スカウトを送る時間を確保できなかったのは事実であるものの、これは私だけの話に限らず、

人材紹介会社の方からも、
求職者に御社を提案したが、全員興味なしでした
と何度か聞くことになりました。

当社はSaasBtoBと決して候補者の興味を惹かない領域ではないと思うのですが、リーガルテックに対する興味度合いは、私が今まで関わってきたロジテックやヘルステックに比べると随分と低いものでした。

それが顕著なのは、スカウトの未読率の高さ募集ページのPVの少なさ。私は基本的にカスタマイズして送っておりますし、wantedlyの活用ランキングも決して低くはありません。にもかかわらず、ともに平均よりも圧倒的に低い。社名から事業が連想できないというのがあるものの、これはショックでした。

一方、1回でもカジュアルに話をした人の離脱率が極めて低い。特に、私が最初に話し、役員へ繋いだ場合の成功率が圧倒的に高い。であるならば、これを強みとし、採用設計を見直しました。具体的には、転職サイトの運用テクニックや採用広報で応募者を集めるのではなく、真摯にスカウトを送り続け、カジュアル面談に徹する。これを繰り返しました

その結果、例え応募が少なくとも一人ひとり真摯に対応する、そんな当たり前を、原則に戻って採用を進めていくことで、最終面談へ進む方が戻ってくるようになってきました

上:一般的 下:Hubbleの選考プロセスの特徴


そして、年が明け、法務出身者(しかも元ユーザー様!)がカスタマーサクセスとして、また、3月には初の広報PRポジションにも社員(2人目の女性!)が増えました。

下期には、
- インサイドセールス 1名
- カスタマーサクセス 1名
- 広報PR 1名

が加わり、組織としては穴がなくなってきました。もちろん、エンジニア採用は引き続き課題ですし、マーケティングも追加採用ができませんでした。ただ、目標に厳しくなってきても妥協せず活動してきたことが、よかったと思っています。

また、実は私が入社してから非常に驚いたことの一つに、Hubbleはユーザー様からのエントリーが非常に多いのです。まだ、数百社しか導入が進んでおらず、ユーザー人数も限られる中、社長や営業に連絡が来ることは一度や二度ではありませんでした。

これは冷静に考えるとすごいことです。私も過去在籍した企業で元ユーザー様から採用したことはもちろんあります。でも、あっても年に1件あればいいほう。まだシリーズAにも進んでいない会社に、可能性、そして愛着を持っていただいてるというのは、再び採用に自信を持つこととなりました。

(また余談ですが、下記のウェビナーにも登壇する山下も元ユーザーです)

これからのHubble

人員の面

既に来期の人員計画はほぼ決まっています。

事業成長によって多少変動の可能性はあるものの、1.5-2倍くらいの純増を予定しています。しかし、ただ増やせばいいわけではないですし、当社のカルチャーに合い、一緒に事業をグロースさせることができる方が前提となります。また、働き方も多様化したこともあり、副業や業務委託など、正社員ではない人の参画も今以上に増えることも想定しています。

2022年度の人員計画


今までは経験者中心でした。もちろん、チームによっては経験が浅い人も取ってきましたが、スタートアップにおいては自走できることが第一条件。そのため、必然的に経験者となった背景があります。特に、0→1、もしくは1→10ができる人を集めてきましたが、今後は0→1より、1→10タイプの人が増えてくるかもしれません。

一方で、私たちはシリーズAで資金調達を実施し、責任範囲も広がってきました。幸運なことに、会社としても着実に成長しています。これから段階を経て、誰からも認めれる会社になり、少しでも社会に還元していかなくてはなりません。

そのうちの一つとして私が考えているのは、人材育成です。
人材輩出企業になる、と言い換えても良いかもしれません。

転職や独立が当たり前になり、全員がずっと一緒に働くことはありません。Hubbleという会社で育った人が、一流のビジネスパーソンとなり、社内のみならず、社外でも活躍する(それがHubbleマフィア?Hubbleの戦士?Hubbler?、どんな名前がつくかはこっそり期待しています笑)。そのためにも、人が育っていく環境は整えていかなくてはなりませんし、権限移譲や責任もどんどん持たせたい。

そして、経験が浅い人、新卒もできることならやっていきたいし、シリーズAに進んだこともあり、育成していく責務を既に抱えていると思っています。

幸運なことに、昨年4月に入社した2名は、貴重なファーストキャリアにHubbleを選んでくれ、1年目という枠組みを飛び越えて大活躍しています。ここから先は本人の意識で成長曲線が変わってくるから、2年目以降は、もっと期待してます。先輩たちを超えてくれ!


組織の面

一方で、組織面では大きな課題にぶち当たりました。

リモートが増えたことがあるものの、組織として一体感が作れなかったのは事実です。抽象的な言葉になってしまいますが、スタートアップでは、チームの垣根を超えて日々議論し、プロダクトを改善していく必要があるものの、それができなかったのです。働いている場所とは関係なく、全員で熱狂し、全員で悔しがることもなかった。

実際に、あるエンゲージメントツールを使って、社員のエンゲージメントを図っているのですが、それが顕著に現れました。
エンゲージメントが毎週のように下がってきているのです。

本来であれば、数字が伸び、人員が増えていけば、エンゲージメントは上がっていく。これは私の過去の経験で、全ての企業でそうでした。成長の過程で、リーダーになる人が、スキルとしてマネジメントを身につけ、メンバーがイキイキと働くようになることもあるからです。

これが逆の動きをしているのには、必ず理由があります。

ある程度見えているところはありますが、経営陣とは、ちゃんと向き合って解決していく必要があると思っています。

そして、これからは、今まで想像もしなかったような優秀な社員が続々と入社してきます。実際に4/7時点で決まっている人もそうですし、これから既存社員より優秀な経歴を持った人が、入ってくることになります。

だからと言って、既存社員より新入社員が優れているというではありません。お互い切磋琢磨して、事業を伸ばしていくことが大事で、結果的にエンゲージメント改善の一つになると思っています。


環境の面

現在、私たちはSPROUNDというインキュベーションオフィスに入居しています。人員が増え、全体会議等では、用意されている会議室に入りきらない…。とはいえ、オンラインとオフラインと併用したコミュニケーションを設計しているため、今のところは大きな問題には発展していません。

もしかしたら、このまま併用することで、無理にオフィスを構えなくても良いかもしれません。ただ、いずれにしてもどこかでオフィスを移転するのか、働き方を変えるのかを選択する日が迫ってきているのは事実です。

組織での課題と同じですが、オフィスがもたらす多大な価値は私は強く認識していますので、実は人事としての専門性はもちろんですが、オフィス移転4回を経験したスタートオフィスの移転スペシャリストです(少しだけ嘘)。

最後に

私たちはシリーズAを無事に迎えましたが、正直かなり未熟な会社です。よく言えば伸び代がある、悪く言えば、体は大人なのに、中身は子どもという感じです。

何十億というお金があるわけでも、有名起業家が会社を経営しているわけでもありません。今あるのは、「契約をデザインし、合理化する」というミッションに基づいた熱い思いと、Hubbleのことを愛してくれるお客様、そしてHubbleの成長を信じて入社した社員だけです。

そんな会社を少しでも一緒に成長させたいと思ったら、気軽にMeetyから話を聞きたいを押してください!みんな優しくHubbleのこと、話してくれるはずです(もちろん、私でもいいです)。

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