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「新しい」というまやかし

もう、何年か前のことで、安倍政権のときだったと思う。革新系の女性議員が「女は結婚して一人前、女は短大でいいというのは古い!」と息巻いていた。いや、今時、女は結婚して一人前って言っている人いる?そもそも、短大の数も減っているのに、女は短大でいいって言う親はいる?いつの話なの?

家庭科の免許を取るとき、例のフェミニスト教員が、「男は青などの寒色系、女は赤やピンクなどの暖色系を子どものときから強要している。それは古い考え方です」と言った。で?

どちらも、私が若かりしころに言われていたことと全く同じだ。

若かりし頃って?30年前?いや、もっと?

それはさておき、正直、いまだにこんなこと言っているのかとあきれてしまった。私も、なるほど、そうだなと思ったけれど、それから色々と変化してきたから、私のほうが新しいはず。なんちゅう古臭いことを言っているのだろうと、思わず笑ってしまった。


ところで、「新しい」ってどういう意味だろう。辞典で引いてみた。

1 その状態になってからあまり時間が経過していない。
2 以前のものと違っている。
3 現代的である。進歩的である。また、奇抜である。
4㋐食べ物などが、新鮮である。㋑まだ生き生きとしている。また、初めてで新鮮である。(『デジタル大辞泉』より)

フェミニストたちは、2か3の意味で使っているのだろうけれど、その基準は人によって違うと思う。「以前」ってどこが基準か、「現代的」、「進歩的」って誰が決めるのか。「新しい」ほうが「古い」よりも価値が上だと決まっているのか?

二つの点で共産主義的だよね。「新しい」ほうが価値があるというのは、進化論的発想。で、その価値は共産主義者が決める

少なくとも、女性が幸せになったかという視点で考えたら、採用すべき価値観だとは思わない。

例えば、健康のこと。

私の周囲は、ずっと働いてきた女性ばかりだ。独身を貫いた人もいれば、子どもを育てあげた人もいる。でも、がんばって仕事を続けてきた同年代は、ガンやらうつ病やら、何かしらの”病気”になっている人ばかり。この歳で持病のない私は、珍しいようだ。流行のアルファベット3文字のあの検査と同じようなもので、健康診断に行かないから”病気”を認定されないだけのことかもしれないが、病院に駆け込むような不調はない。

それに・・・しわの数と深さが違う(ごめんなさい!)。だから、女性にとって悪しき思想だと思う。

娘には無理して働かなくてもいいようなダーリンをみつけなさいと言っている。でも、そういうことを言うと「古い!」と思う人は多いようだ。


*****

ロシアのプーチンさんがこういうことを言ったそうだ。

欧米の一部の人たちは、自分たちの歴史を部分的に削除し、少数派のために多数派を逆差別し父、母、家庭、更には性別の観念まで放棄するように主張しています。彼らはこのすべては社会を再生させる道のマイルストーンと考えています。
・・・しかし、私がそれに対して言いたい唯一のことは、それらのことは新しい処方箋ではありません。これを聞いて驚く人もいるかも知れませんが、ロシアは既にそれを経験しています。1917年の革命以降、ボルシェビキはマルクスとエンゲルスの教義に基づいて当時の政治、経済だけではなく人の道徳と健全な社会の基礎まで変えることを言いました。伝統的な価値観、宗教、人と人の関係が破壊され家族を拒絶し、親しい人のことまで密告した。それらの全ては進歩だと言われました。
・・・繰り返しますが、これは新しいことではありません。所謂、ソビエト文化専門家はいくつもの新しい単語を発明して、新しい意識を生み出して、価値観を変えていると考えてました。そして、私が言ったように彼らは全てを台無しにしました。今、その時のことを思っても恐ろしくてゾッとします。今は本当に怖いことが起きています。子供は幼い時から、男の子は簡単に女の子に変われる。女の子も簡単に男の子に変われると教わっています。
・・・私の答えは、温和的な保守主義はもっとも合理的な路線です。同じく我々ロシア人にとって、これは単純な仮説ではなく、我々が悲惨な歴史から学んだ貴重な教訓です。しっかりと検討されていない社会実験のコストはとてつもなく高いです。このようなことは人間が生きていくための物質的な基盤を破壊するだけではなく、人間の存在を支える精神的基盤も破壊してしまう。長い期間、それに置き換えられるものは構築されません。

(「『プーチンの演説』Harano Timesの朗読文字起し」より)


あまりにもまともな内容なのに、久しく聞いたことがなかった。寒くて凍えそうな日に、温かいお味噌汁を飲んだようだ。

福島の原発事故の放射能を心配すれば「放射脳」と言われ、○ロナはこれほど大騒ぎするものでもなくて、怖いのは液体だと言えば、「反枠」のレッテルを貼られ、子どもの健康を心配すれば、「それはあなたの勝手な意見でしょ?」と言われ、「家庭を破壊しています」と笑顔で言う教師が家庭科を教える。それを当たり前のこととして、受け入れることを強要され続けてきた。


そりゃ、世捨て人になるよ。

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最近、よく空を見上げる。地上では救急車が走り回っていても、ケムトレイルもなく、本当にきれいだ。

この空が壊れる日も遠くないのかなと思ったりする。いや、壊れてしまったほうがいいのかも。もう、手の施しようがないところまで来ているのかもしれない。


タイトル画像:ミケランジェロ《最後の審判》 システィーナ礼拝堂

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