海賊と遊園地
男は見たことのない世界へ迷い込んだ。そこは色鮮やかな、遊園地のような世界だった。
楽しいアトラクションやゲームがたくさん置かれ、ずっとパーティーやショーが行われていた。また、愛くるしい小動物や面白おかしい道化師、魅力的な美女たちもいた。彼らは全員仮面をつけていた。
まるで夢の空間だ。男はエンターテイナーたちのショーやアトラクションなどに夢中になっていた。
ところが、楽しい時間は長く続かなかった。目の前に突然、憎い相手が現れて邪魔をしてきたのだ。以前殺したはずの相手が、なぜか生きており、ここにいた。せっかくの楽しい時間を邪魔するなんて、今度こそ殺してやる。憎悪のままに男は、相手に殴りかかった。
すると、楽しい遊園地の雰囲気は豹変した。小動物は牙と爪を剥き出し、美女は目を釣り上げ、エンターテイナーたちは男を睨みつけるとともに襲いかかった。男は必死で逃げ回った。
時間が経つにたれ、噴水や川などの水や、空に浮かぶ月も赤くなった。エンターテイナーたちの目も赤く光り、おぞましい姿へ変わり果てた。更に時間が経つと、アトラクションやゲームもおぞましい姿となり、男を追いかけ続けた。
男は逃げ続けたが、憎い相手に捕まえられ縄で縛り付けられ動けなくなる。男の周囲には、おぞましい姿のままのエンターテイナーたちがいた。
憎い相手は罵声を浴びせる。
「お前は、多くの人を悲しませた! 自分の欲望を満たすためだけに、人の大事な物を傷つけた! 俺の大事な物を、人生を、あの時台無しにした!
ここには多くの小動物や美女がいるが、全員お前の被害者だ! きれいな花も、流れる水も、宝石も、ゲームも!
お前に犯されたり殺されたりして、それでも怒り悲しみ憎しみを仮面で隠して、彼らはお前を迎えたんだ! 地獄へな!」
その後、男は警察官らしきエンターテイナーに連行された。
「ゲームオーバー」
おわり
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