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人生に寄り添う音楽。


いつから好きかと聞かれると、はっきりとは覚えていない。でも、好きになった瞬間は鮮明に記憶に残っている。


* * *


夜、母が迎えに来てくれた時に車中で流れていた『花束』。

信用ないなあ僕は僕なりに
真っ直ぐに君と向かい合いたいと思っているよ

『花束』/backnumber

このフレーズからサビに掛けてを聴いた時、何故か、涙が込み上げてきた。心の琴線に触れたという感覚。歌詞が特別刺さったわけではない。音楽が刺さったのだ。


これが私がback numberに心を奪われた瞬間だった。


* * *

以来、片っ端から聴き漁ったおかげで、今では知らない曲が無い。
ドライブ中のイントロクイズなんてさせようものなら負け知らずだ。

私が想うback numberの魅力は、不器用な優しさだと思う。ぎこちないけれど、ずっと隣に居てくれる。ここから離れるのもいいよ、でも戻ってきたら支えるね、どの楽曲を聞いてもそんな風に歌が喋りかけてくれているように聴こえる。

* * *

そんな大好きなバンドマンの中でも、特にお気に入りな曲を5曲程、記しておきたい。


* * *

1曲目は、『stay with me』。

報われない一途な片想いを描いた曲。

私は、この曲を聴くと、高台から綺麗な夜景を見下ろす2人が浮かぶ。無数に光る車のヘッドライトとポツポツ消える街灯。人1人入るくらいの隙間を空けて佇む2人。

そこは、実際に行ったことがある場所かは定かでは無い。でも、そんな2人を見ている気分になる。

1番好きなフレーズは、

あなたを照らす光に私はなりたい
でも痛い胸は痛い わたしに気付いてほしい

『stay with me』/back number


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2曲目は、『君がドアを閉めたあと』。

先ほどの曲とは違い、この曲はとにかく情景がはっきりと映し出されている。聴くと、ドラマを1本見たような気分になれる曲。恋愛を形容する言葉はないのに、主人公の愚直な想いがひしひしと伝わり、この曲の主人公と同じ気温、匂い、風景、心を感じることができる。

依与吏さんが、以前TVのインタビューで「今まで作った曲の最高傑作」と謳っていた。

好きなフレーズは、冒頭、

線路沿い家までの道を
缶ビールと想い出を一人ぶら下げて
サンダルのかかとを引きずって歩く
僕を自転車が追い越して離れてゆく

『君がドアを閉めたあと』/back number

缶ビールと一緒にぶら下げているのが想い出だというのが、何とも切なくて胸がぎゅっとする。

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3曲目は、『世田谷ラブストーリー』。

なんてもどかしい男だ!!というのがこの曲を聞いた第一印象。でも、何度も聴くうちに不思議と「僕」に愛着が湧き始め、応援したくなってしまう。恋愛の焦れったい部分とだからこそ素晴らしいよなという部分をどちらも感じられる曲。

各駅停車は君を連れ去っていく
僕の関われない毎日へとガタンゴトン
君を縛る為の名前を持たない僕の
時間は24時20分まで

『世田谷ラブストーリー』/back number


ちなみに、この曲が収録されているラブストーリーというアルバムが私は一番お気に入り。

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4曲目、『水平線』。

この曲は個人的に好きというより、back numberと今を生きる全員で大事にしている曲だなと思えるのがとても好き。

『SCENT OF HUMOR TOUR 2022』でこの曲を聴いた時、涙が止まらなかった。これだから私はback numberが好きなんだと改めて思えた瞬間だった。

正しさを別の正しさで
失くす悲しみにも出会うけれど

『水平線』/back number

back numberの楽曲は背中を押すというよりも、背中に手を当ててくれる気がする。1人じゃないよ、貴方は頑張って生きてる。そんな風に言われた気持ちになれる。

* * *

最後、5曲目は、『アイラブユー』。

道のりと時間を花束に変えて
君に渡せたらいい

『アイラブユー』/back number

このフレーズが堪らなく好き。

私が歩いてきた道のりと時間は、大好きな誰かに出会えたら、全てに意味がある花束変わるんだよ、そういう人に貴方には出逢って欲しいな。
そんな風に聴こえて、とても支えになる。

素敵な恋に踏み出したくなる。恋じゃなくても、大切な誰かに会いたくなる。あたたかい曲。

* * *

音楽の好みというのは、年齢と共に移り変わってゆくものだと思う。だけど、このバンドだけは、ずっと好きでいれる自信がある。

back numberのライブを大切な誰かと毎年見に行くこと、そしていつかは自分の子供と見に行くことが、私のちょっとした願望。


私の人生に寄り添ってくれてありがとう。
これからも末永く宜しくお願いします。



柚。

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