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花束を抱え続ける恋がしたい。


好きな映画の話をしよう。


私は坂元裕二さんの脚本が好き、言葉が響いて残るから。

『花束みたいな恋をした』

は、その中でもかなり上位で好きな作品。

もう何10回も見たけど、見る度にお気に入りの言葉や自分の気持ちの変化に気づくことができる。
見れば見るほど、深くなる、こんな映画に出会ったのは初めてだ。


はじめてこの映画を見たのは、当時付き合っていた人と、映画館で。

その時は、ただただ絹ちゃんに感情移入して、見入ってしまった記憶がある。

淡々とすぎる日々の一点で、趣味を理解し合えて、素敵な言葉を使う人に偶然出会って心躍らせる絹ちゃん。

でも、一緒にいるうちに少しずつ、違和感を抱いてきて、自分の中で消化させようとするけど、どんどん膨らんで、

好きな人から『じゃあ、結婚しようよ』と言われてしまう絹ちゃん。

別れる決意を固めたけど、好きだった人を目の前にして、決意が揺らいでしまう絹ちゃん。


そんな絹ちゃんに自分を投影して、涙が止まらなかった。





次に見たのは、半年後にレンタルして、友人と。
最初に見た彼とは別れていた。


この時は、初めてみた時と全然違う映画のように感じた記憶がある。

昔付き合った人とこんなことあったなとか、私はあの人のこういうところ好きになったのかなとか。

『一人の寂しさより二人の寂しさの方がよっぽど寂しい』に共感したりとか。

自分軸で映画を見ていた気がする。





そして、今の彼とも一緒にこの映画を見た。付き合って2ヶ月くらいが経った頃。

その時はまたこの映画の見え方が変わった。

この先、彼と一緒にいると違うと感じることが絶対出てくる、すれ違うこともあるかもしれない、この恋はどこに向かうのかなという怖さ。

それと同時に、今隣に彼がいることが当たり前じゃないと改めて思った、もっと大事にしなきゃって。

『女の子に花の名前教わると、男の子はその花を見るたびに、一生その子のことを思い出しちゃうんだって。』

これから、花束をつくるみたいに、彼から貰う忘れられない言葉や思い出が1つずつ増えていく。

そんな思い出の花束を、零すことなく、きちんと抱えて行きたい。

恋愛のパーティーがいつか終わるとしても、その次は温かい食卓を彼と囲みたい。




SNSを覗くと、この映画を全然違う解釈で見ている人が沢山いるのも面白い。

見る人の分だけ、見る回数だけ、その人の解釈がある。

映画を見た今の彼の感想は、
『人付き合いって、簡単じゃないね。凄くいい映画だけど、ちょっとトラウマにもなりそう。』
だった。

そんな風に感じる人もいるのだ。


この映画だけじゃなくて、ほかの映画でもきっと、十人十色の解釈が生まれていて、それはその人の性格だったり、積み上げてきた人生だったりで変わるのかなと思うと、映画の世界観って素敵だなって。


これからも、色んな映画を見たい。
きっと自分の成長とともに、見える世界が変わるはずだから。



柚。


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