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何度も後悔した結果、私はいま田んぼに足を突っ込んでいる。【ローカル×ローカル】

【後悔先に立たず】という言葉がある。
何かしてしまったことは、あとになって悔やんでも取り返しがつかないことをいう。

まったくその通りだとは思うけれど、どうしたって悔やんでしまうこともあると思う。

例えば、テストで思うような点数を取れなかったとき。あのときもっと勉強しておけば…なんてことを何度も思ったことがある。
好きな人に気持ちを伝えられなかったとき。あのとき自分からアプローチしておけば…なんてことを考えた日もあった。

ただ考え方しだいでは、そんな後悔もプラスに捉えることができるんだと、南伊豆に来て思った。



静岡県南伊豆町にあるゲストハウス、『ローカル×ローカル』(以下、L2という)で学生インターンを始めて4日目のこと。

↓学生インターンについては、自己紹介でまとめています!https://note.com/my_new_world/n/n5ab446a61673

私たち学生インターンは、L2で提供しているプログラム『南伊豆くらし図鑑』に参加した。


(南伊豆くらし図鑑とは?)

南伊豆町で暮らす人たちの日常におじゃまする一対一の暮らし体験プログラム

ローカルローカルでできること|南伊豆ローカルローカル|様々な暮らしを体験できる宿 (local2minamiizu.com)


私がお世話になった大ちゃんは、南伊豆で米農家をしている方だ。

大ちゃんとの初対面の瞬間。


私が席を外しているあいだに、いつのまにか集合場所に大ちゃんがいた。
L2の共有スペースで、すでに足を伸ばしてくつろいでいる。

「いや~、水ってすごいんだよ!」

留職生(社会人インターン生)のポジさんに興奮冷めやらぬ調子で話しかけている大ちゃんを見て、
「あ、これは絶対面白い人だ」と確信した。
とにかく話す勢いが凄く、誰も口をはさめないほど熱弁している。

話を聞いていると、どうやら午前中に米農家の集まりがあったとのこと。そこで、米作りにおける水の重要性をより深く学んだそうだ。その学びを私たちに対してアウトプットしていたらしい。

熱弁してくれたあと、大ちゃんは所有する田んぼに私を連れて行ってくれた。

体験では、田んぼに入り、米の成長をじゃまする雑草をひたすら抜きまくった。

米のために雑草と戦っている私。

足をずぼずぼ突っ込んで、腰をかがめて雑草と向き合いながら、大ちゃんのこれまでの人生を聞いていた。



過去の選択と今のじぶん

大ちゃんは南伊豆出身ではない。どうして南伊豆に来ることにしたのか、来てから何をしていたのかを詳しく教えてもらった。

大ちゃんは、就職活動がうまくいっていなかったとき、大学の図書室である本に出会った。
その本には、ざっくりいうと、地方が危機にあるということが書かれていた。その本を読み、「自分が動かないと!」と、ハローワークでたまたま見つけた南伊豆の林業の会社に就職した。当時まだ21,22歳(私とほぼ同い年!)

南伊豆で林業の会社に入り、最初は趣味ではじめた米作りがいつのまにか本業に…。

ひととおり聞き終わったあと、大ちゃんが言った。

こうしてたらな~って思うときもあるけど、そのときはわからなかった。でも、そういうのも経て今の自分がある

雑草抜きに必死だったため、一言一句おぼえているわけではないが、確かこんなことを言っていた。

私はそのことばを聞いて驚いた。

あんなに目を輝かせながら米について語り、米愛にあふれている大ちゃんでも、こうしてたら…なんて考えるときがあるのかと。



結局、今の自分が好きで愛おしい。


大ちゃんと状況は異なるけれど、私もふと、「こうしていたら」と考えてしまうときがある。

勉強に恋愛、家族や友だちとの人間関係など、いろんなことであのときこうしておけば、あのときこう言っていたら、なんて思う。

今でもふと、大学生活でこうしておけばと思うことがある。

コロナを言い訳にしてサークルを積極的に探さなかったことや、長期インターンをしなかったこと。

活動頻度の高いサークルに入っていれば、もっと仲のいい友だちができていたんじゃないか。空きコマや放課後という、大学生が最も謳歌する時間を、もっと楽しめたんじゃないかと思う。

1回生や2回生のときから長期インターンをしていれば、社会人になる前に何かしらのスキルを習得できたんじゃないか。大学生の時点で、自分が持っているスキルを活かして、少しかもしれないけどお金を稼ぐ経験ができたんじゃないか…とか。


でも、いま私が南伊豆にいるのは、過去の自分の選択のおかげだ。

もし最高に楽しいサークルに巡り合っていたら、きっと夏休みはサークルの友だちと遊ぶ予定で埋まっていたと思う。南伊豆という場所さえ知らずに過ごしていた気がする。
もし長期インターンをしていれば、それだけで手いっぱいで、旅をしようなんて思わなかったと思う。ましてや、ローカル×ローカルの学生インターン募集を見つけた『SMOUT』というサイトを見ることなんてない。

個性あふれるいろんな方と交流できているのも、天然プラネタリウムばりの星空を眺められるのも、チャリをぶっ飛ばしたらすぐに青く透き通る海に行けるのも、編集や発信について学べているのも、後悔を含めて、すべて過去の自分が選択した結果だ。

天然プラネタリウムばりの星空
虫の声を聞きながら眺めるのが何ともエモい
チャリぶっ飛ばしたらいける弓ヶ浜
弓ヶ浜に行くまでの、青野川沿いを走る時間も最高!

もし一つでも自分の過去の選択がちがっていたら、南伊豆に来ようと思っていなかったかもしれない。

みんなで弓ヶ浜でスイカ割り🍉
活きがよすぎてピンボケしてるテナガエビ🦐
この日はめっちゃ釣れた🎣!
焼肉からのあっという間におわった花火

大ちゃんが言うように、こうしていたらと思うような経験も経て、今の自分がある。

そう考えると、なんだか自分が愛おしく感じる。





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