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#4 嗅覚障害との今まで

そもそもなんで嗅覚障害になったのかってとこを書いていなかった。

嗅覚障害にもいろいろな原因があるらしい。

鼻の奥に匂いはセンサーがあって、そこから匂い情報が信号として脳へ伝わり、脳で認識される。この経路のどこかがうまくいかないと、匂いをきちんと感じられなくなる。

私のは単純に鼻が詰まっているタイプだ。センサーや神経にはたぶん異常がない。

詰まっているといっても、息は問題なく通る。おそらく鼻の穴は途中で肺へのルートと匂いセンサーへのルートがわかれていて、私は匂いセンサーへのルートが塞がっているのだと想像している。

そもそも小学生のときにアレルギー鼻炎と診断されてから、くしゃみ鼻水はいつものこと。けど匂いがわからなくなったのはここ15年くらい。

はじめの10年間、私は基本放置していた。

鼻は、花粉症みたいによくなったり悪くなったりしていた。だからそこまで気にしていなかった。病院に行ってもたいして効かない薬を出されるだけで、どうせアレルギー体質は治るはずないのだ。

だけど結婚した相手はそんな私を叱り、症状が改善しないなら手術を受けろと言うようになった。

彼を納得させるため、私の耳鼻科通いが始まった。

この5年で通った病院は6件。特に印象に残っている病院がある。

アレルギー体質を根本的に治せると、ネットでも評判の病院だった。待合室はいつも患者さんでごった返していた。有害物質を出さない素材にこだわった内装で、床も壁も木でできていた。薬を使わない治療や自然食品に関する本がたくさん置いてあった。

私が記録した食生活をペンでなぞる手を止め、先生は「この牛乳とドーナツがだめだ」と言った。

「どうしてわかるんですか?」

「悪い気の流れを感じる。」

私は科学的な裏付けが欲しいタイプ。この先生とは合わない、と思った。ドーナツと牛乳を我慢しながら2ヶ月ほど通ったが、その間症状が改善することはなかった。

合う人には合うんだろう。

きっと一人ひとりバラバラな体質ってところにアプローチできずに、患部だけを見た対症療法に限定されるところが標準治療の限界なんだろうな。だから色んな代替療法が幅をきかせるんだろう。


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