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#3 接客は気遣いの想像力勝負

「良い接客とは何か。」

この問いにあなたならどう答えますか。


「笑顔が素敵な接客」

「元気の良い接客」

「良い意味で存在感のない接客」

きっと人それぞれに快適と感じる接客があることと思います。


そして今の僕ならば

「さりげない気遣いができる接客」

と答えたいと思います。


現場で目撃した気遣いのあれやこれ

私のバイト先は青森県弘前市にあるピザ屋さん「Pizzeria Mia」というお店です。このお店についての紹介はこちらをぜひ参照してください!


今回のバイトでは、「気遣い」が私の中でのキーワードとなりました。


例えば席を片つけるとき。

お客さんがお会計しているときにササッとテーブルの片付けを済ませてしまうのは仕事ができる人ではなく、逆にNG。

なぜかというと、お客さんが会計するのは、料理を済ませた後に限らず、料理の途中でも「ここは私が」と誰かが奢るケースもよくあることだから。


例えばレジでお金を渡すとき。

レシートは多くの人が、財布のお札を入れている場所にしまうことが多いので、あえて小銭と一緒ではなく、お札と共にレシートを渡すとか。


例えばお客様の注文をとるとき。

うちの店にはチリジンジャーエールという少し辛めの飲み物をご用意しています。しかし、注文された方が赤ちゃんを連れていたら、授乳中であることを察して、違うドリンクを提案してあげること。


これら全てが、私ができなくて、他の先輩スタッフのしていた素敵な気遣いの一例です。


2つの気遣い

私は接客における気遣いには2種類あるかもしれないと、気がつきました。

1つは、客側に周知されている気遣い
1つは、客側に周知されていない気遣い


例えば、コンビニで何かを買って、レジ袋に入れてもらったとき、持ち手のところをクルクルっと巻いて持ちやすくしてくれている、あの気遣い。

あれって、前者の気遣いなんじゃないかと思います。

もちろん、これをやってもらって嫌な思いをする人はいないと思うけれど、特段嬉しいとか、思わずありがとうと言いたくなる、とか、そこまでの幸福感を与えられる気遣いの類いではないと思います。

それはなぜかというと、そういうことをしてくれることを、きっとお客さん側も、ある程度習慣として知っていることだから。心のどこかで「やってもらって当たり前」という感情を抱いてしまうのではないかなと思います。


逆に、先ほど上記した、私が現場で目撃した気遣いは(一部違うかもだけど)、どちらかというと後者の気遣いに近いのではないかと思うわけです。

これはお客様一人ひとりの行動をスタッフが観察して、それぞれのお客さんにとって最適なサービスを提供しようとするからこそ、「ありきたり」な気遣いではなく、その人にとって一番「ありがたい」気遣いができるのだと思います。

そして、そんな気遣いに触れた時に、人は「ありがとうございます」と言いたくなるのではないでしょうか。


「何者」を読んで

話は一転しますが、先日、朝井リョウ作の「何者」という小説を読みました。大変面白かったです。

その中で印象に残っているエピソードが、

「誰でも情報を発信できる時代だからこそ、twitterならば140文字の中にどんな言葉を選んで発信するかが大事だ」という意見と

「140文字に選ばれた言葉以上に、140文字に選ばれなかった言葉や行間にこそ意味があるのではないか。そんな140文字に隠れる、140文字以上の想像力が大事なんじゃないか」という意見のぶつかり合いがあったシーンです。

どちらも真っ当な意見に変わりないし、その人によって正しさも変わるでしょうから、どちらが正解だなんて私が語るべきでもないとも思います。

しかし、良い接客とは何かを考えた時に、私はこの140文字の話が脳裏をよぎったのです。より良い接客に必要なのは「お客様が言葉にしていないメッセージを想像して汲み取ること」なのかもしれないと。


キーワードは、「想像力」

お客さんにレシートを渡した後、どうやってレシート財布にしまうか。

赤ちゃんをもつお客さんが、食べ物や飲み物にどんな気を使って注文しているのか。

そんな、数秒後に起きる出来事から、場合によってはそのお客さんの、お店の外での行動を想像しながらできる接客こそ良い接客だと思うのです。


気の利いた気遣いを

さて、気の利いた気遣いをできるようになりたい私は、日常にそのエッセンスを取り入れたいなと、今考えています。

普段の日々の生活の中でも、周囲の人を見て、気を利かせて、自ら主体的に動こうとする。これだけでもバイト中の動き方は変わってくるんじゃないかなと思います。


バイトでより良い気遣いができる人間になるため、普段の日常でも気遣いを取り入れる。そうすることで、バイトの経験がバイト以外の所で効いてくる。


こんな正のスパイラルを自分の中で作っていけたらいいなと思っています。

(よく周りの友達が、飲食業のバイトをやると社会人になってから礼儀とか、気遣いとか、そういうのができて得をするという話を聞きますが、まさにこのことかと実感している最中です。)

バイトでお金を稼ぐということ以上のインセンティブをいかに自分で付与できるかを考えながら、これからも働いていけたらいいなと思っています。

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