見出し画像

叫んだのは、私だった

週末に控えた私のバースデーに合わせて
彼が江ノ島の近くの海の見えるホテルを取ってくれた。

朝静岡の家を出ると、強風雨嵐。。。
彼と会う前に、一つ用事があったけど、電車も遅れているし
キャンセルしたい気分だった。
それに朝から全然テンションが上がらない。

ワンチャン、その用事がキャンセルにならないかなぁと思って聞いてみたけど、予定通り決行とのこと。
大雨暴風の中、節約と思いタクシーを使わずバスを待つ。
すぐ来るはずのバスが全然来なくて、結局15分以上待ったのだけど、
もうその時点でイライラは頂点に。

今の私にとって何が気分がいいの?


雨の中、イライラが止まらなくて、
でもイライラするなんて精神性が高まっていない証拠だ、とか
愛だったらどうする?とか考えていたけど
考えていたら考えただけイライラして

おりゃあああああ!
私は今怒りたいんじゃああああ!
イライラしないだなんて私はそんな人間出来てないんだよ!!!
今はイライラしている方が気分がいい!!!!!

と怒りが頂点に。笑


一人で暴言をブツブツ吐きまくって
怒りまくっていた。


少ししたところでバスがやってきて
無事に乗れたけど、もうバスの中でもイライラがノンストップ。笑

でも周りの方に撒き散らすのはただの迷惑なので、
自分の中で自粛。笑

静かに怒りを感じていた。


その後、無事に用事も済み、ついに彼が車で迎えに来てくれる時間に。
久々に会うからとっても楽しみにしていたら
彼から、「車が壊れた」とのことで、歩いてでもギリ行けるところにホテルを取っててくれたから、歩きで行くことに。

え?週末私の誕生日、旅行をリクエストしてたのに
車がないってことは…いつでも行ける江ノ島あたりで誕生日を過ごすってこと!?
がーん。。。

朝車を点検にわざわざ出していたのに、点検でミスがあったのか、車の調子が良くないとのこと。
車は仕方ないけれど、こんなことってある!?
しかも私の誕生日に!!

と追い討ちをかけるような事態。


その間も
もちろん幸せであることは分かっていた。
分かっているのに、思考の声が大きすぎたり、理想を強く思い描きすぎて執着してたから、落差に落胆したんだと思う。

十分すぎるほど幸せだし、今ここを感じたら幸せで包まれるはずなのに
頭の中のおしゃべりが止まらなすぎて
また怒りが出て来た。


ホテルに到着すると、彼が予約してくれていたお部屋から
海は見えるものの、
正直、HP詐欺?なくらい異なって見えた。

彼が予約をしてくれてて本当にありがたいのは分かっているし
感謝もしてるけど
またも思い通りにならずにイライラしていた。


彼が来るまで海に散歩に行った時に

「叫びたい」

と心が言った。

でもまだ明るい時間帯。
そして散歩してる人も、サーファーもたくさんいて
とてもここで暴言を叫ぶような状況じゃないし、恥ずかしさの方が勝った。

でも叫びたくてウズウズしていた。


そんな時に彼がホテルにチェックインしたよ、と連絡があり、ホテルに戻る。
部屋に入ろうとしたら、彼がシャワー中で、電話してもピンポン押しても出ない。
廊下に待ちぼうけな私。イライラがさらに積もる。笑

そしてシャワーからようやく出て来た彼がドアを開けてくれて久々の対面。


感情は人と比べるものなんかじゃない

嬉しさよりも、イライラの方が勝った。笑

久々に会ったのに私はすぐに「海にシャウト(叫び)に行きたい」と言い放つ。
やばい彼女だと思っただろう。笑


彼は彼で、朝しっかり点検していた車なのに、乗ろうとしたら調子が悪くなって2軒も車屋さんをハシゴし
(アメリカ人の彼なので)日本語が分からずGoogle翻訳を駆使して伝え、
結局直らず家に帰って、すぐさま支度をし
彼女から頼まれていたスキンケアグッズ(重)も忘れずに持ち
彼女の誕生日なのに、唯一の旅行のリクエストを叶えてあげられない気持ちを抱えながら家から急いで来ていた。
そしたら彼女が鬼のように怒っていた。
きっと叫びたいのは彼の方だっただろうに。笑


彼の一連の流れを聞いた後、彼に「君も叫びたい気持ちだね」と言ったら
僕は「あ(中くらいの声のボリュームで)」と叫べば、解消するけどね
と言って来た。

え?そんなん叫ぶうちに入らないよ!!

と思ったけど
穏やかな彼はニコニコしている。


感じ方や表現って人それぞれ本当に異なるんだな、と思った。
ここで、自分はなんて気性の荒い性格なんだ…と思って責めそうになるけど
もうここは個人差なんだ、って思った。

どう頑張ったって、今の私は叫びたいし、そんなの叫ぶうちに入らない。


イライラしていたのは、私自身にだった

ついに夜になり、海辺には人気がほとんどなくなった時
夜逃げする人みたいに、暗い暗い海辺に行った。

あんなに叫びたかった私なのに、外に出て
いざ叫ぼうとすると、恥ずかしさや
「叫んじゃいけない」という謎のブロック、
叫ぶことに対しての躊躇が出て来た。


そんな私を見て彼が
一緒に叫ぼうか?と言って、第一声目は、一緒に「あー!」と叫んだ。


でも、叫びたかったのは、ただ単に大きな声を出したかったわけじゃない。

私は一人海に立って
(もちろん海にご挨拶してから)

こんな姿で彼に嫌われるんじゃないか、
(アメリカ人だから日本語が分からなかったのが救い)
遠くの方にいる人に聞こえたら恥ずかしい、
とか色んなごちゃごちゃしている迷いを吹っ切って

叫びに叫んだ


「ヘラヘラしてんじゃねーよ!」
「笑ってごまかしてんじゃねーよ!」
「人の目気にしてんじゃねーよ!」

「自分に嘘つかずに本気で生きろよ!!!!」


ブチギレながら叫んだ。


そして最後に
「ありがとう!愛してる!」

と叫んで彼の方を振り返ったら
彼が両手を広げて抱きしめてくれた。



私は私に一番怒っていたんだ。
私の本音を無視して、周りの目を気にして止めていたこと
やっていなかったこと
人に合わせて笑って誤魔化してたこと…


全部ぜんぶ、私が見ていて
私がその裏切りの現場の立会人だった。


過度に人に嫌われることを怖がって、
自分よりも、人が楽しんでいるかやどう思っているかを気にして、
自分は二の次にしていたこと。

本音に蓋して、いい人・期待に応えることをして来たこと。
人生を100%味わってその瞬間を生きていないこと
自分に嘘をついていたこと


自分を大事にしていなかった自分に対して
不満爆発だった。

自分が一番怒っていた。

ふざけんなよ!!
ってめっちゃ言ってた。


叫ぶことも、
本当は叫びたいのに、周りの目を気にして我慢してたり
彼の目を少なからず気にしていたりしていた。

でも一旦出してみたら
怖かったけど、どんどん溢れ出て来た。


そして自分の中の私に触れた。


私はもっとパワフルで
もっと信じて欲しくて
もっと大事にして欲しくてそこに立っていた。



誕生日前。
私は大きな気づきを得た気がする。

叫ぶだなんて、学生の時でもしたかな?ってくらい、していなかった。

でもそこには私の魂の叫びがあった。

今までの自分に中指立てて抗議してた。


もっと大事にしよう。
もっと信頼しよう。
もっと心の声に忠実になろう。
もっと自分と繋がろう。


そう思った。
そして今までの自分の本音に懺悔をした。


もっと本気で生きよう。
そんな34歳。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?