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クラウドファンディングの手数料は高いのか

こんにちは。Kiwi PR合同会社の植田聡子です。

50日間のクラウドファンディングが無事に終了しました。
多くの方にご支援いただき、目標金額を大きく上回ることができ、本当に感謝しています。ありがとうございました。

クラファン手数料の仕組み

クラファンのプラットフォームは、例えばMakuakeでは20%Campfireは17%、Readyforは12%~17%(サポート度合いによる)などの手数料が差し引かれます。これはユーザーがクレジットカード決済などで使用するため、決済手数料を含む形になります。

手数料を差し引いてもプラスになるようなリターンの制度設計はマストです。

それでも、1顧客単位で考えたら、「2割も引かれるのか」と思われるかもしれませんね。でも、よく考えてみてください。

1)お客様は商品・サービスを受け取っていないにも関わらず前金で支払済
2)期間中、クラファンプラットフォームに自社のプロジェクトが掲載され続けている
3)他社ではなく、既に自社が選ばれている

顧客単位で見るのではなく、全体を俯瞰してみると、2割の手数料もあながち高いとはいえないと思いませんか?

前金で支払い済みがいかにありがたいことか

「前金で支払済」という、商いにとってこんなに喜ばしいことはない取引です。

CCC=Cash Conversion Cycle、仕入債務から売上債権回収までの日数

例えば飲食店なら、お客様がいらっしゃる前に、ハコ(店舗)を用意し、食材や器を用意し、料理を提供し、お客様がクレジットカードで支払う。

そうすると、食材を購入して、提供して入金まで1か月半〜長いと2か月かかりますね。その期間(CCC)は手元のお金が減っている状態なので、資金繰りが苦しくなります。

この期間が短い程、安定した経営が可能になります。CCCはつまり日数。短い日数であるほど、優秀なCCCであると言えます。CCCが短いほど資金繰りは改善されるということです。

これがクラファンの場合、早ければマイナス日数の場合もあるのです。プラットフォームによって、プロジェクト実行者への入金タイミングは異なりますが、Makuakeの場合、プロジェクト終了の月末で締めて、翌々月の第3営業日までに入金となります。

例)7月末でプロジェクト終了→9月第3営業日に入金

お客様は時に10月や11月に来店するかもしれません。そうすると、前金で代金をすでにいただいていることになるのです。CCCがマイナスというのはつまりそういうことです。

自社プロジェクトが掲載され続ける効果

全国区で、多くのユーザーが閲覧するプラットフォームに掲載されます。プロジェクトにかける思い、こだわり、プロジェクトオーナーの紹介。通常の雑誌や新聞にここまで詳細に掲載されるケースはそう多くはありません。

これ、広告換算したらどれくらいになるでしょうか。

https://delight-solutions.co.jp/column/web広告/web-advertising-cost/

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クラファンの場合、純広告か記事で比較するのがいいのかなと思います。
(お詳しい方、違っていたらご教示ください)

純広告、期間保証の場合、週数万から数千万円です。50日間という長期にわたって、あれだけのスペースを獲得するとなると、「決して週数万円ではない、非常にお高くなりそう」ということは想定内かと思います。

記事広告の場合、想定PVを1万PVとしたら、最低でも20万円、高額なら200万円です。Makuakeの場合、こちらも決してお安いメディアではないPVと掲載価値が担保されています。期間もなんせ50日間ですからね。

一人のお客様から2割もっていかれるのではなく、自社の販売管理費として活用する、と思えば、決して「めちゃめちゃ高い」とはいえないのはおわかりかと思います。

先に自社が選ばれていることで機会損失を回避

嗜好品にしても、寄付的なクラファンにしても、顧客のお財布はひとつです。

例えば、何かいいことしたいな、寄付でもしようかなというお客様は、ありとあらゆる非営利団体から自社を選んでいただいているのです。クラファンのWebサイトで見つけなかったら、売上ゼロかもしれなかったお客様、他の寄付先に全額払っているかもしれないお客様が自社を選んでくれたのです。

飲食店の場合、さらに明白です。10万円というお金を、自店のためだけに使ってくれると決めてくださっていることは非常に大きいことです。

「麻布でご飯食べたいな、どこにしようかな」

年間10万円を使う方が、もしかしたら中華に行く可能性も、ステーキハウスに行く可能性も寿司を選ぶこともあり得ます。

クラウドファンディングの場合、機会損失を事前に回避できているのがメリットですね。

そして、2割の手数料、とはいえ、客単価が上がる可能性も大いにあります。

クラファンのリターンがあるから、

「いつもよりいいワインを選ぼう」
「アラカルトの料理を1品増やそう」

人はキャッシュレス決済の際に、現金決済より客単価が上がるというデータもあるようです。

そして、そのお客様は、今後大いにお店のファンになってくれる可能性を有している優良顧客です。ストーリーの共感ベースが既に構築されているのですから。

クラウドファンディングはお金集めのツールではない

何度か申し上げていますが、クラウドファンディングは「お金がない実行者がお金を集める仕組み」ではありません。

ストーリーに共感いただいて、ファンになっていただくための仕組みなのです。

ですから、プロジェクト終了が終わりではなく、プラットフォームの仕組みから離れて、自社とお客様との関係性が始まる、まさにスタートなのです。

ブランド構築に欠かせないと言われる、ファンコミュニティがあること、これを実現できる仕組みなのです。

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