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俺と彼方ちゃんの囲む食卓は有限の永遠【Cooking with Love】だけが2人を繋げるラブソング

きみが望むのなら それが一番だよ
いつでも願う私がいる こんな想いはじめて
ただありがとう

Cooking with Love/近江彼方(鬼頭明里)

俺と彼方ちゃんの永遠は愛おしい。永遠に続く食事はない、終わらない食卓はない。彼方ちゃんと過ごせる時間も、有限。
だから、残りの一緒に過ごせるだけの食事を彼女と過ごしていたい。ただ、それだけ。

【Cooking with Love】はラブライブ公式が出した虹ヶ咲のラブソングの一つである。料理が得意で好きな近江彼方ちゃんらしく、それらを題材としたラブソングに仕立てられている。

特筆すべきは圧倒的な湿度と愛情のベクトルである。

あまりにも献身的かつ自分を顧みない歌詞の内容は流石に”本気”の彼方ちゃんを感じずにはいられなかった。
超弩級の湿度をこんなにもかわいさで丸ごと包んでぎゅっとしているのはやはり虹ヶ咲の解釈レベルの高さは群を抜いている。

彼方ちゃんだけが俺の食事の全て。ああ、目の前に彼方ちゃんがいるこのテーブルに幸せは宿る。


姉妹愛に並ぶ愛情という重み

まず最初に前提の話をしよう。この歌詞の中で言われる「きみ」とは当然あなた(私であり俺であり君である)のことだ。
この愛情のベクトルは彼方ちゃんが妹である遥ちゃんへ向けるものと限りなく同じである。彼方ちゃんにとって俺は遥ちゃんと同じくらい大切な存在ということになる。ここが前提条件でありスタートラインだ。

【Butterfly】が彼方ちゃんから遥ちゃんへの想いを綴った曲であるように【Cooking with Love】は彼方ちゃんから俺への想いの綴られた曲である。
歌詞の中身、言葉の重みを見るにどちらが上だとかそういったものはない。彼方ちゃんにとってどちらも同じように愛おしい存在であることを読み取れる。
あなたという存在はそれほどまでに彼方ちゃんの中で大きな存在なのだ。

きみがシアワセなら 何も望まないよ

Cooking with Love/近江彼方(鬼頭明里)

だからこそ序盤からこんな地球の10倍以上の重力並の重さを叩きつけられるところから彼方ちゃんの”本気”が伺えるというわけだ。
そう、この曲は全て彼方ちゃんからの献身で成り立っている。向こうからこちらへの要求はただ「シアワセ」であってほしいというそれだけ。
彼方ちゃんが俺になにかをしてほしいだとか与えてもらいたいだといった内容の話は出てこない。全編通して献身だ。
このスタンスからはああこれだよこれ、この”本気”の彼方ちゃんを吸いたかったという想いが満ち溢れる。

あんなにもおっとりふわふわな雰囲気を出しているが彼方ちゃんはかなり重い。重さの主成分が自己犠牲だからだ。それらが抱く儚さと脆さを隠そうとする傾向にあるのもまた重みを加速させる。

これらの要素は言うまでもなくアニメ1期7話神の回「ハルカカナタ」にて読み取る事ができる。
同じベクトルの愛情をこちらへ向けてきている、ということが非常に重要なポイントである。その上で違うものから重大なものを読み取ることができるからだ。

このスタンスの違いからあなたはスクールアイドル、要は彼方ちゃんとは違う道を進んでいることが分かる。
つまりこと恋愛面において彼方ちゃんは一方的に尽くして尽くして尽くすタイプであることが理解できる
同好会においてはお昼寝大好きで甘え上手の立ち位置なあの彼方ちゃんがだ。俺の前ではそういった甘えたさそうな気持ちを見せずただ愛情込めた料理に気持ちの全てを詰め込んでくる。
家での、遥の前での彼方ちゃんが同好会で見せるような弱みを見せないのと同じだ。俺の前ではそういった心配されるような要素を見せない。
こんなにも愛おしい生物がいるか。いやいない。なればもっと彼女への解釈を広げることができる、もっと自由に。

普段の彼方ちゃんからしたら"らしくない"雰囲気の地雷系ファッションに対する理由付けとなる。
そう、地雷系彼方ちゃんを見れば俺がシアワセだから彼女はそんな格好をしてくれているのだと。俺の性癖に対する寄り添いに、その重さと愛に感服。

2人で過ごす時間の作り方

あくまでも愛情を込めた料理を作り、食べるところを見る。その本質は一緒に過ごす時間にある。共に囲むテーブルにこそ俺と彼方ちゃんの永遠は宿る。
彼方ちゃんの献身に応える方法は無数にあるが、一番は彼女の愛情を受け取ること。彼女の気持ちで仕立てられた料理を美味しく食べることに他ならない。そして私のシアワセもそこにこそ存在する。
【いっそ 私のことはいいよ】だなんて良いわけがないだろう、そんなこと。自分以外の幸せのために自分を軽んじる彼女の姿にはだからこそ俺が幸せにしてやらねばといった想いだけにこの肉体は駆り立てられる。

そう、俺へシアワセになって欲しいと願う彼方ちゃんの姿にこそ彼女の幸福を願わざるを得ない。なぜならば俺もまた彼方ちゃんを愛しているからだ。
だから俺は悲しい。彼方ちゃんにそんな自分を卑下するようなことを言ってほしくない。そういう沼へ落ちている。でも俺はスクールアイドルじゃないから、彼方ちゃんとは違う道を進んでいるからなかなか同じ時間を取ることが出来ない。
もしかしたら彼女にさわさわ寂しさをナイショで感じさせているかも知れない。
だからこそ、だからこそだ。せめて食事だけでも一緒の時間を過ごしたい。限られた時間をシアワセに過ごす為、心を込めて煮込んでくれた想いを一緒に食べたい。そんな時間だけが2人のシアワセだ。
ただずっと一緒にいることが2人にとって良きことかはまた別の話だ。進む道こそ違えど、いや違うからこそだ。

凸凹があっても
ほんのすれ違いがあっても
あるがままに伝えていて いつまでも
夢見る目に 惹かれていたいから
ずっと きみがきみらしいなら

Cooking with Love/近江彼方(鬼頭明里)

彼方ちゃんはこう言っているのだ。やっぱり自分よりも俺の進む道と夢を優先して欲しいと。その夢見る”目”にこそ惹かれていたいと言ってくれている。
自分のことなど二の次で、あなたの夢を一番にして欲しいと言っているのだ。俺も、俺だってこんなにも彼方ちゃんのことを愛しているのにこう言われたらもう何も言えない。

分かるか、これが【Cooking with Love】の本質だ。本編で遥ちゃんが出していたお姉ちゃんもっと自分の幸せ追求しなよみたいなあの感じを味わうことができるのだ。
そして俺には、俺たちには彼方ちゃんを幸せにできる力がある。スキのちからをしんじて。
お互いに別の道で別の夢を見ていることが分かるからこそ出せる力が存在している。これは【Butterfly】では出せないベクトルの火力だ。

普段は違う道を進んでいるからこそ、一緒に過ごせる食事の時間が何よりも大事で愛おしく尊い時間だ。ここに終着するわけだ。
いつでも一緒にはいられない。同じ道を隣に立って歩くことは出来ない。だから限られた一緒に過ごせる時間にこそ神威が宿る。
この食卓一点集中の愛情の注がれ方、料理が好きという真の意味。尽くすこと、シアワセを与えることに喜びを感じるという観点。彼方ちゃんらしさの全てがラブソングへと昇華されている。

ただありがとう

あまりにも近江彼方ちゃんが愛おしすぎる。本当にそれに尽きる。
私は彼方ちゃんのことが大好きだ。特に自分の辛いところを努力を隠すのが上手いところが大好きだ。夜遅くまで勉強しているから日中眠いのをお昼寝大好きキャラってことで通したりバイトも家事も好きでやっていると言っているところなど特に顕著だ。
強さの裏側にいつの日か壊れてしまいそうな儚さと脆さを常に抱えているようなそんな弱さにこそ宿る愛らしさこそ私の彼方ちゃんへの想いの源泉となる。

【Cooking with Love】はそういった意味で圧倒的に解像度が高い。流石に彼方ちゃんみが強すぎてひっくり返ってしまった。ただ儚く脆いだけではない。ちゃんとお互いにとっての幸せの形が存在している。それは俺だけが彼方ちゃんを理解って支えて幸せを分かち合うことができる、そう思わせてくれる起爆剤だ。

このくそでか感情歌詞をレシピとして表現するのも非常に芸術点が高い

彼方ちゃんが俺の夢を見る目に惹かれているように、俺もまたステージ上の彼女に心を奪われている。高く、夢へ羽ばたいて花の季節迎えてほしい。ただ、それだけ。

だから、俺達が一緒に過ごせるあの時間だけ。あの時間だけ、その愛おしさだけを永遠に噛み締めて生きていきたい。
ほら、匂いが漂ってきた。それはクリーミーな永遠。なによりもドリーミー。嬉しい、その時間を一緒に過ごせることが。俺のほうこそ、ただありがとう。
この時間だけ、大切にしたい。

感謝を込めて。

─────ただいま。

待たせちゃったね、俺もずっと楽しみにしてたよ。
"一緒に"食べよう。

いただきます。

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