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日本ちょっと昔話-本太郎-

ちょっと昔のあるところに
一人のお兄さんが住んでいました

お兄さんは
島に遊びに来る旅人さんたちを
いつもお家に泊めていました

お兄さんは旅人さんたちが
みんなで仲良くお話をしたり
遊んだりするのが大好きでした

いちゃりばちょーでー 
いちゃりばちょーでー
旅人さんはみんながともだち

いちゃりばちょーでー
いちゃりばちょーでー
一度会ったらみんながともだち


ある時
世界で病気が、ひろがりました
その病気は、仲良くお話をしたり
遊んだりすると、みんなにうつってしまいます

世界のみんなは言いました
病気にうつると、しんじゃうぞ
お外で遊ぶと、しんじゃうぞ

それから世界のみんなは
お外にでなくなりました

こうして、お兄さんの住んでいる島には
だあれも行かなくなりました

だあれも来ない、島のなか
みんなのお仕事なくなりました

やったー、やったー、嬉しいな
毎日遊んでくらせるぞ
とは、だあれも思いませんでした

お仕事がなくなったお兄さんは
お金がなくなってしまいました

大家さんにお金が払えないお兄さんは
お家に住めなくなりました
お兄さんは悲しくなりました

しかし幸い

その日、お兄さんは
原住民さんから
お家に招待されました

原住民さんは
以前にお家で遊んだともだちです
ありがとう原住民さん

お兄さんは原住民さんのお家に
泊めてもらいました

その日の夜は
ご飯を食べて
うたって、踊って
お酒を飲んで
お兄さんは楽しい時間を過ごしました

お兄さんは原住民さんと
お話をしたり、遊んだりしたので
とっても元気になりました

次の日
原住民さんはお兄さんに
一冊の本をわたしました

この本はお兄さんが困ったときに
きっと助けてくれますよ

お兄さんは、原住民さんにお礼を言いました

島に帰ったお兄さんは
大家さんに会いにいきました

大家さん、大家さん
僕はやっぱり、島のお家が大好きです
お家をかしてくださいな

大家さんは答えました
いいですよ、それならお金をくださいな

これは困った
今はお金を持ってません

それではお家は、かせないよ

お兄さんはお金が必要になったので
お金持ちさんに会いにいきました

お金持ちさん、お金持ちさん
僕はお家をかりたいです
お金をかしてくださいな

お金持ちさんは答えました
いいですよ、お趣味を見せてくださいな

お兄さんは聞きました
お金持ちさん、お趣味ってなんですか?

お趣味はね、
お兄さんが大好きなことですよ

お兄さんは答えました
僕のお趣味は、お家で
旅人さんとお話をしたり
遊んだりすることです

それは素敵なお趣味だね
その素敵なお趣味は
今どこにありますか

これは困った
今はお趣味を持ってません

それではお金は貸せないよ

お兄さんは困りました

お家もお金もお趣味もない
さあ僕は、これからいったいなにをしよう

お兄さんは、ふと思い出して
原住民さんからもらった本を開きました

するとどうでしょう


これはなあに?

本には、なんにも書いてません

(後半へ続く)

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