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デザインのクオリティを上げる方法

美大のデザイン学科にいた時、ある悩みがありました。

それは「自分が思ってる以上にいいものが作れない」というのと。

東京の美大に居ると、隙間時間にたくさんの展示に足を運びます。日本を代表するクリエイターの作品を目で見て、吸収して。そうすると自分も作れる気になれるのですが、いざ作ると全然良くない。
目は肥えてるはずなのにそのレベルに達していないのです。

このもどかしさは結局在学中には解消されず、
自分の作るものに納得し始めたのは割と最近この事でした。

初心者デザイナーあるあるだと思いますが、
この問題を打破するためのポイントをまとめてみたいと思います。


トライアンドエラー作戦

いいものが作れない最大の理由は「圧倒的な経験不足」です。
なんだってそうですがはじめから良い物を作ることは不可能です。
もし、初心者が「自分天才」と思っていたらそれは井の中の蛙状態。

良い物が作れない自分をまず受け入れ、クオリティが低くても作ることをやめない。これが超重要です。
私はいわゆる「作品作り」が苦手で、何か課題がないとデザインできないタイプでした。しかし、デザインに自信がないからクライアントワークができない。そのループに悩まされていました。

今だとクラウドワークスやココナラなどで低価格でデザインを提供できるので、そういった場でクライアントワークの経験を積むことが大切だと思いました。

一流を知ること

かっこいいデザインを作りたければかっこいいものを知る。
日本を代表する作品を見る、世界的に評価されている作品を知る。
良いとされるものがなぜ良いのか、言語化できて初めて吸収できます。
昔はよく美術館に行っても行った気になって終わってました。
あの空気に圧倒されてしまうからです。
なので行くときは事前に作家の生い立ちを調べたり、図録を買ったりしています。

美大に入ったとき、年上の知り合いにこんな事を聞かれました。
「憧れのクリエイターはいるの?」
その時私は答えられませんでした。よく知らなかったからです。
今でも答えられなったことに後悔しています。
「憧れの人を一人でも作った方がいいよ」
その意味を知ったのはずいぶん先でした。

なんとなくだけでは上達しない世界だからこそ、
「誰が憧れで、自分はどんなデザインをしたいか」を具現化しないと
一歩先に進むことはできません。
まずは憧れの人を探すことをおすすめします。

リファレンス資料の質を上げる

デザインを作る上で、まずは参考資料を集めると思います。
これを「リファレンス資料」と言いますが、
みなさんどれだけここに情熱を持っていますか?

制作会社にいたとき、とあるアートディレクターに言われたことがあります。
「リファレンス資料の質が低いやつは、いいものが作れない」

すごく簡単に言うと、アパレルの広告を作るときに資料を集めます。
かっこいい広告を作りたいなら「JILL SANDER」や「CELINE」など
一流ファッションブランドのクリエイティブを見ることが大事になります。

その良い、悪いの判断を正確に下すことも大切です。

ユニクロはファストファッションですが広告はこだわっています。
おそらく「髙見え」を狙って先程上げたブランドのようなクオリティを目指していると思います。

当時よくやってたのは「KINFOLK」を見ろ、でした笑
その時のトレンドだったかもしれませんが、
「KINFOLK photography」などと検索すると質の高い写真がヒットして
資料として使用していました。

それと、資料の量はとにかくたくさん!10個くらいさくっと調べるのではなく、何100、何1000とその量は多ければ多いだけいいです。
当時は人を殴れるくらい(笑)分厚いリファレンス資料の出力を用意していました。(時代にあってないかもですが)


SNSではよく「●●するだけで上達」「▲▲をトレースするだけでOK」などと
小手指の技法が紹介されますが、それは一時的なスキルアップであって
本質的ではありません。

地道ですが、上記の方法をくり返すことでいつのまにか作れるようになります。学生の時、言い訳せずにもっとたくさん作っていればよかった!!
という後悔もございますので、ぜひ口より先に手が出るくらい作品を生み出して欲しいです。





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