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【作家は】納得してないならノーと言った方がいい理由

会社員からフリーの(マンガ)編集になり、作家と同じ「自営業者」というステータスで仕事をするようになって、半年が経ちました。

会社員という制約」もなくなったことですし、仕事についてもいろいろ書いていこうと思います。

フリーランスになり、企画を編集部に持ち込みに行く「マンガ家のエージェント」の役割もするようになりました。

そこで改めて思ったこと、感じたこと、また、相談されたことなどを書いていこうと思います。

マンガ編集ってなにしてるの?

そもそも、「マンガ編集ってなにしてるんだ?」っていう話になると思います。

「世の中に面白いマンガを出す」という目標をもって、

・新たなる才能の発掘
・面白い企画の提案・発掘
・先生、作品のサポート

上記の業務を担当する。
ざっくりまとめるとこんな感じです。

その中で、世間的には認知度が高くないものの、一番大事だと思うことについて書いていこうと思います。

新しいマンガが出るまで(アプリ・ウェブ媒体)

私の主戦場がアプリとウェブで読める媒体なので、そこに限定したお話になります(雑誌編集部でも変わらないとは思います)が、まず、こんな流れがあって、そこからようやく原稿作成に取りかかります。

①「描いてもらいたい!」と思う先生を見つける(編集者)
②先生にオファーをお受け頂いたら、どんな話にするか「企画を考える」(先生と編集者)
③企画を「企画書やネーム」に詳細に落とし込む(先生……と編集者)
④「編集会議」に通るようにプレゼンの準備をする(編集者)
⑤「編集会議」で編集長(や社長)がOKかNGか結論を出す(出版社)
⑥OKなら「契約」、NGなら②に戻る(編集者)
⑦原稿制作にとりかかる(先生)

「売れる!」「ヒットを出す!」「面白い作品を作る!」
もちろん、大事なことです。

しかし、その前段階、ここでいう②と⑥こそが、その後の作品作りと同じくらい、もしかしたらそれ以上に(?)大事なことになってきます!


②先生にオファーをお受け頂いたら、どんな話にするか「企画を考える」(先生と編集者)

編集者が声をかけるだいたいの流れは、

過去作品やTwitterなどのSNS、持ち込み作品・企画などを見て、「投資できそう」と判断、

「うちの媒体で描いて欲しい」とお願いします。

この、

先生にオファーをお受け頂いたら

簡単にひとことでまとめてますが、ここ、一番大事です。

オファーするときって、

「作品のここが素晴らしい」「もっと読みたい」「こんなストーリーで次は書いてみては?」など、作品の話だけになりがちです。

で、興味のあるジャンルの話や面白そうな提案をされたら、思わず身を乗り出してしまうと思います。

編集者サイドとしては、興味津々で話を聞いてくれたなら、「こりゃいける」と思います。うちで描いてくれそう、と。

はい、一度、ここで冷静になりましょう。

原稿料やスケジュール、著作権・版権、媒体のカラーなどなどなど……本当に自分の中で定めている条件に合致しているだろうか? と。

・話が盛り上がってしまったから、断りづらい
・自分から金銭の話はしづらい
・切られてしまうんじゃないか
など

あると思います。

大丈夫です。
ここで気掛かりなところは全部潰してしまえば、あとは創作に取り組むだけです。

マンガ家も出版社にとってみれば「取引先」なので、「条件があえば契約」なわけです。
条件が合わなければすり合わせすべきだし、契約しなくたっていいのです。

そして、編集者も「(ほとんどが)会社員」なので、「営業して断られること」にも慣れてますし、「社内調整すること」にも慣れてます(はずです)。

むしろ、あとあと相談されるほうが編集者側としてはしんどいです。
「あのとき言ってもらえれば、その条件で調整できたのに……」
後からひっくり返すよりも、最初に詰めたほうが心証もいいです。

以前、とある先生から相談を受け、ここまで書いたようなことを答えたんですが、そのときに

「打ち合わせや電話だと、いざってときに頭が真っ白になって、何も言い出せなくなってしまう」

と言われました。

そういう方は、その場では即答せずに、

「ほかのスケジュールを確認してみますので、概要をメールでいただけますか?」

と言いましょう。会社員がよく使うやつです。

メールが来たら、ひとり静かに、冷静に考えて判断することができます。

契約前の言質にもなりますので、メールもらっておくの、良いです。
(メールくれなかったら、こちらからメールを送ってしまいましょう)


長くなりましたので、続きはまた次回改めて書いていきたいと思います。

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