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健康だけが取り柄だったのに④

異常な白血球低下で緊急入院をして、ビックリしたのは食欲の低下。
今まで自慢できないが、食欲は常に旺盛だった。朝・昼・晩のご飯を楽しみに1日を過ごしていたが、入院してからは1日を過ごすのが精一杯だった。

口の中は口内炎が酷く、喉まで広がりしゃべることができず意思疎通が難しかった。
しかも、何故か唾液が異常に多く出てきて水を飲み込むのが辛いわたしには地獄のような状態だった。
唾液を吐き出し、点滴で栄養を摂取する。
顔の発疹が酷く、日に当たることを禁止されてて体力がないからベッドに寝たきり状態。
グッタリしたまま過ごすこと数日、薬が効いてきて徐々に起き上がれるようになるまでとてつもなく辛かった。

入院してから、介助レベル3ということでトイレに行くにも、歯を磨くのも看護師さんがいないと動けない生活をしていた。
発熱を繰り返し、先生にもたくさん心配をかけたけれど、徐々に食欲も取り戻してきた。

とはいえど、食べられるのは柔らかく、流動食だった。
プリンや、野菜のポタージュを昼ごはん、夜ご飯にして食べられるようになった頃には、昼間ベッドに腰掛けてテレビが観れるようになっていた。
3分クッキング観て、お昼ごはんの配膳を待つのが日課になっていた。

そんなこんなで緊急入院してから10日後には、点滴が外れて一人で歩けるようになった。
ただし食事は、舌で潰せるご飯。
ご飯は五分粥で、普段食べている倍以上の量があった。めっちゃ多いな…
先生にご飯の量が多いと話すと「若い子はパンを食べるのか!そっかそっか〜!」とニコニコしてたが、違う、そういうことじゃない。

ご飯を完食できるようになって、一人で歩けるようになって、次のステップは栄養をつけることがミッション。
エンシュアという経腸栄養剤を飲み始めた。
原液だと甘すぎて飲めたもんじゃないが、牛乳で割るとマックシェイクみたいで美味しい。
おやつがわりに飲むように、キツいが綺麗な看護師さんに言われて栄養摂取。

一人でお風呂も入れるようになって、病院食も完食できるようになって、血液検査の結果も良くなって退院の目処がようやく立ったのは入院から13日後。

長くて辛い期間だったけれど、この期間を耐えた結果、薬が効いて死に際だった私は、とりあえず生きるための治療ができるようになったのだ。

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