見出し画像

お母さんと赤ちゃんを笑顔にする、そんな産後ケアがしたいのです

昨日はクリニックの当直でした。
いつもは当直の日も記事を投稿できるようにストックしていたのですが、昨日はストックが尽きていたことでつぶやきのアファメーションの投稿のみとなりました。
こんな感じでゆるく無理せず毎日投稿を続けていこうかと思っています。

画像1

今日のお題はディープな夜!?

昨日は久しぶりにお産もなく、お産の進行の方もいないという、私にとっては非常にめずらしく落ち着いた夜でした。
日勤の助産師さんに「誰か入れて(入院)くれてると思ってたのに~」とか「ゆかりさんの当直なのに静かだなんて!!!」と言われまくりました。

恐縮です! 笑


病棟は、嵐の前の静けさなのか入院患者さんが少なかった!ありえない!

今日退院の初産婦さんが数人いらしたのだけど、日勤から申し送られた状況では、みなさんが明日退院なのに大丈夫!?と心配になるような印象。
これはディープな夜になりそうだと予感はしていました。



入院中のサポートは

クリニックでは母児同室を推進しています。
ですが、母乳の出方や出産の疲労度をみて、夜は赤ちゃんをお預かりすることもあるので、完全母児同室というワケではありません。

さすがに一度も夜間の母児同室をせず、夜中の赤ちゃんの様子を知らないまま退院するのは、初産婦さんにはオススメしたくないところ。
夜中の赤ちゃんって寝ませんから。笑
(経産婦さんはご存じなので、退院したら休めないから寝かせて!と言う場合は、母乳の状況によってお預かりすることもあります)

赤ちゃんの昼の顔と夜の顔は違います。それを知らずに退院したら、きっとお家でパニックになってしまうし、疲れ果ててしまいます。
赤ちゃんのリズムを知ることはとっても大切です。
リズムが分かれば夜中の授乳はどうしたらいいのだろうかと対策を練ることができます。それを助産師に相談することができます。
それでも日々、悩みは尽きないのですけどね。


家に帰ったら休めないから寝たい、預かって欲しいという気持ち、ひじょーに分かるのですが、そこは相談しながらサポートしていくしかないのです。
良かれと思って提案してもお母さんと意識のズレがあると、切ないかな、クレームになってしまいます。


おひとりおひとりに合わせてそんな話をしたので、予想通りディープな夜になりました。落ち着いた夜ならでは、です。 笑


産後の継続ケア

私自身は完全母児同室の母乳推進病院で長く働き、その後ミルクを補足する複数の、完全じゃない母児同室クリニックでも働いた経験があるので、両方の良いところを体感しました。
母乳育児が良いことは重々わかっているけれど、赤ちゃんの個体差やお母さんのライフスタイル・思いもあるし、母乳の分泌状況にもよります。

なので私は、入院期間だけで方向性を決めるのではなく、少なくとも1か月は母子ともにフォローする必要があると考えています。

病院によっては母乳相談外来や電話訪問、2週間健診などのフォローアップがあります。日々成長していく赤ちゃんと、変化していく母乳状況をサポートするにはそれだけでは足りないのでは?と感じています。


日本の産後ケア

そこで、産後の疲労回復と育児のコツを得るには「宿泊型産後ケア」の利用をおススメしたいのです。

韓国や台湾、中国などの「産後院」は、少し前に女優の小雪さんが利用されたことで話題になりました。ホテル並みで産後の2~4週間を養生する目的で利用されているようです。ゴージャスですね。

日本でも宿泊型産後ケアが増えてきましたが、自治体によってまだバラバラであるし、利用の制限があったりします。
しかもメインの目的が「育児技術の習得」です。養生しながらも赤ちゃんとの生活リズムを知り、お世話が自分のペースでできるようにサポートするのです。なので、寝たいから預かっては基本的にしていないところが多いのではないかと思います。

私が非常勤していた宿泊型産後ケア施設も、基本赤ちゃんのお預かりはしていませんでした。夜間困った時に訪室して、授乳や寝かし付けなどを一緒にお手伝いしていました。
基本、見守る姿勢で、お母さんの潜在能力を引き出すこと、自信を持ってもらうことに終始します。


産後ケアは、6泊7日までの利用で助成金が出る自治体もあります。
宿泊型が無くても訪問やデイケアの助成金が出たりするので産後の育児が不安だという方は妊娠中から調べておくのも良いかと思います。

もちろん自費での利用もできますが、1泊数万円~というところがほとんどなので、助成を受けられるのならその方が絶対にお得ですから調べて損はありません。


宿泊型産後ケアの利用タイミング

病院を退院したその足で産後ケア入所という方が多いのですが、一度自宅で2~3日生活してから入所するのが私のおススメです。
何が大変だったのか、何がうまくできなかったと思ったのか、困ったことが明らかになるからです。

基本、出産した病院で、赤ちゃんのお世話や授乳の方法を説明してくれます。なので2~3日はそれで生活できますから大丈夫です。
数日過ごせば、寝ない、あやし方がわからないなどの具体的な悩みが明らかになります。

産後ケアは生活習慣の中でどう育児をしていくかをサポートするので、おばあちゃんの知恵袋的なアドバイスが中心です。
抱っこひもやスリングの使い方、1ヶ月の赤ちゃんでは遊びを含めた成長発達なども生活に密着したアドバイスをしています。


これからの産後ケア

産後ケアは、韓国の産後院のようにビジネス化していくと思うので、市町村からの委託事業と民間会社と二極化されていくでしょう。

産後の回復と出産のご褒美なら民間会社
赤ちゃんのお世話を身につけるなら委託事業

それぞれのニーズで選ぶ時代になりそうですね。

私も近い将来、産後デイケア事業をリアル助産院ではじめたいと思っています。日本助産師会で昨年導入された「産後ケア実務助産師研修修了証」も頂いています。(実務経験と研修実績のおかげですぐに認定もらえました♡)

お産もスキですが、産後の育児サポートの方がずっとずっとスキなので、この事業は絶対に叶えるつもりです。

お母さんと赤ちゃんの笑顔がみたいから


今日の記事がこれから妊娠・出産・子育てするみなさんのお役に立てたらうれしいです。

画像2

最後文

#産後ケア #産後ケア事業 #育児サポート #育児技術 #赤ちゃんのお世話 #助産師ゆかり

パラレルキャリアをもつフリーランス助産師です。歩くパワースポットと呼ばれるくらい幸運体質な私が、妊娠/出産/子育て/女性の健康/の情報発信と日々のくらしのよしなごとをエッセイでつづっています。サポートしていただけたら最高にうれしいです!